乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!

ユウ

文字の大きさ
84 / 219

77女神に弓引いた者達~フェリックスside⑤





社交界では自分よりも身分の高い貴族に声をかけることは論外。
声を荒げることすら問題になる。


「この国では、他国の勅使に対してこのような態度を取るのですかな?」

「えっ…」

私の言葉に驚いた表情をする。
何故驚くのだろうか。

「私は侯爵という地位にありますが、国の代表たる私を侮辱することは、グレゴリー様の母君は我が帝国に宣戦布告をされたと言う事でしょうか」

「何を!」

「違います!何を誤解をなさっているのですか…そんな大げさな」


大袈裟だと?
自身の発言がいかに祖国を危険に晒しているのか分からないのか。


「貴女はこの国の公爵家の人間を侮辱し、私の愛する妻を死んだと虚偽の発言をされました。過去に私の妻が呪われたと妄言をされましたね」

「えっ…」

「やはり覚えておられませんか。三年前私の妻が呪われている。女神の呪いを受けたと」

祖国に帰ることもできず、噂を流されたミラーシャが社交界でどんな扱いを受けたか。


「えっ…あー…」

「私の妻は今の健在です。そもそも女神の呪いとは何なのでしょう?」

そんな記述はない。
女神の裁きを受けた者はいるが、道から外れた者だ。


「妻は幼少期よりイシュミール正教の教えに従い、信仰心もありました。女神の怒りを買うような真似をしたことはありません。にもかかわらず何故?」


私の言葉に目を泳がす。
この程度の問いに答えることもできないのか。


「貴様!我が国の聖女を愚弄する気か!」

「聖女…とね?」

「何が言いたい」


この者は本当に学がないな。
正教皇国では他国の貴族令嬢が聖女を名乗ることに反感が強い。



その理由は聖職者の侮辱と、各国の教皇猊下を見下す行為だと考えられているか。


「貴女は教皇猊下の許可を頂き聖女を名乗っていませんよね?それは詐欺罪に値しますよ」

「え?」

「この場に厳しい正教皇国の勅使がいれば間違いなく貴女は聖女を名乗った罪で罰せられます。我が国では聖女を受け入れておりません」


「貴様!無礼な…」


私の言葉を侮辱と取ったのだろうが先に無礼を働いたのはどっちだ。
相手が王族ならば問題になるだろうが既に、廃嫡が決まっており社交界でも孤立状態にあるならば痛くもかゆくもない。


「聖女を否定する国など不要だ!母上に言いつけてやる」


ここまで来て母親頼みか。


「母君の権力に泣きつくとは情けないことですわ」

「うむ…母君に頼るとは親離れができておりませんな。自立をお勧めしますよ」


援護射撃と言わんばかりか。
義姉上と義兄の阿吽の呼吸は実に素晴らしい。


「待ってください!私は…」

「例え、貴女が聖女だと名乗られても。我が帝国は聖女を認めないとのことです」

「そんな…」



私の言葉にショックを受けているようだが、当然の事を言ったまでだ。



「何をしている!」

「リシウス!」


そこに騒ぎを聞きつけたリシウス殿下が現れ空気は更に悪くなるが知った事ではない。


ただ分かっているのは、自称聖女と元王子の立場が更に悪くなると言うことだが自業自得だろう。



感想 116

あなたにおすすめの小説

【完結】引きこもりが異世界でお飾りの妻になったら「愛する事はない」と言った夫が溺愛してきて鬱陶しい。

千紫万紅
恋愛
男爵令嬢アイリスは15歳の若さで冷徹公爵と噂される男のお飾りの妻になり公爵家の領地に軟禁同然の生活を強いられる事になった。 だがその3年後、冷徹公爵ラファエルに突然王都に呼び出されたアイリスは「女性として愛するつもりは無いと」言っていた冷徹公爵に、「君とはこれから愛し合う夫婦になりたいと」宣言されて。 いやでも、貴方……美人な平民の恋人いませんでしたっけ……? と、お飾りの妻生活を謳歌していた 引きこもり はとても嫌そうな顔をした。

義妹に婚約者を譲りました。貧乏伯爵に嫁いだら、溺愛と唐揚げが止まりません

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「お姉さまの婚約者が、欲しくなっちゃって」 そう言って、義妹は私から婚約者を奪っていった。 代わりに与えられたのは、“貧乏で無口な鉄面皮伯爵”。 世間は笑った。けれど、私は知っている。 ――この人こそが、誰よりも強く、優しく、私を守る人、 ざまぁ逆転から始まる、最強の令嬢ごはん婚! 鉄面皮伯爵様の溺愛は、もう止まらない……!

【完結】身代わりに病弱だった令嬢が隣国の冷酷王子と政略結婚したら、薬師の知識が役に立ちました。

朝日みらい
恋愛
リリスは内気な性格の貴族令嬢。幼い頃に患った大病の影響で、薬師顔負けの知識を持ち、自ら薬を調合する日々を送っている。家族の愛情を一身に受ける妹セシリアとは対照的に、彼女は控えめで存在感が薄い。 ある日、リリスは両親から突然「妹の代わりに隣国の王子と政略結婚をするように」と命じられる。結婚相手であるエドアルド王子は、かつて幼馴染でありながら、今では冷たく距離を置かれる存在。リリスは幼い頃から密かにエドアルドに憧れていたが、病弱だった過去もあって自分に自信が持てず、彼の真意がわからないまま結婚の日を迎えてしまい――

行き遅れのお節介令嬢、氷の公爵様と結婚したら三人娘の母になりました

鳥柄ささみ
恋愛
お節介焼きで困っている人を放っておけないシアは、数多のご令嬢達から人気の令嬢だ。毎日ファンレターが届き、社交界に出れば令嬢に取り囲まれるほどである。 けれど、それに反比例するように男性からの人気はなく、二十七だというのに嫁の貰い手もないため、毎日母から小言をもらっていた。 そんなある日のこと、突然公爵家から縁談の話が。 シアは公爵家がなぜ自分に縁談など持ち掛けるのかと訝しく思いつつ話を受けると、なんと公爵の後妻として三人の娘の母代わりになれと言われる。 困惑するも、自分へ縁談を持ちかけた理由を聞いて、お節介なシアは嫁ぐこと決めたのだった。 夫になるレオナルドはイケメンなのに無表情で高圧的。三人の娘も二女のアンナを除いて長女のセレナも三女のフィオナもとても反抗的。 そんな中でもお節介パワーを発揮して、前向きに奮闘するシアの物語。 ※他投稿サイトにも掲載中

【完結】子爵令嬢の秘密

りまり
恋愛
私は記憶があるまま転生しました。 転生先は子爵令嬢です。 魔力もそこそこありますので記憶をもとに頑張りたいです。

ハズレ嫁は最強の天才公爵様と再婚しました。

光子
恋愛
ーーー両親の愛情は、全て、可愛い妹の物だった。 昔から、私のモノは、妹が欲しがれば、全て妹のモノになった。お菓子も、玩具も、友人も、恋人も、何もかも。 逆らえば、頬を叩かれ、食事を取り上げられ、何日も部屋に閉じ込められる。 でも、私は不幸じゃなかった。 私には、幼馴染である、カインがいたから。同じ伯爵爵位を持つ、私の大好きな幼馴染、《カイン=マルクス》。彼だけは、いつも私の傍にいてくれた。 彼からのプロポーズを受けた時は、本当に嬉しかった。私を、あの家から救い出してくれたと思った。 私は貴方と結婚出来て、本当に幸せだったーーー 例え、私に子供が出来ず、義母からハズレ嫁と罵られようとも、義父から、マルクス伯爵家の事業全般を丸投げされようとも、私は、貴方さえいてくれれば、それで幸せだったのにーーー。 「《ルエル》お姉様、ごめんなさぁい。私、カイン様との子供を授かったんです」 「すまない、ルエル。君の事は愛しているんだ……でも、僕はマルクス伯爵家の跡取りとして、どうしても世継ぎが必要なんだ!だから、君と離婚し、僕の子供を宿してくれた《エレノア》と、再婚する!」 夫と妹から告げられたのは、地獄に叩き落とされるような、残酷な言葉だった。 カインも結局、私を裏切るのね。 エレノアは、結局、私から全てを奪うのね。 それなら、もういいわ。全部、要らない。 絶対に許さないわ。 私が味わった苦しみを、悲しみを、怒りを、全部返さないと気がすまないーー! 覚悟していてね? 私は、絶対に貴方達を許さないから。 「私、貴方と離婚出来て、幸せよ。 私、あんな男の子供を産まなくて、幸せよ。 ざまぁみろ」 不定期更新。 この世界は私の考えた世界の話です。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。

編み物好き地味令嬢はお荷物として幼女化されましたが、えっ?これ魔法陣なんですか?

灯息めてら
恋愛
編み物しか芸がないと言われた地味令嬢ニニィアネは、家族から冷遇された挙句、幼女化されて魔族の公爵に売り飛ばされてしまう。 しかし、彼女の編み物が複雑な魔法陣だと発見した公爵によって、ニニィアネの生活は一変する。しかもなんだか……溺愛されてる!?

彼は亡国の令嬢を愛せない

黒猫子猫
恋愛
セシリアの祖国が滅んだ。もはや妻としておく価値もないと、夫から離縁を言い渡されたセシリアは、五年ぶりに祖国の地を踏もうとしている。その先に待つのは、敵国による処刑だ。夫に愛されることも、子を産むことも、祖国で生きることもできなかったセシリアの願いはたった一つ。長年傍に仕えてくれていた人々を守る事だ。その願いは、一人の男の手によって叶えられた。 ただ、男が見返りに求めてきたものは、セシリアの想像をはるかに超えるものだった。 ※同一世界観の関連作がありますが、これのみで読めます。本シリーズ初の長編作品です。 ※ヒーローはスパダリ時々ポンコツです。口も悪いです。