乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!

ユウ

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117究極の選択~レオナルドside①





エリクサーを作り出してからというもの、リネットは何かを振り切ったかのように神話の事を調べ出した。

過去に帝国と起きた負の歴史を徹底的に調べ、尚且つ帝国との一番の問題。
奴隷の紋章を刻まれた精霊達を救うべく過去の伝承などを徹底的に調べる傍らでポーションの質を上げるべく寝る時間も惜しんでいる。


「まだ寝ていないのか」

「新薬の調合をと…」

食事の時間も忘れる程に没頭している。
昔から引きこもりだったリネットは、興味がある研究は昼夜問わずだった。


様々な事が一度にあり過ぎた。
白の魔導士の祖先の事や、帝国の闇に精霊達が受けた苦しみ。


リネットが女神の子孫でいること。


一度に沢山の事があり過ぎて正直、私自身も受け入れきれないことが多い。

だが、一番辛いのはリネットではないのだろうか?
正直、リネットは富も名声も興味がない。

私は嫡男であるが、リネットを無理強いする気はない。
社交界に出るのも最低限でもいいとも思っている。

リネットは治癒師としての功績がある。
故に社交界に表立って出るよりももっと重要な役割がある。

社交界の華等、リネットには似合わない。
母も社交界には最低限しか出ていなかったし、両陛下の許しの元王都を離れて国の為に働いているのだから。

「レオナルド様」

「メープル。どうした?」

「恐れながら…」

何か言いたげな表情だな。
今更遠慮することもないのだが。

「申してみよ」

「はい。リネット様との婚姻はこのまま続行されるのでしょうか」

「何?」


メープルの発言は私への侮辱にも等しい。
傍にいるレナの眼が険しくなる。

「メープル!」

「申し訳ございません!ですが、私はこのままリネット様は籠の中の鳥も同然です」

「言葉が過ぎましてよ!」

ベルシュタイン家に絶対の忠誠を誓うレナ。
リネットに忠義を尽くしているメープルの双方譲らない大勢だ。


「リネット様のご先祖様は表舞台に出ないように今日まで奮闘されておられました。その理由は権力者に使用されることを危惧しての事」

「それは…」

「旦那様は公爵となられる方です。そうなればどうなりますか…最悪帝国に側妃に召し上げられることだってあります」

「馬鹿な事を…そんな」

「ないと言い切れません!時の権力者は女を政治の道具になさいます。旦那様が望まなかったとしても」


帝国の力は偉大だ。
精霊からの拒絶を受けていても軍事力は恐ろしく人口も我が国の倍だ。


国同士がぶつかればどうなるか。
大帝国と呼ばれるが故だ。


「治癒師が不足する国でリネット様に無体を働き、その結果がどうなりましょうか」

「メープル!」

「私にとってリネット様は唯一無二の主にございます。主を守るのが侍女の務めです」


普段使うことがない愛剣が握られている。

その意味は、己の命を差し出しても敵わない。
命がけで直訴するも同然の意味だった。





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