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閑話8立ち上がる悪役令嬢達~エリザベートの場合①
社交界にて、好機の視線に晒される中。
さして気にすることもせずに背筋を伸ばして歩くエリザベートは、すれ違いに視線がある学生に優雅に微笑む。
「ごきげんよう」
視線が合ったので挨拶をするも、男子生徒は視線を反らせる。
「チッ!」
聞こえるように舌打ちをする男子生徒に気にすることもない。
(礼儀の問題ですわね)
公爵令嬢であるエリザベートに舌打ちなど無礼以外の他でもない。
だが、舌打ちしたのは他にもいる。
「サーペンス様、ガムをクチャクチャさせるのは学園の外でなさいませ」
「は?」
「よろしければ紙を差し上げましょうか?紙もないなんて気の毒ですわ」
「なっ!」
舌打ちをする男子生徒、ミノウス・サーペンスは少し前まで第二王子殿下の護衛騎士だった。
体格の良さと考え無しに思った事を口にする性格は裏表がないと言う生徒もいるが、女性受けは良くなかった。
何でも思った事を口にする所為で、一部の異国出身の令嬢のファッションを悪く言っていたのだ。
子供ならば許されてもある程度の年齢になってからは思った事をそのまま口にして許されるはずがない。
根っからの脳筋で体育会系と言えば聞こえはいいが、頭を使って考え行動できないのは社交界で生きていけないのだ。
「私を馬鹿にしているのか!」
「いいえ、先ほどから口を鳴らしているので…もしや唾液が溜まっているのですか?でしたら出した方がいいですわ」
「だから!」
「ですが、学園内で唾を吐き捨てるのはお止めくださいまし。マナー違反です」
そういいながら隣にいる男子生徒にも紙を差し出すも馬鹿にされたと思いエリザベートの手を叩いた。
「貴様!いい加減にしろ!」
「悪役令嬢が!」
手を振り上げようとするも、エリザベートは優雅によけながら。
「ごめんあそばせ」
「わぁ!」
「私、足が長いんですの」
つま先をピンと出してミノウスの足を引っかける。
あくまで周りに見えないようにだ。
派手に転んだ所を他の生徒に見られてしまい赤っ恥をかくことになるのだった。
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