乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!

ユウ

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65運命を乗り越えて~リュドミーラside①





女神の怒りを買った女。
それが私、リュドミーラ・アルテリアにつけられたもう一つの名だった。


優しい両親と兄に大事にされ、ベルシュタイン家の加護の対価として私は生まれつき体が弱く魔力はほとんどといっていいほどなかった。


セレンティア王国では貴族、平民だけでの差別だけではなく。
魔力があるか無いかで優劣をつける。

生まれ持った才能をすべてと考える意識が根強く、人の価値まで決めつけられる。
そんなことは馬鹿げていると聡明な父がおっしゃっていた。

私もそうおもう。
でも、私を妬む輩は私の弱い部分を叩いてきた。


ベルシュタイン家は代々女神の加護を受ける。
周りからは羨ましいと言われるがその一方で加護を受けた者は幼少期に強い加護に苦しむ。


加護を受けないこともある。
当初兄は軍神の神の加護を受けていたのだ。


最も強い女神の加護を受けた場合、女児は早逝すると言われている。
稀に加護に耐えられる者もいたが、片手で数える程度で、奇跡でも起きない限り不可能だった。

奇跡を起こす者。

人は聖女と呼んだ。
正教皇国では聖女を名乗ることを罪と考えている。


通常聖女は教皇かその地位に近しい者を指す国も少なくない。
救国の聖女という物語もあるが、女神の代弁者となるのが教皇となり神殿のトップが認めない限り聖女と名乗るのは神への冒涜とみなされている。


けれど過去にベルシュタイン家の当初となった女性が多きすぎる加護で命を失いかけた時聖女が現れ命を救ったという記述がある。


もし聖女様が存在するならば心優しい慈悲の化身だと思った。



残念なことにその聖女様は私達の代では現れないだろうと思った。
女神アリテナの加護を受ける女児も生まれない。


けれどベルシュタイン家には強い魔力を得る対価があり、兄弟の片方が強い肉体を得るとその後に生まれた子供が病弱に生まれる。


人は犠牲無しに大いなる力を得ることはできない。
兄は私に泣きながら詫びた。

自分の所為で申し訳ないと。

兄が望んだわけじゃない。
だから兄を恨む気はないけれど、周りはここぞとばかりに私が邪魔だと同情の視線を向けながら嘲笑った。


他人の不幸は蜜の味。
公爵筆頭家ならば猶の事だ。


けれど私は絶対に不幸じゃなかった。
むしろ幸福だったと思う。

貴族の家庭は冷たく、血を分けた家族ですら平気で殺し合う。
己が生きる為に親が子を食らうマムシのようだ。


けれど、私を守る為に苦悩してくださった両親にお兄様。
愛されることの喜びを知らないことがどれだけ悲しいか知っている。


そして打開策が見つからない中、私は恋を知った。


お相手はリーシュフェル帝国の第二皇子殿下。


フェリックス・リーシュフェル様だった。



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