僕を君で満たす方法

ぐざい

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チョコレート

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君が好きなチョコレートを買ってきたよ。君が好きなお店のチョコレートだ。「大好きなんだ」と言って笑っていたね。僕は君のその表情を見るのが好きだ。

君の綺麗な指がチョコレートをつまみ上げ、口に運ぶ。口が小さく開く。白い歯が見えて、濡れた舌がその奥に見える。チョコレートが歯の間を通り、舌の先にふれ、君の人差し指はチョコレートを押し込む。唇のさらに奥に。君の唇は閉じられ、柔らかい唇がすぼむ。硬いチョコレートが君の柔らかい口の中にいる。君の口の中のチョコレートは、いつまで硬いままなのだろうね。そしていつ柔らかくなるのだろう。どの瞬間に君の口の中のチョコレートは柔らかくなるんだろう。僕はそれをただ見つめるんだ。そして想像する。君は気が付いている?僕がそんな想像をしていることを。

僕もチョコレートが好きだ。でもその包みを開けた瞬間に、僕の気持ちはいくらか変化してしまう。口に入れるまで。僕がチョコレートを好きなのは、口に入れるまでだ。口に入れた瞬間に、僕はチョコレートへの興味がなくなってしまう。なぜか?変わってしまうからだ。変わってしまう。口に入れた瞬間に変わってしまう。わかるかい?僕の気持ち。君にわかるかい?

僕は君の好きなものを理解できる。じゃあ君は?
君は僕の好きなものを理解できるかい?僕の好まないものを、理解するかい?

僕は君をどんなふうに口に含んでみようか考えているんだ。君は理解するかい?僕は考える。君は僕の口の中でどんなふうに変わるんだろう。僕は僕の中で変わってしまう君を想像するんだ。その時の気持ちが君にわかるかい?僕はわからない。わからないからとても苦しい。わかってくれる?僕のこの気持ち。

僕は君の中で変わるのがわかる。君は君の中で僕が変わるのがわかる?
君の中で僕はどんな形?

僕は、君をいつまでも口に含むことはできない。君を口に運ぶことはできないんだ。もどかしい。とても。でも僕は君を口に入れることができないから、僕はいつまでも君を好きでいられる。これはわかるね。僕は君が好きだよ。いつまでも。僕は君を食べることができないから、変わらないんだ。

僕は君がうらやましい。君はチョコレートが好きなんだろう?好きなものが食べられるって、どれくらい幸せなことなの?食べてしまっても好きなものって、どんなものなの?いつか僕にもわかるだろうか。
僕はだから、満たされない。満たされたことがないと感じている。僕はなにで満たせばいい?僕はなにで僕を満たすことができるんだろう。
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