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103神話②
神々の戦の中で一番有名なのは地上の女神アリテナだ。
地上が誕生してすぐの頃、どの神が地上を管理するかで争った後に大神は自分の手の者。
我が娘に地上の管理を任せ、ゆくゆくは己の物としようと企てたのだ。
娘が地上を上手く管理すれば自動的に自分の物になると考えたというのは信憑性が高い。
なのだけど――。
そこに異論を唱えたのが、アリテナの伯父に当たる海の神だった。
ゼロウスの思惑など、少し頭の良い神ならばお見通し、上手いことを言って娘に一時的な管理を任せて女神としての自覚を持たせたいとか言いながらも本性では後に自分の物にしようと言う考えが明け透けだ。
海皇ともよばれる海の神はそんなことは許さないと、抗議した結果。
二人の神々の戦いが行われた。
海の神ポセイドス。
寛容ではあるが筋肉で物を考える体質である。
かなりの酒豪でもある。
勝負の内容は地上に住まう人間達に何が喜ばれるか。
その土地に豊饒を与えたのだ。
当時は文明が発展しておらず、自給自足が当たり前で食べる物も困る状況下。
女神アリテナはオリーブの木を人間に与えた。
平和と光を意味すると同時に、オリーブは様々な面でも役に立った。
その後果物がある木等を送り、人間を喜ばせた。
反対にポセイドスは聖なる泉の水をすべて酒に変えた。
しかしその酒の所為で飲んだくれる男が続出して女達は困り果てた。
その結果、勝敗は言うまでもなかった。
「――…というのが正しい神話です」
「私達が知る神話とは若干異なるな」
「ゼロウスの悪事が明け透けですね。帝国では英雄神にされていましたが」
帝国ではゼロウスこそが素晴らしい権力者として描かれているようだが…
「あの変態絶倫男は女神の敵ですよ。自分の娘に子作りを迫るのですから」
「最低ですわね」
冷ややかな目を向けられるリュドミーラ様。
確かに女の敵だ。
「その所為で数多の愛人は正妃である最高位の女神に消されましたが」
「修羅場か…」
「顔色悪いね。レオ…」
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