乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!

ユウ

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154優しさのお返し






私はどれ程の人に守られて生きていたのだろうか。
両親との死別に悲しんでも私は孤独じゃなかったのは確かだ。


ドワーフのお爺ちゃん達。
ベルシュタイン家の皆さんと、優しい人達に囲まれていた。


「すべては君が頑張った結果だ」

「そうですわ。人を大事にすれば他者から大事にされて当然です」


リシウス様とシシィ様の言葉に泣きそうになった。


「逆に人の道を踏み外せば報いを受ける。その最も例となるのがヴィネラーナ妃だろう」


隣国ではどうなっているか噂を聞かない。
かつてはあそこまで権力を広げていたというのに噂一つないのだから。


「現在ヴィネラーナ妃は立場を負われている。同時に領民が領地を捨て逃げ出す始末だ」

「あのクソ貴族…いえ、ゲルツォーネ侯爵様も終わりです」


「本人は陰謀だと言い出す始末だ。自称聖女が魔女だったと」


呆れて物も言えない。
そもそも誰が最初に彼女を聖女と言ったのか。



「あの女はどうなったのです」


「本来なら女神裁判にかけたいのだが…」


はっきりしない物言いをされるリシウス様。
本当ならしかるべき処分を行い、その後同じことを繰り返さないように見せしめにしたいのだろう。


だけど難しい。
彼女が直接手を下していない。


渡しに暴行を加えたのがグレゴリー様とその側近だ。
彼女自身は直接手を下していないし、本人は被害者だと訴えればどうなるか。


「シャルロット様は被害者と?」

「それどころか、君を悪人に仕立て上げている。国に反旗を翻してると…亡霊になってと」

「…殺していいですか」


「レオ…」


隣から恐ろしい殺気を感じた。
普段は冷静で、優しいレオがここまで怒りを面に出すなんて。


「レオ、所詮は狂言だ。まともに取り合うはずがない」

「ええ、頭の悪い馬鹿な悪徳貴族がお義姉様を悪魔に仕立て上げた所で意味がありませんわ」


シシィ様の姿が物語で出て来る悪役令嬢の図式にそっくりだわ。


「人を呪わば穴二つ。ありもしないことを言いふらせば周りからバッシングを受けて孤立しますわ。自滅していただきお義姉様が真の聖女であることを証明しますわ」

「聖女でなくとも、神に愛されているのは事実だからな」


いや、私は目立ちたくないんだけど。
聖女なんて柄じゃないし。

神様って、アルフとヨーゼフのことか?
アルフは前世の頃からの付き合いでしかないし、ヨーゼフは腹ペコだったからだ。


「聞けば、お義姉様は水の精霊王様に従魔契約を望まれたそうですね?」

「何だと!本当かリネット!」

「知らなかったのかレオ」


いや、何でお二人が知っているんですか。
ついさっきの出来事で隣国にいるはずのお二人が知るはずがない。



「この私に知らぬことはありませんわ」


…しかし、シシィ様の発言に何も言えなかった。


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