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第二章六話
しおりを挟む20分ぐらい歩きようやく神社が見えてきた。
「やっと神社見えてきた」少し歩くだけでも、冷たい風が頬にあたり吐く息が顔を隠すように白い。
「そうだね、あの神社を少し通り過ぎたとこの通路を右に曲がったところなの」
「そうなんだ、ほんとうに近くなんだね。」
「うん。
あっ!ほら、ここを曲がったところ」ナギちゃんがオレの手を引いて走り出した。すると、大きくて立派な屋敷が目の中に飛び込んできた。
驚きのあまり口を開いたままのオレに、ナギちゃんが小さな声で
「よかった。ちゃんと見えてるね」
「えっ、なんか言った?」
ナギちゃんの方に顔を向け
「うんん、なんも言ってないよ
それより急に引っ張ってごめんね」
「大丈夫だよ。ナギちゃんの家すごく大きいね」見上げながらナギちゃんに言った。
「うん、まぁ~屋敷だからね
中に入ろ蒼くん」
再度オレの手を引いて屋敷の中に入った。
中に入るとなんだか不思議な感覚にとらわれた。言葉で表すのがとても難しいくらいに、
空気は澄んでいて背中に羽が生えたように軽く
まるで、どこか神聖な場所に来たような感じだ。
ナギちゃんが足を止め襖を開けた。
「ここが私の部屋。
どうぞ入って」
「失礼します」ナギちゃんの部屋に入ろうと足を入れた瞬間
体全体に鳥肌が立ち、さっきまでの感覚ではなく....でも決して嫌な感じでもなく
でも、でも....中には入れない。
一人でこの部屋に入ったらこことは別の場所にいきそうだ。
その場でしゃがみ込んでしまい、ナギちゃんもオレの視線に合わせるようにしゃがみ込んでくれた。
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