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85最年少侍女~ジルside①
私はベルシュタイン家の侍女であり護衛騎士。
実家は何代も続く騎士を輩出した家ではあるけど貴族とは名ばかりの貧しい家だった。
戦争になれば真っ先に駆り出されながらも国は故郷が竜に責められても守ってくれなかった。
そもそもセレスティア王国の兵を派遣できる領地は限られている。
私のような田舎貴族等は自身で領地を守らなければならいのだ。
幼少期から立派な騎士になるべく教育を受けた。
騎士として国に仕えるのは当然、高位貴族に使えることも。
でも私は何もしてくれない王族になんて仕えたくなかった。
私達に国は何をしてくれた?
都合の良い時だけ利用され、いざ領地が危険に合えば手助けしてくれない。
戦死しても何の援助もなく、領地が焼かれたのは私達が弱いからと嘲笑うあの女の声は今も覚えている。
私の父は腕を負傷して騎士として生きていく事ができなくなった。
母は魔物に襲われ背中を負傷して人前に出られない状況になったし、下にいる弟達は瘴気の影響で失明してしまった。
あの頃の私達は悲惨な状況下だった。
そんな時に邪竜の群れが現れ私達の領地を襲いに来たのだ。
後から知ったが邪竜を一か所にまとめる為に私達は餌食にされたのだ。
命じたのはゲルツォーネ侯爵だと知らされたが、背後にあの女がいるのは誰もが気づいていた。
国にとって無駄な雑費を省くために負傷した兵を処分するのは良くある話。
私達の一族はもはや使い物にならないから邪竜と一緒に殺すということなのだろう。
「王宮から手紙が来ている」
「国に身を捧げろと」
「それは私達に死ねと…」
騎士として生きて来たならば死は常に覚悟していた。
でもこんなの残虐と一緒だ。
動くことができない母に妹と弟達。
父も満足に動けない。
「結局…国にとって私達は利用できなくなったら処分するの」
「クソっ!なんとか子供達だけでも!」
魔力をほとんど持たない私達に逃げる術はない。
武器ももうないし、負傷した者だからけでに逃げるなんてことは不可能だ。
「逃げろジル!」
「えっ…」
真上に巨大な邪竜の影。
牙が私をかみ殺そうとした時、死を覚悟した。
その瞬間だった。
「ギシャアァァァ!」
銀の光が邪竜に襲い掛かった。
「これは…結界魔法?」
「魔術だ。白魔術だ!」
小さな結界が無数に浮かび、その場にいる人たちを守っていた。
結界に襲い掛かる邪竜は炎を吐くも、結界により跳ね返り炎は邪竜を襲った。
その結果邪竜の群れは全滅した。
「申し上げます!」
「何だ!」
「白の魔導士様の結界により邪竜は全滅!死亡者は一人もおりません!」
騎士の一人が駆け込んできて告げた言葉に私は耳を疑った。
邪竜に襲われれば被害は大きく全滅する。
被害が少なくともほぼ全滅状態だ。
「現在、白の魔導士様が治癒魔術でポーションを無償で配布してくださっているようで」
「何ですって?」
「ポーションだと…」
こんな田舎ではポーションは高価だ。
「瘴気の影響を受けた者を順番に治療をしてくださっているようで」
騎士の言葉に私は涙が流れた。
誰も助けてくれないと思ったのに、助けてくれた人がいた。
その方が、白の魔導士様。
リネット・フェリーチェ様だった。
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