2 / 3
コーヒー
しおりを挟む
君は美味しそうにコーヒーを飲むね。今日も君はコーヒーカップにその綺麗な指をかけ、カップのふちの曲線を美しい唇に当てる。君は唇をすぼめてコーヒーに息を吹きかける。そっとすする。コーヒーは君の中に落ちていく。舌の上をコーヒーが流れるのを君は意識する?くすぐったくないかな、コーヒーが舌の上を流れる時。熱いコーヒーを飲むときは気を付けてね。口を火傷したら、いけないからね。
僕は豆の煎り方も覚えた。ゆっくり丁寧に煎った豆を挽く。君はそのさまを楽しそうに見ているね。僕はゆっくり豆を挽くんだ。ごりごりと音がする。コーヒーの香りがたつ。君は良い香りだねと笑うんだ。君はそうやっていつも僕の手元を眺めてうっとりするんだ。僕は君のその表情が好きだよ。香りの向こうで君が笑っている。僕はとても幸せだなと思うんだ。
熱でゆっくりと煎られた豆をミルで挽く。ごりごりと細かくなるまで。それに熱湯を注ぎ、蒸らして抽出する。それを君は美味しいと言って笑うんだ。
僕は思うんだよ。もし、それが豆じゃなかったらどうだろう。
君はどう思う?そんなことを考える僕はおかしいかい?僕はそんなことを考えながら、君のためだけにコーヒーを淹れるんだよ。
君はわかるかい?僕が考えていること。
君は理解するかい?僕が想像すること。
僕は君のためじゃなくて、僕のためにコーヒーを淹れて、君がそれを飲むのを見ているんだ。わかるかい?僕がそうする気持ち。
君は、どんな香りがするんだろう。まずは焙煎するところから。ゆっくり煎る。回しながら。ゆっくり。君を挽くためのミルは素敵なものを選ぶよ。挽き目は細挽きを試してみたいけど、中細挽きにしておくよ。君を蒸らして抽出したものは、君なんだろうか。コーヒー豆から抽出したものがコーヒーなんだから、君から抽出したものは、間違いなく君だよね。僕は想像するんだ。絶対にできないこと。絶対にしてはいけないこと。君はどんな味がするんだろう。
君は今日も僕の淹れたコーヒーを飲んで美味しいと言って笑っているね。あなたの淹れてくれたコーヒーが一番好きだと言ってくれた。今日も僕は、君がドリッパーからゆっくり滴り落ちるのを想像しながら、君にコーヒーを淹れたよ。だとしたら、君が飲んでいるのは、本当にコーヒーなのかな。君が飲んでいるのはなに?僕にはそれがコーヒーに見えない。なにに見えるか、ということもわからないのだけど。
なんだかわからないものを、君は美味しいと言って笑うんだ。僕はとても幸せだよ。とても。
僕は豆の煎り方も覚えた。ゆっくり丁寧に煎った豆を挽く。君はそのさまを楽しそうに見ているね。僕はゆっくり豆を挽くんだ。ごりごりと音がする。コーヒーの香りがたつ。君は良い香りだねと笑うんだ。君はそうやっていつも僕の手元を眺めてうっとりするんだ。僕は君のその表情が好きだよ。香りの向こうで君が笑っている。僕はとても幸せだなと思うんだ。
熱でゆっくりと煎られた豆をミルで挽く。ごりごりと細かくなるまで。それに熱湯を注ぎ、蒸らして抽出する。それを君は美味しいと言って笑うんだ。
僕は思うんだよ。もし、それが豆じゃなかったらどうだろう。
君はどう思う?そんなことを考える僕はおかしいかい?僕はそんなことを考えながら、君のためだけにコーヒーを淹れるんだよ。
君はわかるかい?僕が考えていること。
君は理解するかい?僕が想像すること。
僕は君のためじゃなくて、僕のためにコーヒーを淹れて、君がそれを飲むのを見ているんだ。わかるかい?僕がそうする気持ち。
君は、どんな香りがするんだろう。まずは焙煎するところから。ゆっくり煎る。回しながら。ゆっくり。君を挽くためのミルは素敵なものを選ぶよ。挽き目は細挽きを試してみたいけど、中細挽きにしておくよ。君を蒸らして抽出したものは、君なんだろうか。コーヒー豆から抽出したものがコーヒーなんだから、君から抽出したものは、間違いなく君だよね。僕は想像するんだ。絶対にできないこと。絶対にしてはいけないこと。君はどんな味がするんだろう。
君は今日も僕の淹れたコーヒーを飲んで美味しいと言って笑っているね。あなたの淹れてくれたコーヒーが一番好きだと言ってくれた。今日も僕は、君がドリッパーからゆっくり滴り落ちるのを想像しながら、君にコーヒーを淹れたよ。だとしたら、君が飲んでいるのは、本当にコーヒーなのかな。君が飲んでいるのはなに?僕にはそれがコーヒーに見えない。なにに見えるか、ということもわからないのだけど。
なんだかわからないものを、君は美味しいと言って笑うんだ。僕はとても幸せだよ。とても。
0
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
昔「結婚しよう」と言ってくれた幼馴染は今日、僕以外の人と結婚する
子犬一 はぁて
BL
幼馴染の君は、7歳のとき
「大人になったら結婚してね」と僕に言って笑った。
そして──今日、君は僕じゃない別の人と結婚する。
背の低い、寝る時は親指しゃぶりが癖だった君は、いつの間にか皆に好かれて、彼女もできた。
結婚式で花束を渡す時に胸が痛いんだ。
「こいつ、幼馴染なんだ。センスいいだろ?」
誇らしげに笑う君と、その隣で微笑む綺麗な奥さん。
叶わない恋だってわかってる。
それでも、氷砂糖みたいに君との甘い思い出を、僕だけの宝箱にしまって生きていく。
君の幸せを願うことだけが、僕にできる最後の恋だから。
【本編完結】処刑台の元婚約者は無実でした~聖女に騙された元王太子が幸せになるまで~
TOY
BL
【本編完結・後日譚更新中】
公開処刑のその日、王太子メルドは元婚約者で“稀代の悪女”とされたレイチェルの最期を見届けようとしていた。
しかし「最後のお別れの挨拶」で現婚約者候補の“聖女”アリアの裏の顔を、偶然にも暴いてしまい……!?
王位継承権、婚約、信頼、すべてを失った王子のもとに残ったのは、幼馴染であり護衛騎士のケイ。
これは、聖女に騙され全てを失った王子と、その護衛騎士のちょっとズレた恋の物語。
※別で投稿している作品、
『物語によくいる「ざまぁされる王子」に転生したら』の全年齢版です。
設定と後半の展開が少し変わっています。
※後日譚を追加しました。
後日譚① レイチェル視点→メルド視点
後日譚② 王弟→王→ケイ視点
後日譚③ メルド視点
分厚いメガネ令息の非日常
餅粉
BL
「こいつは俺の女だ。手を出したらどうなるかわかるよな」
「シノ様……素敵!」
おかしい。おかしすぎる!恥ずかしくないのか?高位貴族が平民の女学生に俺の女ってしかもお前は婚約者いるだろうが!!
その女学生の周りにはお慕いしているであろう貴族数名が立っていた。
「ジュリーが一番素敵だよ」
「そうだよ!ジュリーが一番可愛いし美人だし素敵だよ!!」
「……うん。ジュリーの方が…素敵」
ほんと何この状況、怖い!怖いすぎるぞ!あと妙にキモい
「先輩、私もおかしいと思います」
「だよな!」
これは真面目に学生生活を送ろうとする俺の日常のお話
雫
ゆい
BL
涙が落ちる。
涙は彼に届くことはない。
彼を想うことは、これでやめよう。
何をどうしても、彼の気持ちは僕に向くことはない。
僕は、その場から音を立てずに立ち去った。
僕はアシェル=オルスト。
侯爵家の嫡男として生まれ、10歳の時にエドガー=ハルミトンと婚約した。
彼には、他に愛する人がいた。
世界観は、【夜空と暁と】と同じです。
アルサス達がでます。
【夜空と暁と】を知らなくても、これだけで読めます。
2025.4.28 ムーンライトノベルに投稿しました。
幼馴染がいじめるのは俺だ!
むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに...
「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」
「はっ...ぁ??」
好きな奴って俺じゃないの___!?
ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子
ーーーーーー
主人公 いじめられっ子
小鳥遊洸人
タカナシ ヒロト
小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。
姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。
高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、
脳破壊。
千透星への恋心を自覚する。
幼馴染 いじめっ子
神宮寺 千透星
ジングウジ チトセ
小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。
美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている)
転校生の須藤千尋が初恋である
落としたのは化粧じゃなく、みんなの心でした
444
BL
『醜い顔…汚らしい』
幼い頃、実母が病気によって早くに亡くなった数年後に新しい義母からそう言われたシリルは、その言葉が耳に残って16歳となった今も引きずっていた。
だが、義母のその言葉は真っ赤な嘘でシリルはとても美しかった。ただ前妻の息子であるシリルに嫉妬した結果こぼした八つ当たりの言葉であったのをシリルは知らずに、義母のいう醜い顔を隠すために化粧をする。
その結果、彼は化粧によって本当に醜い顔になってしまった。そんな彼が虐げられながらも徐々に周囲を絆す話
暴力表現があるところには※をつけております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる