乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!

ユウ

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50モフモフと遭遇





ようやく口直しができて満足した私だったが、足元に何か当たるのを感じた。

「ワフ!」

「あれ?犬?」

この世界の犬は狼に近い犬種が多い。
シベリアンハスキーに似た犬種は何度か見たけど、子犬のシェパードだった。


「可愛い」

「リネット。無暗に触っては危険だ…魔力は感じないが魔獣の可能性もある」


モフモフの可愛い子犬。
前世ではジャーマンシェパードを飼い犬していた私として身近な存在だ。


「お腹すいているのかな」

「リネット様…」


可愛いは正義という言葉があるようにモフモフは正義だ。


「食べる?」

「クゥーン」


良く見ると痩せているな。
食べる物がないのかな?

従魔だったらこんなに痩せているはずもない。
足にも傷がある。

「レオ。壁になってください」

「しかしここで治癒魔術を使えば気づかれないか?」

「大丈夫です。結界を敷いて治癒魔術を同時進行すれば気づかれません」

「…リネット。君はどんどん規格外になっているな」


胃を抑えるレオ。
最近、多くなってきているな。

前はシシィ様だけだったのに。


「クゥーン」

「ごめんね?今治癒するから」


同時進行をすると傷口から変な霧が出て来る。

「これは瘴気です…しかも呪いに近い呪印」

「レナ?」

呪印とはその名通り呪いの事だ。
相手を呪縛する呪いの一種で精神干渉系魔術と似ている。


「呪印は下手をすれば相手を死なせます。そして屍になった後に死体を意のままに操ることができるのです」


「酷い…なんてことを」


レナは呪いに関して明るい。
一時は闇魔法に関しても調べていた時期があると聞いている。


「帝国内でこんな魔法を…」

「我が国とは異なり従魔契約などは少々乱暴だからな」


「普通の動物を服従するにしてもやりすぎです」


光ある所に必ず影がありということか。

「ワンワン!」

「もっと欲しいの?」


考え込む私にワンちゃんはもっと欲しいと催促される。

本当に食いしん坊だな。

「待って、玉ねぎは体に悪いから」

玉ねぎのみじん切りが沢山入ったツナサンドは危険だ。
ローストビーフの入ったサンドなら大丈夫かな?


「ワフゥ!」

「そんなに気に入ったの?」

これは私が作ったサンドだ。
正直見た目はメープル程綺麗じゃないのにワンちゃんは尻尾を振っている。


「リネット…あまりやり過ぎては」


「旦那様。大変です」


和やかな雰囲気の中、何故かレオとレナが眉を顰めていた理由に気づかずにいた。



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