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161大罪人の一族④
ベルシュタイン家は穏健派であるが、国王に忠誠を誓う家柄だった。
特に、ベルシュタイン公爵夫人であるサラサーテは国王両陛下とは強い友情で結ばれていた。
長きに渡り、国を王家を裏から支えて来た功績により国王からの信頼は絶大である。
その所為か、ヴィネラーナとは対立関係になる。
サラサーテからしてみれば特に興味を持っていない。
一方的にヴィネラーナが敵対関係を持っていると言っても過言ではないが、国に損失をもたらし、社交界の風紀を乱す存在としてみているので友好的ではないのは事実であるが…
「今すぐ非難を命じます」
「なっ…お前如きに」
「あら?身分で言えば私の方が格段に上ですわ。まぁ身分をどうこう言うのは好きではありませんが?」
遠回しにヴィネラーナを小ばかにしているようにも聞こえる。
散々身分に執着していたヴィネラーナにとってこれ以上の屈辱はない。
「公爵夫人、これ以上は持ちません」
「既に離宮の方には大勢の反乱軍が…」
「反乱軍!」
騎士達の言葉にグレゴリーが声を荒げた。
何故戦時中でもないのに反乱軍がとも思った彼に呆れた表情をするサラサーテ。
「正確に言えば、ゲルツォーネ侯爵家へ報復をしたい者達です。三十年前から国内各位置に息を潜めてましたの。夫を殺された妻、無理やり愛人に召し上げられ自害した方の夫…ああ、十歳の娘を夜の相手にしてましたわね?」
「なっ…」
「お前!息子の前で!」
祖父の悪行三昧を公開されショックを受けるグレゴリー。
この場ですべてを明かされるヴィネラーナは激怒した。
「何を被害者ぶっておいでですの?大罪人が」
「大罪人?」
「十数年前に犯した罪を…」
「止めなさい!」
ヴィネラーナの表情が真っ青になる。
サラサーテの表情を見て察した。
あの日の事はすべて隠ぺいされたはずで証拠は何もないはずだと思っていた。
だが、もしその証拠が残っていたら?
大罪人となれば、最悪な事態となる。
「あの日、起きた不幸な事故。陛下の身に何があったか…おぞましい事件の真実を」
「止めて…」
「決して表に出ることはなかった…出してはいけない真実」
ドクン!
心臓の音が強くなる音が響く。
「陛下は酒に酔ってお前を襲ったのではない」
「止めて!」
「薬を盛られお前に――」
「止めてぇぇぇぇ!」
部屋に悲鳴が響き渡った。
ずっと隠された真実。
被害者だった人物は加害者で、ずっと周りを欺いてきたのだから。
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