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199裁かれる者~ベルラントside③
しおりを挟む国が繁栄しないのは君主が無能だからだ。
綺麗ごとを並べ、実力もないあの男はもはや邪魔だ。
私こそが皇帝に相応しい。
最年少で皇帝となり、世界に私の名を知らしめてくれる。
その為には財と後ろ盾と強大な加護が必要だった。
そこで私が目をつけたのがセレスティア王国の聖女と謡われた娘だった。
帝国では聖女というものを認めていない。
だが、強い魔力と女神の加護を受けているのは事実で、聞けば第二王子に目を付けられほとんど無理矢理に婚約を結ばされたと聞く。
稀な力を持つ者。
女神の加護を持つならば使えると考えた。
清廉潔白とは程遠いが、人間は欲望の生き物だ。
清い心を持った人間など夢物語に過ぎない。
だが、女神に愛されているのは本当のようだ。
枯れた泉を清める御業をこの目で見たのだから。
森の奥の教会にてその御業を見たのだ。
使えると思った。
だから私の傍に置いた。
聞けば愛の女神の加護を持つこの女は魅了魔法が使えると聞かされた。
その力を使って私は皇居の者。
貴族達にその魔法をかけるように命じたが、その魔法は男、しかも好意を持っているのが条件だった。
欲まみれな貴族や金の亡者には聖女の力を見せつければ後は簡単だった。
しかし、女嫌いのリンデンは魅了は効かなかった。
他にも騎士団の副団長に団長クラス者にもまるで効果がない。
案外使えないと思ったが、所詮は騎士だ。
権力でねじ伏せればいい。
聖女の力を使い最優先で行うのは父上が病死して早く私が帝位を引き継ぐことだ。
だが、父上は体が丈夫故に魅了魔法と薬を使っても難しく。
体を弱らせ離宮に閉じ込めじわじわと蝕ませることにした。
その間に政治は私が舵を取ることにしたが、問題はあの男。
フェリックス・アルテリアの存在だった。
皇族籍を抜けた今でも、次期皇帝にとの声が上がり、私の立場を脅かす。
辺境地で財を築き、男爵から侯爵の爵位を得てる。
財を奪ってもあらゆる形で這い上がってくる。
あらゆる手を使っても無駄だった。
過去にあの男を二度と這い上がれないようにするべくセレスティア王国の妃に手を貸した。
毒で妻を殺せば後を追うだろうと思ったが、毒が解毒されてしまった。
誰が毒を解毒させたのか。
宮廷医師でも解毒が難しい。
そこで浮上したのが侯爵家に優れた魔導士が滞在しているとの報告を受けた。
帝国内で魔力を持った治癒師は片手で数える程度だ。
それも隣国のような魔法を使って傷を癒す程の強さはない。
治癒力を速めるか、もしくは医師と同等の力がある程度だ。
だが、その魔導士が何所の誰か調べようとしても邪魔が入り、どうにもならなかった。
ならば一日でも早く私の帝位を揺るぎないものにしてあの男を帝国から追放すればいい。
財と領地をすべて奪って…
だが、最初こそは計画通り上手く行っていたはずが…
精霊を手中に収めるべく精霊の森に兵を派遣するも森から拒絶されてしまった。
精霊狩りを行い、帝国に魔法を浸透させる計画は失敗に終わり強硬手段を取ることにした。
それがすべての間違いであることも気づかずに。
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