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131最善の道~レオナルドside①
しおりを挟むあの時メープルに問われた時から既に動いていた。
リネットが公爵夫人の座なんて望んでいない事。
そんなことはずっと昔から知っていたさ。
窮屈な社交界はリネットには似合わない。
それでも私の想いに答えてくれていたのはリネットの愛情だ。
だからその愛に私も応えるべきだと思っている。
私の至らなさでどれだけ傷つけたか。
結婚前夜に暴行を受け、その後も心無い噂で傷つけられるのが耐えられなかった。
だが、社交界に出ればもっとひどい目に合う。
グレゴリー様は反省の色もなくむしろ婚約解消になったのだから感謝すべきだという態度に。
ベルシュタイン宛にゲルツォーネ侯爵家の分家筋の娘を婚約者に手紙が届いたと知らされたのは最近のことだ。
エリザベートが社交界で事を起こす前に私宛に手紙が届き、尚且つリネットを貴族派の五十過ぎの男爵家の愛人にとの手紙が来た時はあの男を殺してやりたくなった。
何が何でもリネットを害したいようだ。
同時に、ベルシュタイン家の後ろ盾が欲しいのだろう。
私にとってリネットは光だった。
暗闇の中で生きていく為に絶対に必要だった。
あの日、加護の影響で苦しむ私を救い。
エリザベートを救うために命がけで結界を敷いてくれた彼女に強い恩義を感じた。
だがそれだけではない。
共に過ごした時間は確かなもので、私が女性を愛しいと思ったのはリネットだけだった。
国の為に尽くしたい気持ちはある。
だが、その傍にリネットにいて欲しい。
公爵家の嫡男としての私と、一人の男としての私。
どちらかを優先するかなんて分かりきっている。
けれど、父上は両方を得た。
その代わりに失ったものはあるかもしれないが、今なら分かる。
唯一を手に入れるために捨てなくてはならないものがある。
私の葛藤に気づいていたのはあの方だった。
リシウス様は、私の想いに気づいておられたのだ。
エリザベートも同じく私が苦しんでいることに気づき、背を押してくださったのだ。
本当に恐ろしい方だ。
神眼でもあるのだろうかと疑いたくなる。
ある意味、あの二人が女神の末裔と言われた方がしっくりくる。
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