乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!

ユウ

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180潜入捜査組②





皇居の中は広い。
万一使用人として潜入できてもベルラント皇太子殿下の懐に入れるとは限らない。

けれど、別にベルラント皇太子殿下の傍にいなくてもいい。
あくまで皇居の内情を調べるのが目的だ。


「侍女三人娘にはそれぞれの宮殿に入ってもらいます。まずは皇帝陛下の安否確認と第二皇子殿下の事情も」


私がずっと気になっていたのは第二皇子殿下だ。
エルフレッド様は完全に皇族から切り離された存在と聞くけど、第二皇子殿下は?

どの国も、王族貴族は第二子というのは微妙な立場だ。
跡継ぎに何かあれば代わりにされるけど、代用品扱いを受けることが多い。


言い方は悪いけど、長男が病弱だった場合、次男が代わりを務める。
だけど勝手なもので、あくまで代わりであって長男が死亡しない限りは代理という立場から抜け出せない。


逆に三男の場合は最初から期待されず忘れされた状態ともいえる。
だからこそ早い段階で独立を考えるのだ。


宙ぶらりんの状態の第二皇子。
政治にもかかわる気はないが、補佐をさせられ自由がない。


都合のいいように扱われているならできれば助けたい。


「エルフレッド様…第二皇子殿下が悪い方でないならお助けしたいのです」

「リネット姫…」

「できれば皇太子殿下も悪いようにはしたくありません。ですが、ボーダーラインを越えているようでしたら」


助けられる状況ではないならどうしようもない。
話し合いですべてを解決するなんて馬鹿な事を言うつもりはない。



「私はご兄弟で憎しみ合うことはしていただきたくありません」


血の繋がった兄弟で憎しみ合うなんて悲しい。

でも私達が今からすることは、エルフレッド様のお兄様を廃嫡に追い込むことだ。


最悪の場合だけど。


「お義姉様!まだそのような…」

「私は皇太子殿下を知りません。だから知らなければならないと思います」


皇太子殿下も私を知らない。
話し合いですべて解決とはいかなくても、もし国を思うがゆえに暴君のような真似をしているというなら、交渉したい。


「リネット…」

「だから直接私が潜入するのがいいと思うのよね!」


「待て待て!君の気持は分かるが…あまりにも危険すぎるだろ!」


やっぱり自分の眼で見て判断すべきだと思う。
片方聞いて沙汰するなとはよく言ったものだしね!



「レオ…こうなったら止められんぞ」

「リシウス様」

「ただの献身的な自己犠牲の姫君ではないな。実に逞しい」

「エル…」


私が意気込んでいる間レオが再び胃を抑えていたことを私は知らない。


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