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63孤立の理由
長い歴史の中、白の魔導士が何時ごろから差別を受けたのかは分からない。
ただ、かつては黒の魔導士と共存していたのに、僻地に追いやられて中央から見放されたのは何時ごろからだろうか。
きっかけは戦場で役に立立てなかったことが始まりで。
精霊使いが増えだしたことで守りだけしかできない白の魔導士は必要ないと、子供達にも教えを説くようになったことで、世間では役立たずの無能な魔導士だと言われている。
「すべては故意的に流された噂です」
「え?」
「では役立たずというならば何故未だにお役目を解かなかったのでしょう…迫害を受けて軽く三百年は過ぎているのです」
「そんなに…」
「私の曾祖母の言葉ですが」
「何歳だ…」
レオの突っ込みに私も賛同したくなる。
エルフかドワーフならば人間族よりもずっと寿命が長いけど。
人間なら長くても80歳が寿命だと言われている。
・・・なのだけど。
「私の曾祖母は現在250歳でございます」
「「「は?」」」
この場にいる全員が思った事だ。
「失礼ですが、曾祖母様はハーフでしょうか?」
「いいえ人間です。魔力もないごく普通の」
普通で250年も生きているのか?
「故に、白の魔導士様の事も良く存じ上げております」
「そうですか…」
「曾祖母の話曰く、今から250年前に王女殿下がある殿方に恋をしたそうなのですが既にその方はある女性と将来を誓っていました」
「あー…」
「そのお相手がその時代の白の魔導士様でした。お二人は幼馴染で幼少期から結婚の誓いを立てました」
幼い頃から愛を誓い結婚する約束をする二人。
そんな二人の間にあり込もうとした王女様が何をしたか理解できるな。
「国王は王女可愛さに、白の魔導士様を戦場に向かわせました」
「戦死すれば男を手に入れられると言う事か」
「はい。ですが、白の魔導士様は無事に生還し、しかも大国の皇太子殿下を味方につけ、二人は結婚することが叶いました…しかし王女は」
「逆恨みをしたと…」
「はい。魔を封じたのは同行した勇者と魔法使いであり、白の魔導士は何もしていないと妄言しただけでなく。偽りの功績で王女の愛する人を奪ったと…」
実にくだらない。
略奪しようとしたのは王女の方じゃないか。
「世間から冷たい目を向けられ、王都に住まうこともできなくなった白の魔導士様でしたが…」
ここまで来たらその先は理解できる。
白の魔導士は皆決まって俗世に関して無関心だ。
ある意味引きこもりのオタクと言っても過言ではない。
自給自足をしながら僻地で隠れ住む生活を好む人が多いから。
「王都から追放の身になりたくなくば…と」
「喜んで追放の身になったのでしょう」
「はい」
富も名誉も興味がない。
元より一つの事だけを探求する性質だ。
むしろ王都での生活も社交界での活動も煩わしいのだから。
「ほぼ、駆け落ちに近い状態で王都を出たのです」
その後怒った王女が噂を流したのか。
けれど、王女は思いもしなかったのだろう。
貴族令嬢が僻地で幸せになれるはずがないと思ったのだろうが…
「王女の予想は外れ、白の魔導士様は幸福に生活したそうです」
「それで、恨んであることないことを噂を流した後に魔導士の役目を解かずにいたと」
「はい。王女様の温情で二人は僻地で不自由ない暮らしをさせてやったので役に立てと。報酬はなく、生まれた子供は国に仕えさせるようにと」
ある意味人質だった。
子供に魔力があれば危険な戦場に向かわせて、命を奪おうとした。
白の魔導士の血が途絶えることを望んだが、血が耐えることはなかったということだ。
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