乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!

ユウ

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92恩知らずの末路①







――女神の雷が悪人に下る!
大きな見出しで書かれた新聞に国民は疲弊していた。

白の魔導士が解任になってから今日まで不幸な日々が続いていた。
王都内の結界が破れ、魔物の侵入を許してしまったことから始まり、その次は災害による打撃だ。


王都と地方の違いは人口の数によるものだった。
人の行き来が多く、物資が通される王都では賑わう街に人が集まる。


特に城下町等は常に人が集まっている。
そんな場所に魔物が襲い掛かってくればどうなるかなんて一目瞭然だ。


警備隊が巡回しているが、魔物が襲ってくるはずがないと高を括る者が多いため咄嗟の判断は難しい。


特に問題なのはその被害だった。
過去に魔物が襲ってきた際にも被害は少なくとも建物の破損は免れなかった。


それだけ魔物の行動を読むのは難しい。
守られているだけの民達は何も知らないのだから。


そして現在、魔物の被害を受けている人物もそうだった。


結界の崩壊により真っ先に被害を受けたのは花屋を営んでいた店主だった。
魔物が暴れ出したことで店は炎の渦の中だった。


燃え盛る炎の中、隣へ隣へと炎が映る。

「店が…私の店が!」

消えることがない炎。
絶望を味わう男は悲鳴を上げた。


何故、魔物が現れた?
どうして魔導士は助けてくれない?

「早く火を消してくれよ!俺の店が…家が!」

「アンタの店が燃えた所為で私の店が!」


「早くなんとかして!魔物が…魔物が増えているわ!結界はどうなっているのよ!」

「痛いぃぃ!誰か助けてぇ!」


幸いにして死傷者は出ていないが怪我人が続出していた。

「宮廷魔導士は…白の魔導士は何をしているの!」

「何で…」


彼らは悲鳴を上げながら、救助が何故来ないかと言うも。


「魔導士達は魔物を抑え込むのに忙しいらしいぞ」

「平民よりも貴族様が優先だからな」

「そんな!今までは…」


これまで、こんなことはなかった。
魔物に襲われることは合ってもすぐに助けは来ていた。


なのに何故と思った。


「白の魔導士は…」

「何言ってやがる。陛下が解任されたじゃねぇか…」

風の噂で白の魔導士は宮廷魔導士の肩書を剥奪され、白の魔導士の最後の生き残りであるリネットは国外追放の身となったことは有名だった。


彼らは当初、興味はなかった。
無能な魔導士を税金泥棒と罵倒し、過去に町に来て買い物に来たリネットを追い出したのだから。


「宮廷魔導士様は貴族様が最優先だ…俺達なんて助けてくれねぇよ」

「だったら誰が助けてくれるんだよ」

「大体、白の魔導士の癖に国外追放されるなら結界だけ残して行けよ」

「役立たずが!」


自分達が不幸な目に合っているのはリネットが悪い。
すべての現況はリネットだと言い罵倒する。

何処かに怒りを向けないと心を保てなかったからだ。


だが、そんなモノは意味を成さない。
店が燃えて行き、炎は勢いを増す中魔物は数を増すばかりだったのだから。



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