乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!

ユウ

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111妙薬の使い道






とりあえず作ってしまったエリクサーをどうするか。


「そうだ。使ってしまえばいいんだ!」

「「は?」」


処分するの論外だと言われるも、売れば足がつくならばこっそり使ってしまえばいいんだ。


「この薬って、病気以外も使えるんだよね?」

「神話では、水を清めたり、魔力を取り戻せるとは聞いている」


私も神話で聞いたことがある。
奴隷の契約をされ、ズタボロになった後は同族からも忌み嫌われる。

その理由は魔力を失い、美しい姿の欠片もなくなっていると。
けれど神話ではエリクサーの力で魔力を取ろ戻すことができると言われている。


おとぎ話に近いけど。


「帝国には傷ついた精霊や、枯れた泉があるんでしょ?」

「ああ…」

公に使うのは危険だ。
ならば精霊族の為に使うことができないかな?

「後は、薄めて…」

「「薄める?」」


そんなに怒らないで欲しいんだけど。


「えーっと、孤児院に寄付したり…発展途上国に寄付を」


他国には、独立を勝ち取った未だに戦後の傷跡に苦しむ国がある。
女性が君主となる国や貧しい国ではまともな薬も手に入れることもできず他国からの援助をうけることもできない。


代わりに領地を差し出させながらも、対価に見合わないことがある。


「帝国の為に外交をするのか?」

「違うわ。そんな大それたものじゃない」

そもそも、私は政治に詳しくない。
帝国の負の歴史がどれほどなのか分からないし、私は没落寸前の貴族令嬢だもの。


「苦しんでいる人がいるなら助けたい」

「リネット…」

「私は白の魔導士だから」


もう国に帰っても白の魔導士と名乗ることはできない。
宮廷魔導士を解雇された身である以上、公に治癒をすることはできない。


「帝国と精霊達の関係もこのままは良くないわ」

「それは…そうだが」

「セレンティア王国にも被害がでるかもしれない」


私は故郷を愛している。
生まれ育ったあの領地を、優しいドワーフの皆に妖精さん達。


彼らが傷つくことになるなんて耐えられない。


「これ以上人外さんに迷惑はかけたくない」

人間の業で犠牲になった精霊達。
精霊の愛しい子の方々の魂を静かに眠らせてあげたい。


「今私がすることは、未だに苦しんでいる魂を安らかに眠っていただくことなんだと思います」

そもそも白の魔導士の起源は、傷ついた人を癒す魔導士。

生ける者には治癒を、死した者には静寂なる眠りを与える。


その魂が大地の一部となり、長い年月をかけて再び生を得る為にもその魂は真っ白な状態でないと闇の精霊になってしまうと聖書にも書かれている。


私達人間は加害者で彼らは被害者なのだから。


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