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序章
Prolog
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私は一人、暗闇の中にいました。
耳を済ましてみても何も聞こえず、他に人などいないことがわかります。
とぼとぼと行く宛てもなく私は歩くことにします。ただ、コンコンと足音が響くので下は床なのだと感じました。
目が慣れる気配もない程暗いので、何かにぶつかったらごめんなさい。
そんな気持ちで歩を進めます。
――幾らか経った頃、トントン、と肩を叩かれたような、少しばかり怖いとさえ感じる感触を覚えました。
「ど、どなた……?」
私は後ろを振り返らずに言います。
すると“二人”の話し声が聞こえてきました。
「こっち向いて欲しいな」
「そうだよ。お話しよう」
私は言われるがまま、くるりと後ろを振り向きました。
そこには、そっくりな顔をした男の子が二人並んでいたのです。暗くて見えないはずなのに、何故か、しっかりと姿を捉えることができました。双子だと言う彼らは、私の肩を軽く叩きながら嬉しそうに言います。
「夢の世界にようこそ!」
「会いたかったよ、マリアちゃん」
マリアと呼ばれた私は、きっと、そんな名前だったのだと思います。
真っ暗闇の中でそっくりな双子と出会い、私は歓迎されました。
二人は左右から私の手を取ると、
「俺はカルア、よろしくな!」
「僕はモランゴ、よろしくね」
そう言って私を連れて歩き始めます。
カルアさんは赤と緑と黄色の派手な格好――一言で表すなら、【ハーメルン】のような見た目。
モランゴさんは大きなハットにお洒落なスーツを着ています。アリスに出てくる【帽子屋】かしら。
そんな事を思いながら、大人しくついて行くことにします。
二人は楽しそうに、そして、私をこれから面白い世界に連れて行ってくれるような、ワクワクを与えてくれました。
そしてまたしばらくした頃に、大きな扉が現れたのです。
大きな扉は暗闇に佇んでいるとは思えない程、キラキラと輝いています。
「わぁ、不思議……」
口から漏れた言葉に、今の状況が既に不思議なのに。と変な気持ちになりました。
カルアさん、モランゴさんはそんな私を見ながら、大きな扉を開きました。
こことは対照的に真っ白で、今度は眩しくて何も見えないような、世界。
そう思った次の瞬間には、トン、と背中を押されて真っ逆さま。
「わっ!」
床が無いなんて聞いてません!
そう叫びたくても、もう扉など見えなくて――。
「また後でねー!」
そう、カルアさんが叫んだのだけは耳に届いた気がします。
「ち、ちょっと……っ! そんな、の……きゃあああっっ!」
私は為す術ないまま落ち続けます。
途中いろんな物が横切りましたが、正直、何も考えられませんでした。
「待って……!! これ、落ちた先でどうなってしまうの!?」
いくら夢でも、落ちてしまうのは怖い。
どうか、どうか無事に着地できますように。
私は願いながら、その身を委ねることしかできませんでした。
耳を済ましてみても何も聞こえず、他に人などいないことがわかります。
とぼとぼと行く宛てもなく私は歩くことにします。ただ、コンコンと足音が響くので下は床なのだと感じました。
目が慣れる気配もない程暗いので、何かにぶつかったらごめんなさい。
そんな気持ちで歩を進めます。
――幾らか経った頃、トントン、と肩を叩かれたような、少しばかり怖いとさえ感じる感触を覚えました。
「ど、どなた……?」
私は後ろを振り返らずに言います。
すると“二人”の話し声が聞こえてきました。
「こっち向いて欲しいな」
「そうだよ。お話しよう」
私は言われるがまま、くるりと後ろを振り向きました。
そこには、そっくりな顔をした男の子が二人並んでいたのです。暗くて見えないはずなのに、何故か、しっかりと姿を捉えることができました。双子だと言う彼らは、私の肩を軽く叩きながら嬉しそうに言います。
「夢の世界にようこそ!」
「会いたかったよ、マリアちゃん」
マリアと呼ばれた私は、きっと、そんな名前だったのだと思います。
真っ暗闇の中でそっくりな双子と出会い、私は歓迎されました。
二人は左右から私の手を取ると、
「俺はカルア、よろしくな!」
「僕はモランゴ、よろしくね」
そう言って私を連れて歩き始めます。
カルアさんは赤と緑と黄色の派手な格好――一言で表すなら、【ハーメルン】のような見た目。
モランゴさんは大きなハットにお洒落なスーツを着ています。アリスに出てくる【帽子屋】かしら。
そんな事を思いながら、大人しくついて行くことにします。
二人は楽しそうに、そして、私をこれから面白い世界に連れて行ってくれるような、ワクワクを与えてくれました。
そしてまたしばらくした頃に、大きな扉が現れたのです。
大きな扉は暗闇に佇んでいるとは思えない程、キラキラと輝いています。
「わぁ、不思議……」
口から漏れた言葉に、今の状況が既に不思議なのに。と変な気持ちになりました。
カルアさん、モランゴさんはそんな私を見ながら、大きな扉を開きました。
こことは対照的に真っ白で、今度は眩しくて何も見えないような、世界。
そう思った次の瞬間には、トン、と背中を押されて真っ逆さま。
「わっ!」
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そう叫びたくても、もう扉など見えなくて――。
「また後でねー!」
そう、カルアさんが叫んだのだけは耳に届いた気がします。
「ち、ちょっと……っ! そんな、の……きゃあああっっ!」
私は為す術ないまま落ち続けます。
途中いろんな物が横切りましたが、正直、何も考えられませんでした。
「待って……!! これ、落ちた先でどうなってしまうの!?」
いくら夢でも、落ちてしまうのは怖い。
どうか、どうか無事に着地できますように。
私は願いながら、その身を委ねることしかできませんでした。
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