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60忌まわしき存在~レオナルドside①
ある日を境に叔父夫婦がセレンティア王国に来られることは無くなった。
理由は公務と、叔母上の体調が悪いとのことだった。
婚約式まではそんなことはなかったが、あの日を境に叔母上の体調が悪化したと聞く。
それでも転移魔法を使えば問題なかったはずだ。
これまでは体調を考えながら我が家に来てくださったが、グレゴリー殿下が原因だったとは!
「レオ」
「不愉快極まりない!叔母上になんということを」
第二王子が他国の侯爵夫人に対してこのような無礼が許されるものか!
「察するにグレゴリー殿下は私の出生を知らぬのではないか?」
「まさかそんな…」
「他国では私を悪しざまに言う者は多いからな」
だからと言っておかしいだろう。
叔父上は己の良くだけで継承権を返上したわけではない。
帝国内で内乱を起こさないためだ。
同時に、悪徳貴族を見張るべく男爵の地位を受け入れたのだから。
だが、優秀過ぎる故に早い段階で侯爵の地位を得てしまったが。
「しかしどうも解せません。何故あの方が同盟国でもない帝国にコネがあったのでしょうか」
「男爵家と言っても優劣があります」
そうだ。
物を知らないものはか伯爵以下の貴族を平民と同様だと言うが、由緒正しき家柄ならば伯爵家よりも優遇される。
だが、あの女の家はそこまで古くない。
名家とは言い難く、実家も裕福とは言い難いのだから。
その割には頻繁に舞踏会に来てはドレスも宝石も身の丈に合っていない。
「ビスケットの出どころをはっきりさせた方がいいでしょうね」
「ああ…」
「私はできる限りでリュドミラ―様の治癒能力を上げて見ます」
リネットにまで負担を強いることになって申し訳ないが、今はできることを増やすしかない。
「すまない」
「何故謝るの…」
「国を出ても君に負担を強いている」
国を出てゆっくりして欲しい気持ちは本当だ。
叔母上と楽しい時間を過ごして、二人きりで楽しい時間を作りたいと思った。
精神的に参っている叔母上もリネットと一緒なら元気になってくれると思ったんだ。
叔母上はリネットを好いているから。
だが、私の考えは余りにも甘く浅はかだったと思い知る。
同時に私を何所まで不愉快にさせるあの二人は、国を出ても私をイラつかせていた。
「旦那様…こちらを」
「ベルシュタイン家からか?」
「はい。火急で旦那様に届いたそうで」
甘ったるい匂いがした便箋。
透明なシャボン玉に入り、その周りに結界を敷かれているのに匂いが取れないとは、どんだけなんだ!
「宛名は…」
シャルロット・ヴィッツと書かれていた。
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