俺の短編集3

あおいろえんぴつ

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つばめ

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僕はこの大きな空を飛ぶことができる。
このつばさのおかげで。

仲間やみんなと飛ぶこともできる。

仲間はもういないけど…


僕には前世の記憶がある。

前世は人として生きていた。
ルールというもので自由を奪われながら生きた。
人として生きた時から鳥になりたいと思っていた。
鳥になったとき前世の記憶があることに驚いた。
だが、同時にうれしかった。それだけ、自由になりたいと思っていたから。

鳥になってこの広い大空を飛び回りたかった。
”これで自由に飛び回れる”
”これで自由になれる!”
そう思っていた。




でもいまは違う気がする。
僕は自由が欲しかった。でも、自由だけじゃ何の意味もなかったんだ

あのときも…









「ふざけんな!!こんなルール飲めるわけないだろ!」
僕は友達の意見に賛成だった。そのルールは僕たちを縛るものだった。
僕たちは学校を出た。
そして、またその友達はぼくにいった。
「あーあ、鳥になりたいな~ そしたら自由に空を飛び回れるのにな~」
「ほんとだな。このまま二人でどこかに行ってしまおうか…」
「え…おまえ…」

「冗談だよ。」
「そろそろ学校戻ろうぜ。」
「ああ。」

しかし、学校の戻る道でそいつは車にはねられた。
救急車が来て病院へと運ばれていった。
そしてあいつは帰ってこなっかった
僕は終始何もできなかった。
そしてその後先生、生徒から冷たい目で見られたまま卒業した。
そのあと社会にでてもルールの下で生きていかなけれればならない。

僕は人間社会にうんざりだった。
でも僕が欲しかったのはあいつといる、親友と一緒につかんだ自由だったんだ。

だからあいつのいない…


”自由はあるんだ!自由は!”



でも、それだけだ…



お願いだ。神様。
もう一度あいつに会わせてくれ。
そしたらもう何もいらない鳥なのに飛べなくなってもいい…

だから、、、

そう考えていると一匹のカラスが襲ってきた。
カラスはつばめの天敵である。


(ああ…僕はここで終わるんだ…
せっかく鳥になったのに… 
自由を手に入れたのに…
何も… 何もできなかったんだ…)

「カアカア…」
カラスに一匹のつばめが立ち向かっていた。

驚いた。
そのつばめは決して強くはない…
だが、必死に戦っていた。

”僕を守るために”
まるであいつのようだった。


そして、ぼろぼろの体になってたがカラスは帰っていった。


驚いたのはそのあとだった。


そのつばめは僕に向かってしゃべり始めた。



「大丈夫か?コウジ。」




「!?」
「どうして、ぼくの前世の名前を…」



僕はすぐに分かった。






「シンイチか…」



「ああ…
まさか、お前も前世の記憶があるとはな…」

「驚いたのはそれだけじゃなくてお前も同じつばめとして僕の前に現れた…」

「いいじゃねーか…またこうしてお前と一緒になれたんだ。
”最高!”だろ!?」

「まったくだ…」

僕たちは翼を広げて大きく羽ばたき始めた。
「また、一緒だな…」


「あの時…」

僕はシンイチに話した。
「あの時、お前が倒れたのに何もできなかったんだ…
今回もお前に助けられてる時もお前は懸命に俺のことを助けてくれた。」

するとシンイチも話し始めた
「何もしてないことはないさ…
なりの悪く中学のころから喧嘩の噂が絶えなかった俺はダチが1人もいなかった。
そんな俺を見た目で判断せずに声をかけてきてくれた。
親からも相手にされなかった俺としては何よりも嬉しかった。

だから、、、


だから、俺にとってコウジは親以上なんだ…
お前はおれのことを救ってくれたと思っているけどそれは俺も同じだぜ。

俺はお前のことを拳から守っているけど、お前は俺のことを孤独から守っているんだよ。」

おれは泣いていた。

「またお前と一緒にいられるんだな。」

「ああ!最高だぜ!」


泣いていたのには2つの理由がある。


”親友の言葉に”と”親友といれる”に…







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