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質疑
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質疑
ホルニッセの無駄にある行動力のせいで何故か俺も学校に足を運ぶことになってしまった。
「あなたのその恰好なら制服を用意する必要はなさそうだな。偶然だがそのネクタイは2年生のネクタイと同じ色だしズボンの色も多少黒の濃さが違う程度だ。」
「だが本当に手続きとか無しで侵入しても大丈夫なのか?お縄になったら面倒なんだが。」
「このご時世だからな。管理も杜撰だ。」
「絶対目立つと思ったがそもそもまともな奴が少ないのか。」
「俺の知り合いもかなり来なくなったな。」
「そりゃ気の毒なもんで。」
それにしても街の様子やテレビでのニュースを見る限りかなりの人間が寄生虫の被害に遭っているようだが度々顔を合わせるこいつは未だに平気な顔をしている。俺は普通の人間ではないから大丈夫なのかもしれないが何か寄生虫を跳ねのけるものがあるのだろうか。まあもしホルニッセが寄生されたら理研特区はヴァッフェル王国に相当な賠償が必要だろうけれど。
「そういやお前はなんでそうピンピンしてるんだ?」
「…言われてみれば。確かに俺はここの人たちとは人種は異なるが…。だが人種とかよりも心の持ちようかもしれないな。」
「病は気からってやつか?そんなんで防げるのかよ。」
「いや、この寄生虫は人間の精神に害をもたらすものだろう。だからもしかしたらヴァッフェル王族としてのプライドとあの人に対する強い復讐心が俺を守っているのかもしれない。」
「主なる要因が後者だったら皮肉なもんだな。」
「ふっ、そうだな。」
校内もなかなかの無法地帯で、もはや真面目に授業を行っている教師が哀れに見えてくるレベルである。教室に生徒はまばらで授業を聞いているのはさらに少数である。そもそも教師の姿が見えない教室の方が多い。理性によって抑えている欲が少ない者は比較的まともだとも考えられるがやはり喧嘩っ早くなるなどの変化はあるようだ。理性で抑えているものと言えばあとはまあ性欲だろう。
「お前も大変だな…。」
「いや俺は男だから別に被害を受けることはないが…。女子生徒はいつ襲われるかわからない恐怖のもと生活しているのだろうな。」
荒れ果てた校内を物色していると天井に備え付けられたスピーカーから放送が聞こえてきた。
「校内のみなさんに重大なお知らせです。先ほど午前11時30分、生態研究科は戒厳令を発令しました。繰り返します、午前11時30分生態研究科は…」
辺りが一斉にざわついた。秩序ある社会の崩壊が告げられ、生態研究科は寄生虫に屈服した。
「ついに戒厳令か…。俺は大変な時にここに来てしまったようだな。」
「俺のせいじゃないか。珍しくお前に申し訳ないと思った。」
「何故あなたのせいなんだ?自分は疫病神だとでも言うつもりか。」
「100年前ここに来た時もピンポイントで戦争に巻き込まれたが。」
「ああ…。…ん?以前理研特区で起きた戦争については知らないと…」
「チッ、記憶力はいいのか。」
「何故知らないなどと嘘をついた?」
「そりゃお前に教える情報なんてないからだよ。」
「そんなに俺のことが嫌いか。」
「敵の味方は敵だろう。俺はお前に殺されかねない。そのためにここに来たんじゃないのか?」
「俺があなたを…?何故。」
「おいおい、どこまでいい子ちゃんするつもりだよ。そりゃ俺がいなければそもそも奴はお前と同じ時代を生きることは無かったわけだし、俺がお前の人生を狂わせたようなもんじゃないか。」
「あれはあの人が勝手にやっただけであなたは無関係だろう。」
「随分と割り切っているんだな。」
「そういう教育を受けているもので。」
面白くないな、と思った。もしホルニッセが不老不死者を殺す術を見つけても、確かに死ぬことこそ俺の人生の目的かもしれないが、絶対こいつにだけは殺されてたまるか。
よくわからないが俺は白城に嫌われているらしい。本人はいつ自分を殺すかわからない人間と仲良くする理由がわからないなどと言っていたが、敵に対する警戒心というより単純に俺個人に対する嫌悪感を向けてきているように思える。俺は彼を攻撃するつもりなど一切ない、むしろ協力関係を築きたいと思っているのに。
「おや、キミはまともな人間かい?」
「え、ええ、まあ…。」
突然白衣を着たエメラルドグリーンの髪の人物に話しかけられた。
「旅人さんを知らないかい?黒髪で、眼鏡をかけていて、えっと背丈は…俺よりは小さいかなぁ。」
にこにこしながら不思議なジェスチャーを多用してくるこの人物はどうやら白城を探しているようだ。
「もしかして白城のことだろうか。」
「そうそう!俺が探しているのはふろーふしの白城くん!…あっ、これ言っちゃいけないんだった。」
どうにも締まりのない話し方をする人物である。だが白城が不老不死であることを知っているとなれば只者ではないだろう。
「あなたは一体何者なんだ。誰だかわからない人間に教えるわけにはいかない。」
「そうだね、その通りだ!俺は杉谷瑞希だよ~。研究者やってたけど今は無職ですっ!」
耳を疑った。このへらへらとした感じの不審者があの杉谷瑞希だと…?恐らく白城も同じような感想を抱いたのではないだろうか。
「あなたが…!是非お会いしたいと思っていた。しかし、失礼を承知で尋ねるがその喋り方は一体…?」
「ああ、これ?この方が“ゆるくて”いいでしょー?」
「ゆ…ゆる…?」
あまり説明になってはいない気がするが…、もしかしてわざとこのような話し方をすることで相手を油断させようといった心算なのだろうか、能ある鷹はなんとやらというやつか。
「ところであなたに1つ頼みがある!初対面だし突然済まないとは思っているが…。」
「ん~?いいよ、いいよ。人間とお話するのも楽しいなって思い始めたし。どんなことだい?」
「今俺はとある人物と共に寄生虫への対抗策を探しているところだ。しかし難航していてな。是非あなたの知恵をお借りしたい!」
「ふーん、おかしなことをするものだね。別に構わないけど一体君の協力者は誰なんだい。」
「一文路さんです。御存知でしょう、大財閥の御子息らしいので…」
「直也が?」
杉谷さんのふにゃふにゃとした顔が一瞬で険しくなった。何かまずいことを言ってしまったらしい。
「ふふ、ふふふ、ふはははっ!へぇ~、あいつがそんなことを!笑えてきたよ!」
「え…?あ、あの…」
険しい表情を見せたかと思いきや今度は一人で笑い声をあげている。この人の行動が全く読めない。
「罪滅ぼしのつもりかねぇ、それとも怖くなったのかなぁ、協力者を募るということはもう失敗してはならないと思っているのかな。」
そういえば白城が寄生虫騒ぎの元凶は直也さんだろうと言っていた。そしてその推測を白城話したのは…
「キミには悪いけど俺は協力できないなぁ。でも安心して、こっちはこっちで勝手に進めてるから。俺だってあれには迷惑してるんだよ…。」
「そうか、わかった。…俺は諸悪の根源のすぐ傍にいながらそれに気付けなかった愚か者なのだろうか。」
「それはどうかな。そもそも直也が“諸悪の根源”と言い切れるのだろうか。」
「それはどういう…?」
「さあね。実際聞いてみた方が早いと思うよ~。」
「あ、そういえば白城くんの居場所聞きそびれちゃった。それに彼の名前も…」
この街で見かける外国人が珍しくてつい話しかけてみたが面白いこともあるものだ。不思議と寂しさも紛れた。やはり人であれば何でもいいのだろうか、いやきっと特別な人にだけ惹かれているに違いない。有象無象には興味はない。
「あ、ちょうちょさんだ。こんな1本のぺんぺん草もないような市街地に珍しいね。迷子さんかな?」
無機質な街中で見かける昆虫と言えばあの寄生虫くらいだ。もっともあれは昆虫ではなく昆虫を模した人工生物なのだが。生態研究科と名乗りながら人々の生活の中に生き物の息吹が感じられないという矛盾。俺はこの街も、この街の人々も嫌いだ。この理研特区は彩りを失った場所だ。
「さっきのはシジミチョウさんだったね。小さいからきっと誰も気付かないだろうけど。…そうだ。」
街から寄生虫を排除する発明。基本的な部分はほぼ完成していた。悩んでいたのはデザイン面。
「目には目を、歯には歯を、人工生物には人工生物を、か。うん、面白いね!」
ホルニッセの無駄にある行動力のせいで何故か俺も学校に足を運ぶことになってしまった。
「あなたのその恰好なら制服を用意する必要はなさそうだな。偶然だがそのネクタイは2年生のネクタイと同じ色だしズボンの色も多少黒の濃さが違う程度だ。」
「だが本当に手続きとか無しで侵入しても大丈夫なのか?お縄になったら面倒なんだが。」
「このご時世だからな。管理も杜撰だ。」
「絶対目立つと思ったがそもそもまともな奴が少ないのか。」
「俺の知り合いもかなり来なくなったな。」
「そりゃ気の毒なもんで。」
それにしても街の様子やテレビでのニュースを見る限りかなりの人間が寄生虫の被害に遭っているようだが度々顔を合わせるこいつは未だに平気な顔をしている。俺は普通の人間ではないから大丈夫なのかもしれないが何か寄生虫を跳ねのけるものがあるのだろうか。まあもしホルニッセが寄生されたら理研特区はヴァッフェル王国に相当な賠償が必要だろうけれど。
「そういやお前はなんでそうピンピンしてるんだ?」
「…言われてみれば。確かに俺はここの人たちとは人種は異なるが…。だが人種とかよりも心の持ちようかもしれないな。」
「病は気からってやつか?そんなんで防げるのかよ。」
「いや、この寄生虫は人間の精神に害をもたらすものだろう。だからもしかしたらヴァッフェル王族としてのプライドとあの人に対する強い復讐心が俺を守っているのかもしれない。」
「主なる要因が後者だったら皮肉なもんだな。」
「ふっ、そうだな。」
校内もなかなかの無法地帯で、もはや真面目に授業を行っている教師が哀れに見えてくるレベルである。教室に生徒はまばらで授業を聞いているのはさらに少数である。そもそも教師の姿が見えない教室の方が多い。理性によって抑えている欲が少ない者は比較的まともだとも考えられるがやはり喧嘩っ早くなるなどの変化はあるようだ。理性で抑えているものと言えばあとはまあ性欲だろう。
「お前も大変だな…。」
「いや俺は男だから別に被害を受けることはないが…。女子生徒はいつ襲われるかわからない恐怖のもと生活しているのだろうな。」
荒れ果てた校内を物色していると天井に備え付けられたスピーカーから放送が聞こえてきた。
「校内のみなさんに重大なお知らせです。先ほど午前11時30分、生態研究科は戒厳令を発令しました。繰り返します、午前11時30分生態研究科は…」
辺りが一斉にざわついた。秩序ある社会の崩壊が告げられ、生態研究科は寄生虫に屈服した。
「ついに戒厳令か…。俺は大変な時にここに来てしまったようだな。」
「俺のせいじゃないか。珍しくお前に申し訳ないと思った。」
「何故あなたのせいなんだ?自分は疫病神だとでも言うつもりか。」
「100年前ここに来た時もピンポイントで戦争に巻き込まれたが。」
「ああ…。…ん?以前理研特区で起きた戦争については知らないと…」
「チッ、記憶力はいいのか。」
「何故知らないなどと嘘をついた?」
「そりゃお前に教える情報なんてないからだよ。」
「そんなに俺のことが嫌いか。」
「敵の味方は敵だろう。俺はお前に殺されかねない。そのためにここに来たんじゃないのか?」
「俺があなたを…?何故。」
「おいおい、どこまでいい子ちゃんするつもりだよ。そりゃ俺がいなければそもそも奴はお前と同じ時代を生きることは無かったわけだし、俺がお前の人生を狂わせたようなもんじゃないか。」
「あれはあの人が勝手にやっただけであなたは無関係だろう。」
「随分と割り切っているんだな。」
「そういう教育を受けているもので。」
面白くないな、と思った。もしホルニッセが不老不死者を殺す術を見つけても、確かに死ぬことこそ俺の人生の目的かもしれないが、絶対こいつにだけは殺されてたまるか。
よくわからないが俺は白城に嫌われているらしい。本人はいつ自分を殺すかわからない人間と仲良くする理由がわからないなどと言っていたが、敵に対する警戒心というより単純に俺個人に対する嫌悪感を向けてきているように思える。俺は彼を攻撃するつもりなど一切ない、むしろ協力関係を築きたいと思っているのに。
「おや、キミはまともな人間かい?」
「え、ええ、まあ…。」
突然白衣を着たエメラルドグリーンの髪の人物に話しかけられた。
「旅人さんを知らないかい?黒髪で、眼鏡をかけていて、えっと背丈は…俺よりは小さいかなぁ。」
にこにこしながら不思議なジェスチャーを多用してくるこの人物はどうやら白城を探しているようだ。
「もしかして白城のことだろうか。」
「そうそう!俺が探しているのはふろーふしの白城くん!…あっ、これ言っちゃいけないんだった。」
どうにも締まりのない話し方をする人物である。だが白城が不老不死であることを知っているとなれば只者ではないだろう。
「あなたは一体何者なんだ。誰だかわからない人間に教えるわけにはいかない。」
「そうだね、その通りだ!俺は杉谷瑞希だよ~。研究者やってたけど今は無職ですっ!」
耳を疑った。このへらへらとした感じの不審者があの杉谷瑞希だと…?恐らく白城も同じような感想を抱いたのではないだろうか。
「あなたが…!是非お会いしたいと思っていた。しかし、失礼を承知で尋ねるがその喋り方は一体…?」
「ああ、これ?この方が“ゆるくて”いいでしょー?」
「ゆ…ゆる…?」
あまり説明になってはいない気がするが…、もしかしてわざとこのような話し方をすることで相手を油断させようといった心算なのだろうか、能ある鷹はなんとやらというやつか。
「ところであなたに1つ頼みがある!初対面だし突然済まないとは思っているが…。」
「ん~?いいよ、いいよ。人間とお話するのも楽しいなって思い始めたし。どんなことだい?」
「今俺はとある人物と共に寄生虫への対抗策を探しているところだ。しかし難航していてな。是非あなたの知恵をお借りしたい!」
「ふーん、おかしなことをするものだね。別に構わないけど一体君の協力者は誰なんだい。」
「一文路さんです。御存知でしょう、大財閥の御子息らしいので…」
「直也が?」
杉谷さんのふにゃふにゃとした顔が一瞬で険しくなった。何かまずいことを言ってしまったらしい。
「ふふ、ふふふ、ふはははっ!へぇ~、あいつがそんなことを!笑えてきたよ!」
「え…?あ、あの…」
険しい表情を見せたかと思いきや今度は一人で笑い声をあげている。この人の行動が全く読めない。
「罪滅ぼしのつもりかねぇ、それとも怖くなったのかなぁ、協力者を募るということはもう失敗してはならないと思っているのかな。」
そういえば白城が寄生虫騒ぎの元凶は直也さんだろうと言っていた。そしてその推測を白城話したのは…
「キミには悪いけど俺は協力できないなぁ。でも安心して、こっちはこっちで勝手に進めてるから。俺だってあれには迷惑してるんだよ…。」
「そうか、わかった。…俺は諸悪の根源のすぐ傍にいながらそれに気付けなかった愚か者なのだろうか。」
「それはどうかな。そもそも直也が“諸悪の根源”と言い切れるのだろうか。」
「それはどういう…?」
「さあね。実際聞いてみた方が早いと思うよ~。」
「あ、そういえば白城くんの居場所聞きそびれちゃった。それに彼の名前も…」
この街で見かける外国人が珍しくてつい話しかけてみたが面白いこともあるものだ。不思議と寂しさも紛れた。やはり人であれば何でもいいのだろうか、いやきっと特別な人にだけ惹かれているに違いない。有象無象には興味はない。
「あ、ちょうちょさんだ。こんな1本のぺんぺん草もないような市街地に珍しいね。迷子さんかな?」
無機質な街中で見かける昆虫と言えばあの寄生虫くらいだ。もっともあれは昆虫ではなく昆虫を模した人工生物なのだが。生態研究科と名乗りながら人々の生活の中に生き物の息吹が感じられないという矛盾。俺はこの街も、この街の人々も嫌いだ。この理研特区は彩りを失った場所だ。
「さっきのはシジミチョウさんだったね。小さいからきっと誰も気付かないだろうけど。…そうだ。」
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