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美女との再会はロマン
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イルカルラ王国。
約2000年前に魔王との間に起こった戦争で、トルマリン王家と共に戦った世界最大の王国である。
100代まで続く王族による治世と、民主的に選ばれた議員による議会制を採用した異例の大国であり、世界で最も先進的な国と呼ばれている。
「決めた。俺、トルマリン家を復興したらまずこれと同じベッドを設置しようと思う」
オンボロ小屋にある獣臭い布団とは一線を画した極上の柔らかさと寝心地の良さに、ソラトは今まで以上に王族への帰属意識を強めていた。隣で窓越しに陽の光を浴びていたゼラは場違いな覚悟を聞いて呆れ返って息を吐く。
「呑気なやつだ。半ば強制的に連れてこられたのを忘れたのか」
「しょうがないだろ。周りを囲まれて逃げ道なんてなかったし、戦うなんてもってのほかだ」
勿論、彼女の不安になる気持ちは痛いほど分かる。
昨夜の会合で。王国軍は有無を言わずに自分達を王都まで連れ出し、この部屋に押し込めた。パウクとの戦闘で消耗してる状態では抵抗などできないし、何よりも王国と敵対するなどという選択肢を取るほどバカではない。
たった一人で銃を持った兵士百人に匹敵すると言われるクレリックを百人以上も擁するのだ。周辺の中小国の十倍の数を一国で賄えるのだけの大国に睨まれては従う以外の道はない。
「難しく考える必要はないさ。その気になれば牢屋に入れることだってできるのに、こんな上流階級しか使えないような部屋を用意して、おまけにめちゃくちゃ美味い朝食まで運んでくれたんだ。きっと悪いようにはしないと思うぞ」
楽観的だと言われると反論はできない。だが力づくで従わせる方法もある中、自由行動は許されないながらも、王国のクレリックが纏うローブにそっくりな青い修道服まで用意してくれてる。ここまでもてなしてくれるのは、向こうに悪意がない可能性がある。
未だに貧富の差が激しく、辺境の村にまで治世が行き届いていないという問題点はあるが、民のための政治を掲げる王国がそこまで非道とはソラトも考えていない。
「……その底抜けの人の良さは素直に尊敬するよ」
穏やかな口調で言うと、ゼラははにかんだ笑顔を向ける。普段から見慣れているはずだが、ボディラインを強調する修道服を着用していることが、ただでさえ魅力的な彼女の存在をより際立たせている。
(改めて見ると、やっぱりでかいよな。ゼラのおっぱい……)
特に胸部の布を押し上げる豊かな双丘には否応なしに意識してしまう。昨夜も感極まった彼女に抱きつかれて柔らかいスイカを顔に受けたのも相まって、悶々とした気持ちになるのと同時に、ソラトはあることを思い出した。
「そういえばさ、昨日は色々あったせいで忘れてたけど、俺もローブを出せるようになったんだけど」
「え? それがどうしたんだ?」
「……ご褒美、ほしいんだけど」
改まってお願いするとこれほど恥ずかしいのか。いつものように煩悩に振り切った開き直りができずに赤らめるソラト。
ゼラは一瞬何を言われたのか理解できていない様子だが、頭の中で耳に入ったお願いを何度も繰り返していると思わしき挙動をしていると。
ボンッ!
頭からもくもくと湯気を立ち上らせながらソラト以上に真っ赤になってしまった。
「お、お前はこんな時に何を言ってるんだっ!?」
「昨日、ローブを発現する練習してる時に言ってたじゃん。出せたらご褒美くれるって」
「真に受けるなスケベ! いい年してそんな幼稚なことができるか!」
恥ずかしさのあまりがなり立てるゼラに、今のは聞き捨てならないとソラトは力強く反論する。
「幼稚だろうが男は女の子にキスされるのは嬉しいんだよ! 子供の頃はゼラからの頬へのキスがあると思ったから辛い狩りにも耐えられたんだ! ローブだってクレリックになって成り上がりたいっていうのはあったけど、それだっていつかゼラから昔みたいにキスされたいから……」
「いちいち口に出すなバカ!」
傍目から見るとしょうもない言い争いをしていると思われるかもしれない。
だが人一倍女の子に好かれたいという思いの強いソラトにとって、幼少時代から一緒に支え合ってきた幼馴染からのご褒美はそれだけで価値のあるものなのだ。特に散々才能がないだの無駄な努力だの煽られた鬱憤も多分に含まれている。
子供じみた言い争いをしていると、突然コンコンと軽い音が聞こえた。
「あっあ~。廊下からでも聞こえるくらいいちゃつくのは構わないのですが、入ってよろしいでしょうか~?」
音の発生源。木製の扉越しに聞こえたのは少女のものだった。透き通った声に反してかなり軽いノリで、ゼラのいちゃついてない! という叫びよりも先にに扉は大きく開かれる。
現れてたのはまさにソラト達と同年代と思われる少女だった。赤い髪を白い布でお団子のようにまとめた可愛らしいヘアスタイルも相まって少し幼さを感じさせる容姿だが、藤色と黒がコントラストに入り混じった上下一体のワンピースのような服はアンバランスに思えるほど大人びていた。首から下を丸型に露出した胸元は立派な谷間と。腰から下の切れ目からみえる太ももは見ているだけで色気が出ており、思わず鼻の下を伸ばしていただろうと思えるほど魅力的である。
「えっと、君は一体」
「どうもどうも。私はハモン・シトドメ。現在イルカルラ王国で客将の身ですが、本業はしがない商人です」
ハモンと名乗った少女は、ペコリと頭を下げると、まるで吟味するように近づいて顔を寄せてきた。頭一つ分小さな少女は見上げるように透き通った目を向けてくる。女性と言えば自分と身長の近いゼラとばかり接してきたソラトはその上目遣いにドキリと心臓が高鳴る。
「な、何か?」
嬉しさと戸惑いを覚えながら尋ねると、ハッとなったハモンは恥ずかしそうに離れてパタパタと両手を振る。
「あぁすみません。仕こと柄、良い取引相手になる可能性を秘めた方を見ると値踏みしてしまう癖があって。いわゆる職業病の一種なのでお気になさらないでください」
「俺が? カモにできるとかじゃなくて?」
「カモを欲するのは短期的に稼ぐことしか頭にない詐欺師です。商人は長期的に利益を求め、そのために信頼における人間性と将来性のある人間を見極める審美眼を持っているのです。その点、従者さんは合格。少し甘さを残してて不安ですが良い意味でお人好しで、信頼してくれる人を裏切らない誠実さが人相から滲み出ています。もしも入り用がありましたらぜひシトドメ商会にお声を掛けてください。色々とサービスもしますので」
目のやり場に困る胸元を張りながらハモンは言う。口が上手いなとソラトは満更でもなく苦笑した。
お世辞であると分かっていても、こんな可愛い女の子に評価されて喜ばない男はいない。それに他人を裏切らないというのは自身の自己評価と重なっているのも嬉しかった。
「……それで、その商人が私達に何の用なんだ?」
声色から歓迎していないのが分かるゼラの一言に、ハモンは思い出したように間の抜けた声をあげる。
「おっとそうでした。謁見の準備が整いましたので、巫女さんと従者さんには玉座まで案内してほしいと姫様に言われたんです」
(謁見? 姫様がだって?)
姫とは十中八九イルカルラ王国の王女を指しているであろう。昨夜のクレリックの女性も同じことを言っていたが、なぜそんな偉い人がわざわざ会おうとしているのだ。
(それに何で皆ゼラを巫女って呼ぶんだ?)
少なくともソラトが調べた限り、過去の英雄の中でアクアマリンという文字を見た記憶がない。2000年前にイルカルラ家と共に魔王を打ち破った由緒正しい家系というのはトルマリン家だし、そのトルマリン家も16年前のクーデターまでは存続していたのは確かだが。
(考えてみれば、俺はゼラのことを何も知らないな。たまたま同じ赤ん坊の頃に捨てられた幼馴染としか思ってなかったけど)
同じ籠の中に名前入りで捨てられていたと村長に聞かされていた。それ以上は調べようもなかったし、王族の名に誇りを持っていたソラトと違って詮索されるのが好きでなかったようだから、深く言及もできなかった。
チラリとゼラを見る。家の話を聞いた途端露骨に複雑な顔色になっている。
「ゼラ、とりあえず行ってみよう。お前からも色々と聞きたいことがあるけど、まず姫様に会わないとだし」
「……そうだな」
空気から拒んでいるのは明らかだ。だが拒否したところで無意味なのも理解しているゼラは小さく頷き、案内するハモンの後を追う。
その間、ずっと自分の裾を弱々しく摘む彼女の姿に、ソラトは何とも言えない感情になった。
しばらく歩いていると、他の扉とは装飾から異なる仰々しい扉の前に着く。高さにして三メートルはあるだろう扉が自動で開くと、目の前には王族が住むにふさわしい空間が広がっていた。
絢爛な玉座から扉まで敷かれた高級な赤絨毯の左右には、修道服を着た五人の女性が姿勢良く佇んでいる。全員が美しい容姿をした女性で見惚れそうになる。
絨毯の道を進むと、半透明の布に遮られた玉座の前に付く。その先には小さな影が一つだけ佇んでいた。
(あれが、この国の王女)
「姫ちゃ~ん。巫女さんと従者さんを連れてきましたよ」
ぶっ!? あまりにもフランク過ぎる対応を取るハモンに思わず吹いてしまったソラト。
「……ハモンさん。何度も言ってますけど立場を弁えなさい」
ハモンに応えるように凛とした声が聞こえた。布をかき分けて現れたのは、周りの女性達と同じ修道服に身を包んだ短い黒髪の少女。昨夜にゼラに頭を垂れ、この王都まで強制的に連れてきたあの少女だった。
「あら、フラムさんもいたんですか」
「側近がいるのは当たり前です。それよりも姫様に対して口の聞き方に気をつけてください。貴女には世話になっていますし、客将として信頼もしていますが、その軽薄な態度は一国の王女に対して無礼ですよ」
フラムと呼ばれた少女は初めてあった時と同様に無表情な、しかし明らかに怒っているのが分かる声色でハモンを嗜めていた。
「まあまあ。言いたいことは分かりますけど、これは姫ちゃんからのお願いでもあるんですから。ここは関係者以外立ち入れられない場所だから兵士の人達にも気づかれませんって」
「バレなければ良いという話ではありません。王位を軽んじれば国の威信は崩れ、人心を失います。それは巡ってこの国の崩壊に……」
「フラム。もう良いではありませんか」
クドクドと説教をするフラムの後ろから、砂糖のように甘ったるい声がかけられる。
「ハモンさんの仰るように、ここは私が信頼する方々だけが立ち入るのを許されている玉座の間。外では国の象徴として振る舞わなければならない私が一人の人間になれる場所なのです」
フラムの後ろの布が揺らめく。同時にフラムと周りの女性達が一斉に膝を付いた。
現れたのはまるで人形のように精巧な美しい少女だった。
一歩一歩とこちらへ進むたびになびく長い亜麻色の髪は一本一本が高級なシルクを思わせる。ハモンよりもひと回り小さな身長でありながら絢爛な宝石に彩られたピンクのドレスに負けない堂々とした振る舞いはただその場にいるだけで見た者を圧倒するカリスマを持っている。
(あれ?)
普通ならただただ圧倒されるはずの王女に、ソラトは妙な違和感を覚えた。いや。
「巫女様とその従者様。今日はこの場に赴いてくださり、ありがとうございます。イルカルラ王国王女。コーラル・イルカルラにございます」
ドレスの両端をつまみ、小さく会釈する彼女の姿。何よりも名前。
「コーラル、ちゃん?」
無意識に名を呼んでしまった。一国の王女に対してあまりにも非礼過ぎる行動に、コーラルはぴくりと体を揺らし、きょとんとしながらソラトを見る。
「へ?」
整った可愛らしい顔にルビーのような赤い瞳。新聞に掲載されていた情報ではソラトと同年代のはずなのに幼く見える容姿。まじまじと見たことで単なる違和感の正体に気づく。
「やっぱりコーラルちゃんだっ。君お姫様だったのかっ!?」
「……嘘」
間違いない。3年前に森で迷っていて、数日だけ一緒に暮らした、あの時の女の子だ。
「おいソラト待てっ、何でお前が王女のことを知ってる……」
「ソラトさまあああ! 会いたかったですわ~っ!!!」
ゼラの疑問を遮りながら、甲高い叫び声をあげながら、コーラルはソラトに飛びついた。
◆
「つまり、3年前に私が私用で村を空けていた数日の間、お前は女を連れ込んで楽しくやっていたと?」
腕を組みながら大変悪意に満ちた解釈をするゼラ。普段の凛々しさの中にある可憐さなど欠片もない威圧的な声色に、頬にべったりとキスマークを付けたソラトは体を縮こませる。
「いや違うから。たまたま森で迷子になってたこの子を保護してただけで、別にやましいことはしてないからっ」
しどろもどになりながら必死に説明するソラトだが、額に大きな怒りマークを出しながら睨みつけてくるゼラには効果がなかった。その視線は今までのような炎の如き激しさはなく、心底失望したような氷の眼差しであった。
「はい、忘れもしません。あれは3年前。私が王宮を飛び出し、あの森を彷徨っていたところを彼に救われたのです」
玉座に腰掛けながら、うっとりとした顔でコーラルは語りだす。さっきまでの淑女ぶりが嘘のように目を輝かせながら天井を見上げる様は、年頃の乙女そのものだった。あまりのギャップにフラムを含めた周囲の女性達は唖然としている。
「怪我をして何もできなかった私を優しく抱えてくださった逞しい腕。女の子だからとベッドを使わせてくれる気遣い。まるで昨日のことのように鮮明に思い出します。あれほど情熱的な経験は、今後経験できないでしょう」
「……姫様。不躾ですがその数日間、この従者に何かされませんでしたか? 寝入っている時に体を触られたりとか。使っていた下着が盗まれたとか」
問いかけるフラムはポーカーフェイスを維持したままとんでもない邪推をしていた。だが目尻が僅かに引きつっており、自制している感情がいつ爆発するかソラトは戦々恐々だった。
コーラルはそのフラムの言葉が癇に障ったのか、キッと丸い目を細めて睨みつける。
「ソラト様はそのようなケダモノではありません! 水浴びの時も着替えの時も、常に私のために席を外してくださったのです! ……ただ何度か裸や下着姿を見られてしまうことがしばしばありましたが」
ギロリッ。
自分の世界に入り、ぽっと頬を赤らめながら体をくねらせるコーラルに対し、ゼラとフラムは憎悪のこもった視線をソラトに向ける。
「お前。私だけでなく彼女にまでそんなふしだらなことを」
「女の敵め」
「……できれば後で釈明させてください」
反論はしようと思えばできる。
しかしこの場には女性九人に対して男は自分のみ。どれだけ弁明しても心証が悪くなるだけなのは火を見るよりも明らかなので、悔しさを堪える選択をする。
「なるほど。姫ちゃんが上級貴族からの度重なるお見合い話をすべて蹴ってきたのはそういうわけなのですね。いやあ単に色恋に興味がないと思ってたんですがこれは納得ですねえ」
口と目をイヤラシく釣り上げながら、ハモンが何度も頷く。あまりの不気味すぎて、女の子がしてはいけない顔になっている。
「一国の王女として褒められた行為ではないと分かっています。でもあれほど鮮烈な運命を感じてしまっては、他の殿方と一緒になるなんて想像できません。今回のザダナー族の件が片付いたら私費を投じて捜索する予定でしたが、まさかこんなところで再会するなんて。ああソラト様~っ」
もう延々と好き好きオーラ全開のコーラルはこれでもかとアピールを繰り返していた。
「あ、あはは。俺も嬉しいよ。まさかあの時の女の子とまた再会するなんて」
「はう。まさかソラト様からも思われていたなんて。クーデターがあったとは言え、やはりトルマリン家とイルカルラ家は繋がる運命にあったのですね」
クーデター。その言葉にソラト達の空気が一変した。
「コーラル姫。しょうもないのろけ話を聞かせるために私達を連れ込んだわけではないだろう。いい加減話してくれないか? 私達を切り捨てた貴女達が今更我々に何を求めているのかをな」
さっきまでソラトに向けていた激しい侮蔑を込めたものとは異なる。可能な限り平静を装って冷静な態度だが、隠しきれない棘と、私怨のこもった言葉がゼラから漏らす。
(私達を切り捨てた? どういうことだ、ゼラもトルマリン家と関係あるのか?)
「巫女様。例え貴女と言えど、姫様に対してそのような態度は」
ソラトが疑問を投げかけるよりも先に、フラムの威圧的な声色が圧となってのしかかる。
単に側近として忠誠を誓っている王女の尊厳の咎めているという空気ではない。もっと単純な、自分の尊敬する人間を貶められたことによる怒りが伝わってきた。
「構いませんフラム」
「ですが」
「イルカルラ王家の人間が今まで見て見ぬふりをしてきたのは確かです。末裔たる巫女様が恨むのは当然です。今回の出会いは罪の精算のためでもあるのですから」
コーラルが優しく微笑みながら静止すると、フラムは不服そうにムスッとしながら押し黙る。
さすがは一国の王女。部下への注意も堂に入っているなと感心すると、彼女は一度咳き込みながら口を開いた。
「今回、お二人をお呼びしたのは他でもありません。ザダナー族と、彼らが復活させようとしている魔王獣の対処についてです。かの獣への対抗策として、聖王獣を呼び出すための力を貸してほしいのです」
「ま、魔王獣? 聖王獣?」
いきなり聞き慣れない単語が飛び出した。名前からして魔王と関係のあるものだというのは分かるが。聖王獣なんてものは少なくとも子供の頃から読んでいた童話で見た記憶がない。
「コーラル姫。ソラトは王族と言っても昨日までクレリックですらなかった一般人だったんだ。彼のためにもう少し詳しく話をしてくれないか」
疑問符を浮かべるソラトを見ながらゼラが提案すると、コーラルは慌てたようにペコペコと頭を下げる。
「これは失礼しました! まさかソラト様が知らなかったとは思わずに勝手に話を進めてしまって!」
「いやそんな謝らなくて良いから! 俺も王族なのに知らなかったのは問題だったし!」
それまで単なる狩人に過ぎなかった一般人が一国の姫に謝罪されるのは慣れないものだ。何よりも彼女の後ろで異様な殺気を向けるフラムの存在が恐ろしい。
「聖王獣は、私達王族にとって切っても切り離せない関係にあります」
約2000年前に魔王との間に起こった戦争で、トルマリン王家と共に戦った世界最大の王国である。
100代まで続く王族による治世と、民主的に選ばれた議員による議会制を採用した異例の大国であり、世界で最も先進的な国と呼ばれている。
「決めた。俺、トルマリン家を復興したらまずこれと同じベッドを設置しようと思う」
オンボロ小屋にある獣臭い布団とは一線を画した極上の柔らかさと寝心地の良さに、ソラトは今まで以上に王族への帰属意識を強めていた。隣で窓越しに陽の光を浴びていたゼラは場違いな覚悟を聞いて呆れ返って息を吐く。
「呑気なやつだ。半ば強制的に連れてこられたのを忘れたのか」
「しょうがないだろ。周りを囲まれて逃げ道なんてなかったし、戦うなんてもってのほかだ」
勿論、彼女の不安になる気持ちは痛いほど分かる。
昨夜の会合で。王国軍は有無を言わずに自分達を王都まで連れ出し、この部屋に押し込めた。パウクとの戦闘で消耗してる状態では抵抗などできないし、何よりも王国と敵対するなどという選択肢を取るほどバカではない。
たった一人で銃を持った兵士百人に匹敵すると言われるクレリックを百人以上も擁するのだ。周辺の中小国の十倍の数を一国で賄えるのだけの大国に睨まれては従う以外の道はない。
「難しく考える必要はないさ。その気になれば牢屋に入れることだってできるのに、こんな上流階級しか使えないような部屋を用意して、おまけにめちゃくちゃ美味い朝食まで運んでくれたんだ。きっと悪いようにはしないと思うぞ」
楽観的だと言われると反論はできない。だが力づくで従わせる方法もある中、自由行動は許されないながらも、王国のクレリックが纏うローブにそっくりな青い修道服まで用意してくれてる。ここまでもてなしてくれるのは、向こうに悪意がない可能性がある。
未だに貧富の差が激しく、辺境の村にまで治世が行き届いていないという問題点はあるが、民のための政治を掲げる王国がそこまで非道とはソラトも考えていない。
「……その底抜けの人の良さは素直に尊敬するよ」
穏やかな口調で言うと、ゼラははにかんだ笑顔を向ける。普段から見慣れているはずだが、ボディラインを強調する修道服を着用していることが、ただでさえ魅力的な彼女の存在をより際立たせている。
(改めて見ると、やっぱりでかいよな。ゼラのおっぱい……)
特に胸部の布を押し上げる豊かな双丘には否応なしに意識してしまう。昨夜も感極まった彼女に抱きつかれて柔らかいスイカを顔に受けたのも相まって、悶々とした気持ちになるのと同時に、ソラトはあることを思い出した。
「そういえばさ、昨日は色々あったせいで忘れてたけど、俺もローブを出せるようになったんだけど」
「え? それがどうしたんだ?」
「……ご褒美、ほしいんだけど」
改まってお願いするとこれほど恥ずかしいのか。いつものように煩悩に振り切った開き直りができずに赤らめるソラト。
ゼラは一瞬何を言われたのか理解できていない様子だが、頭の中で耳に入ったお願いを何度も繰り返していると思わしき挙動をしていると。
ボンッ!
頭からもくもくと湯気を立ち上らせながらソラト以上に真っ赤になってしまった。
「お、お前はこんな時に何を言ってるんだっ!?」
「昨日、ローブを発現する練習してる時に言ってたじゃん。出せたらご褒美くれるって」
「真に受けるなスケベ! いい年してそんな幼稚なことができるか!」
恥ずかしさのあまりがなり立てるゼラに、今のは聞き捨てならないとソラトは力強く反論する。
「幼稚だろうが男は女の子にキスされるのは嬉しいんだよ! 子供の頃はゼラからの頬へのキスがあると思ったから辛い狩りにも耐えられたんだ! ローブだってクレリックになって成り上がりたいっていうのはあったけど、それだっていつかゼラから昔みたいにキスされたいから……」
「いちいち口に出すなバカ!」
傍目から見るとしょうもない言い争いをしていると思われるかもしれない。
だが人一倍女の子に好かれたいという思いの強いソラトにとって、幼少時代から一緒に支え合ってきた幼馴染からのご褒美はそれだけで価値のあるものなのだ。特に散々才能がないだの無駄な努力だの煽られた鬱憤も多分に含まれている。
子供じみた言い争いをしていると、突然コンコンと軽い音が聞こえた。
「あっあ~。廊下からでも聞こえるくらいいちゃつくのは構わないのですが、入ってよろしいでしょうか~?」
音の発生源。木製の扉越しに聞こえたのは少女のものだった。透き通った声に反してかなり軽いノリで、ゼラのいちゃついてない! という叫びよりも先にに扉は大きく開かれる。
現れてたのはまさにソラト達と同年代と思われる少女だった。赤い髪を白い布でお団子のようにまとめた可愛らしいヘアスタイルも相まって少し幼さを感じさせる容姿だが、藤色と黒がコントラストに入り混じった上下一体のワンピースのような服はアンバランスに思えるほど大人びていた。首から下を丸型に露出した胸元は立派な谷間と。腰から下の切れ目からみえる太ももは見ているだけで色気が出ており、思わず鼻の下を伸ばしていただろうと思えるほど魅力的である。
「えっと、君は一体」
「どうもどうも。私はハモン・シトドメ。現在イルカルラ王国で客将の身ですが、本業はしがない商人です」
ハモンと名乗った少女は、ペコリと頭を下げると、まるで吟味するように近づいて顔を寄せてきた。頭一つ分小さな少女は見上げるように透き通った目を向けてくる。女性と言えば自分と身長の近いゼラとばかり接してきたソラトはその上目遣いにドキリと心臓が高鳴る。
「な、何か?」
嬉しさと戸惑いを覚えながら尋ねると、ハッとなったハモンは恥ずかしそうに離れてパタパタと両手を振る。
「あぁすみません。仕こと柄、良い取引相手になる可能性を秘めた方を見ると値踏みしてしまう癖があって。いわゆる職業病の一種なのでお気になさらないでください」
「俺が? カモにできるとかじゃなくて?」
「カモを欲するのは短期的に稼ぐことしか頭にない詐欺師です。商人は長期的に利益を求め、そのために信頼における人間性と将来性のある人間を見極める審美眼を持っているのです。その点、従者さんは合格。少し甘さを残してて不安ですが良い意味でお人好しで、信頼してくれる人を裏切らない誠実さが人相から滲み出ています。もしも入り用がありましたらぜひシトドメ商会にお声を掛けてください。色々とサービスもしますので」
目のやり場に困る胸元を張りながらハモンは言う。口が上手いなとソラトは満更でもなく苦笑した。
お世辞であると分かっていても、こんな可愛い女の子に評価されて喜ばない男はいない。それに他人を裏切らないというのは自身の自己評価と重なっているのも嬉しかった。
「……それで、その商人が私達に何の用なんだ?」
声色から歓迎していないのが分かるゼラの一言に、ハモンは思い出したように間の抜けた声をあげる。
「おっとそうでした。謁見の準備が整いましたので、巫女さんと従者さんには玉座まで案内してほしいと姫様に言われたんです」
(謁見? 姫様がだって?)
姫とは十中八九イルカルラ王国の王女を指しているであろう。昨夜のクレリックの女性も同じことを言っていたが、なぜそんな偉い人がわざわざ会おうとしているのだ。
(それに何で皆ゼラを巫女って呼ぶんだ?)
少なくともソラトが調べた限り、過去の英雄の中でアクアマリンという文字を見た記憶がない。2000年前にイルカルラ家と共に魔王を打ち破った由緒正しい家系というのはトルマリン家だし、そのトルマリン家も16年前のクーデターまでは存続していたのは確かだが。
(考えてみれば、俺はゼラのことを何も知らないな。たまたま同じ赤ん坊の頃に捨てられた幼馴染としか思ってなかったけど)
同じ籠の中に名前入りで捨てられていたと村長に聞かされていた。それ以上は調べようもなかったし、王族の名に誇りを持っていたソラトと違って詮索されるのが好きでなかったようだから、深く言及もできなかった。
チラリとゼラを見る。家の話を聞いた途端露骨に複雑な顔色になっている。
「ゼラ、とりあえず行ってみよう。お前からも色々と聞きたいことがあるけど、まず姫様に会わないとだし」
「……そうだな」
空気から拒んでいるのは明らかだ。だが拒否したところで無意味なのも理解しているゼラは小さく頷き、案内するハモンの後を追う。
その間、ずっと自分の裾を弱々しく摘む彼女の姿に、ソラトは何とも言えない感情になった。
しばらく歩いていると、他の扉とは装飾から異なる仰々しい扉の前に着く。高さにして三メートルはあるだろう扉が自動で開くと、目の前には王族が住むにふさわしい空間が広がっていた。
絢爛な玉座から扉まで敷かれた高級な赤絨毯の左右には、修道服を着た五人の女性が姿勢良く佇んでいる。全員が美しい容姿をした女性で見惚れそうになる。
絨毯の道を進むと、半透明の布に遮られた玉座の前に付く。その先には小さな影が一つだけ佇んでいた。
(あれが、この国の王女)
「姫ちゃ~ん。巫女さんと従者さんを連れてきましたよ」
ぶっ!? あまりにもフランク過ぎる対応を取るハモンに思わず吹いてしまったソラト。
「……ハモンさん。何度も言ってますけど立場を弁えなさい」
ハモンに応えるように凛とした声が聞こえた。布をかき分けて現れたのは、周りの女性達と同じ修道服に身を包んだ短い黒髪の少女。昨夜にゼラに頭を垂れ、この王都まで強制的に連れてきたあの少女だった。
「あら、フラムさんもいたんですか」
「側近がいるのは当たり前です。それよりも姫様に対して口の聞き方に気をつけてください。貴女には世話になっていますし、客将として信頼もしていますが、その軽薄な態度は一国の王女に対して無礼ですよ」
フラムと呼ばれた少女は初めてあった時と同様に無表情な、しかし明らかに怒っているのが分かる声色でハモンを嗜めていた。
「まあまあ。言いたいことは分かりますけど、これは姫ちゃんからのお願いでもあるんですから。ここは関係者以外立ち入れられない場所だから兵士の人達にも気づかれませんって」
「バレなければ良いという話ではありません。王位を軽んじれば国の威信は崩れ、人心を失います。それは巡ってこの国の崩壊に……」
「フラム。もう良いではありませんか」
クドクドと説教をするフラムの後ろから、砂糖のように甘ったるい声がかけられる。
「ハモンさんの仰るように、ここは私が信頼する方々だけが立ち入るのを許されている玉座の間。外では国の象徴として振る舞わなければならない私が一人の人間になれる場所なのです」
フラムの後ろの布が揺らめく。同時にフラムと周りの女性達が一斉に膝を付いた。
現れたのはまるで人形のように精巧な美しい少女だった。
一歩一歩とこちらへ進むたびになびく長い亜麻色の髪は一本一本が高級なシルクを思わせる。ハモンよりもひと回り小さな身長でありながら絢爛な宝石に彩られたピンクのドレスに負けない堂々とした振る舞いはただその場にいるだけで見た者を圧倒するカリスマを持っている。
(あれ?)
普通ならただただ圧倒されるはずの王女に、ソラトは妙な違和感を覚えた。いや。
「巫女様とその従者様。今日はこの場に赴いてくださり、ありがとうございます。イルカルラ王国王女。コーラル・イルカルラにございます」
ドレスの両端をつまみ、小さく会釈する彼女の姿。何よりも名前。
「コーラル、ちゃん?」
無意識に名を呼んでしまった。一国の王女に対してあまりにも非礼過ぎる行動に、コーラルはぴくりと体を揺らし、きょとんとしながらソラトを見る。
「へ?」
整った可愛らしい顔にルビーのような赤い瞳。新聞に掲載されていた情報ではソラトと同年代のはずなのに幼く見える容姿。まじまじと見たことで単なる違和感の正体に気づく。
「やっぱりコーラルちゃんだっ。君お姫様だったのかっ!?」
「……嘘」
間違いない。3年前に森で迷っていて、数日だけ一緒に暮らした、あの時の女の子だ。
「おいソラト待てっ、何でお前が王女のことを知ってる……」
「ソラトさまあああ! 会いたかったですわ~っ!!!」
ゼラの疑問を遮りながら、甲高い叫び声をあげながら、コーラルはソラトに飛びついた。
◆
「つまり、3年前に私が私用で村を空けていた数日の間、お前は女を連れ込んで楽しくやっていたと?」
腕を組みながら大変悪意に満ちた解釈をするゼラ。普段の凛々しさの中にある可憐さなど欠片もない威圧的な声色に、頬にべったりとキスマークを付けたソラトは体を縮こませる。
「いや違うから。たまたま森で迷子になってたこの子を保護してただけで、別にやましいことはしてないからっ」
しどろもどになりながら必死に説明するソラトだが、額に大きな怒りマークを出しながら睨みつけてくるゼラには効果がなかった。その視線は今までのような炎の如き激しさはなく、心底失望したような氷の眼差しであった。
「はい、忘れもしません。あれは3年前。私が王宮を飛び出し、あの森を彷徨っていたところを彼に救われたのです」
玉座に腰掛けながら、うっとりとした顔でコーラルは語りだす。さっきまでの淑女ぶりが嘘のように目を輝かせながら天井を見上げる様は、年頃の乙女そのものだった。あまりのギャップにフラムを含めた周囲の女性達は唖然としている。
「怪我をして何もできなかった私を優しく抱えてくださった逞しい腕。女の子だからとベッドを使わせてくれる気遣い。まるで昨日のことのように鮮明に思い出します。あれほど情熱的な経験は、今後経験できないでしょう」
「……姫様。不躾ですがその数日間、この従者に何かされませんでしたか? 寝入っている時に体を触られたりとか。使っていた下着が盗まれたとか」
問いかけるフラムはポーカーフェイスを維持したままとんでもない邪推をしていた。だが目尻が僅かに引きつっており、自制している感情がいつ爆発するかソラトは戦々恐々だった。
コーラルはそのフラムの言葉が癇に障ったのか、キッと丸い目を細めて睨みつける。
「ソラト様はそのようなケダモノではありません! 水浴びの時も着替えの時も、常に私のために席を外してくださったのです! ……ただ何度か裸や下着姿を見られてしまうことがしばしばありましたが」
ギロリッ。
自分の世界に入り、ぽっと頬を赤らめながら体をくねらせるコーラルに対し、ゼラとフラムは憎悪のこもった視線をソラトに向ける。
「お前。私だけでなく彼女にまでそんなふしだらなことを」
「女の敵め」
「……できれば後で釈明させてください」
反論はしようと思えばできる。
しかしこの場には女性九人に対して男は自分のみ。どれだけ弁明しても心証が悪くなるだけなのは火を見るよりも明らかなので、悔しさを堪える選択をする。
「なるほど。姫ちゃんが上級貴族からの度重なるお見合い話をすべて蹴ってきたのはそういうわけなのですね。いやあ単に色恋に興味がないと思ってたんですがこれは納得ですねえ」
口と目をイヤラシく釣り上げながら、ハモンが何度も頷く。あまりの不気味すぎて、女の子がしてはいけない顔になっている。
「一国の王女として褒められた行為ではないと分かっています。でもあれほど鮮烈な運命を感じてしまっては、他の殿方と一緒になるなんて想像できません。今回のザダナー族の件が片付いたら私費を投じて捜索する予定でしたが、まさかこんなところで再会するなんて。ああソラト様~っ」
もう延々と好き好きオーラ全開のコーラルはこれでもかとアピールを繰り返していた。
「あ、あはは。俺も嬉しいよ。まさかあの時の女の子とまた再会するなんて」
「はう。まさかソラト様からも思われていたなんて。クーデターがあったとは言え、やはりトルマリン家とイルカルラ家は繋がる運命にあったのですね」
クーデター。その言葉にソラト達の空気が一変した。
「コーラル姫。しょうもないのろけ話を聞かせるために私達を連れ込んだわけではないだろう。いい加減話してくれないか? 私達を切り捨てた貴女達が今更我々に何を求めているのかをな」
さっきまでソラトに向けていた激しい侮蔑を込めたものとは異なる。可能な限り平静を装って冷静な態度だが、隠しきれない棘と、私怨のこもった言葉がゼラから漏らす。
(私達を切り捨てた? どういうことだ、ゼラもトルマリン家と関係あるのか?)
「巫女様。例え貴女と言えど、姫様に対してそのような態度は」
ソラトが疑問を投げかけるよりも先に、フラムの威圧的な声色が圧となってのしかかる。
単に側近として忠誠を誓っている王女の尊厳の咎めているという空気ではない。もっと単純な、自分の尊敬する人間を貶められたことによる怒りが伝わってきた。
「構いませんフラム」
「ですが」
「イルカルラ王家の人間が今まで見て見ぬふりをしてきたのは確かです。末裔たる巫女様が恨むのは当然です。今回の出会いは罪の精算のためでもあるのですから」
コーラルが優しく微笑みながら静止すると、フラムは不服そうにムスッとしながら押し黙る。
さすがは一国の王女。部下への注意も堂に入っているなと感心すると、彼女は一度咳き込みながら口を開いた。
「今回、お二人をお呼びしたのは他でもありません。ザダナー族と、彼らが復活させようとしている魔王獣の対処についてです。かの獣への対抗策として、聖王獣を呼び出すための力を貸してほしいのです」
「ま、魔王獣? 聖王獣?」
いきなり聞き慣れない単語が飛び出した。名前からして魔王と関係のあるものだというのは分かるが。聖王獣なんてものは少なくとも子供の頃から読んでいた童話で見た記憶がない。
「コーラル姫。ソラトは王族と言っても昨日までクレリックですらなかった一般人だったんだ。彼のためにもう少し詳しく話をしてくれないか」
疑問符を浮かべるソラトを見ながらゼラが提案すると、コーラルは慌てたようにペコペコと頭を下げる。
「これは失礼しました! まさかソラト様が知らなかったとは思わずに勝手に話を進めてしまって!」
「いやそんな謝らなくて良いから! 俺も王族なのに知らなかったのは問題だったし!」
それまで単なる狩人に過ぎなかった一般人が一国の姫に謝罪されるのは慣れないものだ。何よりも彼女の後ろで異様な殺気を向けるフラムの存在が恐ろしい。
「聖王獣は、私達王族にとって切っても切り離せない関係にあります」
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