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76女神に弓引いた者達~フェリックスside④
公の場だと言うことを忘れて暴言の数々。
まぁ、この二人を相手では分が悪すぎるが、世間知らずのお坊ちゃんは怖いもの知らずだ。
普通なら発言を控えるのだろうが…
「グレゴリー様」
「ああ、シャルロット」
ぴったりとくっつく彼女はチラチラ私を見ている。
「あの…貴方は?」
「は?」
私と視線を合わせ不愉快な表情で私を見る。
「セレンティア王国の方ではありませんよね。他国の方ですか?」
この女は覚えていないのか?
過去に私のミラーシャに無礼を働いたことを。
「初めまして。私は…」
しかもマナーのマの字も知らないのか。
「お止めください!この方はリーシュフェル帝国のアルテリア侯爵閣下でございます」
「え?元皇弟で!お兄さんに帝位を譲る為に皇族籍の身分を剥奪された?」
この言葉で私の中で不信感が募った。
私が元皇族であることを知る人間は少ない。
何故なら二十年前のことだからだ。
年配の貴族ならある程度は知っているだろうが、高位貴族でもない。
しかも他国に関心があるようにも思えない彼女が何故知っている?
我が帝国内で帝位争いが起きていたことも他国には知られていないはずだ。
「どういうことだ?」
「お兄様と帝位争いをしないためにわざと帝位を返上して僻地に追いやられたんですよ。しかも奥方はベルシュタイン家で行き遅れの女性を妻にしたせいで男爵の爵位しか得られなかったんです」
「なっ…」
この女、何所までも私のミラーシャを馬鹿にする気だ。
「本当は優秀なのに。真実の愛なんて嘘をついて…可哀想」
「兄に怖気ずいたか…なんとも情けない男だ」
私のことをどう言おうともいい。
半分は合っているし、私は兄と争いをしたくないのは事実だ。
だがミラーシャへの侮辱は許せない。
「我が妻を侮辱するのはお止めください」
「死んだ人の事を悪く言うつもりはなかったんです。ただ可哀想だと思って・・」
「私の妻を勝手に殺さないでください」
なんて無礼極まりない女なんだ。
過去にミラーシャに告げた言葉など覚えていないのか。
自身を聖女と言いながら、他者を傷つける行為を平然とする。
こんな女が聖女なものか!
「シャルロットは同情してやっているんだ!この無礼者めが…ぐっ!」
「グレゴリー様!いい加減にしてください!」
「帝国と戦争をするおつもりですか!」
騎士達が無理矢理抑え込もうとするが、もっと早くに動いてくれ。
帝国ならばありえないぞ。
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