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51本当の天才~レオナルドside①
この世には天才と秀才が存在する。
真の天才というのは私達には計り知れないほどの規格外だ。
その規格外の才を持つのは持って生まれただけの才能だけではない。
その才能を持て余すことなく使えるもの。
努力だけではなく遊び心を持って息をするように使えてこそだ。
セレスティア王国をでてから私は何度も目にしていた。
リシウス様のご厚意により、タロタロス号で帝国に向かう途中。
通常なら通常ルートを使うが、今回はお忍びの為に裏ルートで向かったが。
「予定より早く到着する?」
「はい。船長の話によると波が速いのに対して、海竜が道を開けてくださっているとか」
「は?」
「海獣も皆道を開け、波を送り十倍の速さで動いております」
ありえない。
通常、竜族は気位が高く道を開けるなんてありえない。
本来なら海竜に遠慮して通る予定だったがあちらが道を譲るだと?
「しかも道案内をしてくださっておりまして…船乗りをして五十年。こんなことは初めてです」
「そうか…」
顔に出さないが私は動揺している。
貴族として常に冷静であれと母に教え込まれているが…
「旦那様、海竜様が何故か礼を尽くしております」
「は?」
レナの言葉に耳を疑いながら魔眼を使う。
ここからでも遠方を見ることができる魔眼は風の加護を持つが故の特権だった。
この眼で海底を見ると海竜が集まっている。
しかも同じ場所に待機して頭を下げているなんて誰が信じられようか。
「その…デッキの方にリネット様が出られてから海が静かになったようで」
「まさか…」
昔からリネットは魔獣を手名付けるのが上手かった。
本人からすれば魔獣を手名付けるという言い回しを良く思っていなかったが過去に暴走したブラックケンタロウスを大人しくさせたことを思い出す。
白の魔導士の一族は未だに神秘的な存在だ。
本来治癒と結界を同時進行する治癒師なんて歴史上、彼ら以外いない。
歴史の中で白の魔導士の事は人によって消されている。
彼らがいかにして過ごしたか、功績も後から塗り潰され何時から嫌われ者の魔導士になったか。
彼らが活躍した事実を世に出してはいけない何かがあるのか。
王都から追いやられ、魔獣が住まうような僻地に追いやられながらも息を潜めながら国を守ってきたこと。
同時に人外から敬意を持たれている事。
分からないことが多すぎたのだが、今の私に分かっているのは海の守護神とも呼ばれる海竜を筆頭にリネットに対して礼を尽くしていることだ。
「レナ、このことは…」
「承知しました」
国を出て二時間でこんな状況になっている。
だが、これはほんの序の口だった。
船旅を終えた後もセレンティア王国内ではありえなかった魔術の使い方をして才能を発揮していた。
結界魔術と空間魔術でとんでもない力を発揮したのだった。
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