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110垂れ流した魔力
そんな都合のいいことありえない。
リュドミーラ様の病気が完全に完治した?
確かにここ最近は食欲も増えて、朝のお散歩は一人でできるようになって。
最近は邸内でプールに入って泳いでいた気がする。
あれ?
本当に病人だっけ?
「これがカルテです」
「…正常というよりも良すぎだ!」
「ねぇ、体年齢18歳って何?間違ってない?」
見せられたカルテには血圧から体脂肪率に体年齢まで折れ線グラフで書かれている。
体年齢18歳って何?
「ここ最近顔色も良くお肌のお綺麗で驚きましたわ」
「ストレスが軽減されたと思っていたの…後はエステとか」
美を保つには色々方法があるだろう。
お金さえつぎ込めば本当に色々あると思っていたのに。
「昨日は仔フェンリス様と走ってました」
「仔フェンリルってなんだよ!」
「まぁ、それはさておきです」
お元気になられたのは喜ばしい。
でも、私は本当に何もしていないんだよ。
確かに治癒の魔術は使った。
でも、微々たるものでしかないのだから。
「このお邸に滞在してから三食決まったハーブティーをお飲みでしたね?」
「えっ…うん。私がブレンドしたの」
領地から持ってきて私が育てたものだ。
毒抜きの効果は勿論だけど滋養にも良いから普段から飲んでいただいていた。
「恐らくリネット様がお育てになった植物には癒しの効果があるのではないかと」
「だからって…いや、もう考えるのは止めよう。今まで規格外だったんだ。今更だ」
「諦めるの!」
だっていきなり言われても納得できないんだけど。
そもそも万能薬を作れるようになった理由が分からないんだけど。
「リネット、作った薬は…って!ポーションの色が」
「全部色が透明になっている」
かき氷のシロップだと言われたポーションの色が全部透明になってしまっている。
「全部万能薬になっちゃった」
「どうするんだ」
「ギルドで売る?」
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