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155風の精霊王と対面~シシィside①
四大精霊の中で風の精霊は伝達にも特化している。
魔道具が使えない中、風を飛ばして情報を送る。
私が風の精霊王様のセフィール様。
風は自由を愛するが故に人間と契約しても束縛を望まないのだけど。
私がセフィール様に直接お会いしたのは王宮内の祈りの間にてだった。
「そなたが、アリテナの加護を持ちし人の子か」
「貴女は…精霊王様」
祈りの間に音もなく入れるのは風の精霊か、もしくは風の神ぐらい。
しかも相当の力を持っていないと入ってくるのは不可能ですもの。
「お初にお目にかかります」
「挨拶は良い。私は礼儀にそこまで煩いわけではない」
「ありがとうございます」
表情は変わらない。
だけど無関心で冷たい印象は受けませんでした。
「私が言いたいことは一つだ。今後、風の精霊は契約を切ることとする」
「承知しました」
別に不思議ではない。
風の精霊は清廉潔白だと言われていた。
現在の我が国の魔術師の在り方を考えれば当然です。
「これまで我が国にお力をお貸しくださったことを感謝申し上げます、今後私にできることがあらば何なりと」
「そなたは意味を理解しているのか…風の加護を失う意味が」
「はい」
風とはすべての循環を良くするもの。
悪い気を吹き飛ばすためには必要不可欠です。
この地上が生まれた時に最初に命を吹き込まれた精霊が風だとも聞いている。
その風を失うことは豊穣の力を遅らせると同じこと。
だけど、精霊に見限られたのは人間の業ゆえならば受け入れる以外他にない。
「これまで無礼な真似を申し訳ございません」
「愚かな人間よ」
返す言葉もありません。
精霊の力を得るのが当たり前になる馬鹿な者達は考えもしなかったでしょう。
彼らは無条件に力を貸してくださっているわけではありません
「ですが、精霊様に最後まで誠意を尽くした白の魔導士の末裔である義姉だけはお許しください」
「何?」
「これまで義姉は精霊様に敬意を持って教えに従いながら治癒師の掟を忠実に守ってまいりました」
ただ最後に願うとすればリネットお義姉様の事だわ。
治癒師と結界師の称号をすべて捨てるお義姉様がすべてを失ったらどうなるか。
「お義姉はただ静かに生きることを望んでいるのです。力も望んでおりません…ですからどうか」
私はどうなってもかまわない。
本当なら十年前に死んだ身だった私はお義姉様に救われたのだから。
「私の加護をすべてお返しします」
「国はどうなってもよいのか」
「万一、加護を失って亡びる程度ならこの際灰になった方がいいのです」
精霊の力に、女神の加護。
そして魔法や魔術に依存するのが当たり前になってはもう終わりです。
「今こそ国は民は真価が問われております」
このまま亡びるか生き残るかは私達次第なのだから。
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