12 / 16
侵略・明鏡止水
しおりを挟む
侵略
朝方から使用人たちの様子がおかしい。というよりみなせわしなく動いている気がする。今なら家の中を探検しても誰も止める余裕はないだろう、と思ったがとりあえず何があったか確認したいという気持ちが勝った。ああ、せっかく我が家の秘密を知るチャンスだったのに。
「なんだ、なんの騒ぎだ!こら、勝手に入ってくるな!」
表玄関の方から父の怒鳴り声が聞こえる。誰かと揉めている…?常識のない顧客?マスコミ?俺には当然知らされていないが何か大きな不祥事が?
「ねえ、何があったの…?」
「なっ、直也様…!こちらに来てはいけません!」
「おい!あれじゃないか!?」
「カメラ、押さえたか!?」
「やめろ!撮るな!直也、お前は部屋に戻っていなさい!」
「坊ちゃま、早くこちらに…!」
流されるまま使用人たちによって部屋に戻されてしまったが何が起きているのだろう。カメラを持っていたしあれはマスコミだろう。でも彼らはうちではなく俺個人に用があるように見えた。いや、単純に“あの一文路財閥”の一人息子について取材をしようと試みていただけかもしれない。もっとも部屋に軟禁状態にされてはわからないが。
「自室にパソコンがあってよかったよ。うちが何かやらかしたならネットニュースにくらいはなっているはず…」
検索欄に自分の名字を打ち込むより先にもっと驚くべきニュースが目に入ってきた。
「『寄生虫事件の犯人とは…!?:戒厳令の原因はまさかの…』だって…、ってことはうちに来ていた人たちはもしかして…!」
だとしたら一文路財閥の名に再度泥を塗ったのは俺だ。でも家の人たちはまさか俺があんな悲劇を引き起こしたなどとは思っていないだろう。うちに恨みを持っている何者かが適当に俺が犯人だとでっち上げたと思っているはずだ。
「とにかく記事を読もう。そして全部正直に話すんだ…。」
しかしその記事の内容はとんでもないものであった。
「はあ!?なにこれ、意味わかんない!」
今朝あがったばかりなのに既にトレンド入りした記事。あの寄生虫騒ぎの犯人を突き止めた、だとか。みんな思ったよりあれに関心があったんだねと言うべきか、単に“大きな事件の犯人が明らかになった”ことに興味があっただけなのか。まあこの内容ならエンターテイメント性が話題を呼んだと言った方がよさそうだね。
…先日ついに生態研究科は戒厳令を発令した。人々は僅か数センチの生物に敗北したのだ。しかし我々はある協力者の力を借りて真相を突き止めることに成功した。…(中略)、杉谷瑞希氏は元本部研究者。史上初の高校生での本部入りを果たした神童であったが、本部施設内に一文路一族の子息を招き入れたことが判明し懲戒解雇。以降は不登校になり消息は不明であった。しかしこの度その杉谷瑞希を名乗る者が我々に寄生虫を造り出した犯人の情報を提供した。寄生虫事件を引き起こした犯人はなんと、杉谷氏を人生のどん底に陥れた一文路の子息、一文路直也であった。このタイミングで杉谷氏が我々に真相を語ったのは自分の将来を台無しにした彼が未だのうのうと生きているのが許せなかったからだそうだ。2人は元々親友同士であったようだが、どこで道を誤ってしまったのか…!?そして我々を混乱に陥れた犯人はなんと高校生であったのが驚きである!
これだけは絶対にしないと決意していたことが、俺ではない誰かによって引き起こされるとは思ってもいなかった。俺の名を騙って証拠もないただの推測を事実に仕立て上げようとした者は一体誰なのだろうか。一文路の敵か、はたまた俺に恨みがある者か。何故俺の推測を知っている。何故このタイミングで。何故俺の名を使った。何故…
「ああああっ!なんなんだよっ!どいつもこいつも!!一体俺が何をしたって言うんだよ!!」
…
「…はぁ。クソッ…、ほんとかんべんしてくれよ…。」
明鏡止水
…「ねぇねぇ、杉谷くんってどこ小だったの?第一?第二?」
「第二だよ。俺同じだった。」
「私も!でも高嶺の花って感じだったー。やっと話す権利を得たって感じ。」
「へー、じゃああたしらラッキーじゃん。よろしくー。」
「女子ばっかりじゃなくて俺たちとも仲良くしてくれよー。」
入学式が終わるとあっという間に俺の斜め後ろの席に人が集まった。その中の1人でもいいから俺とも仲良くしてくれよ、とか俺の斜め後ろが“すぎたに”くんって随分ア行とカ行が少ないクラスだな、とか思った。
俺はああいうキラキラした人たちとは違う。目立たないし目立ちたくもない。正直関わりたくもないし近くでわいわいされるのも厄介だ…。そうだ、どこかに逃げよう。
「あ、そうだ。俺せんせーにお仕事頼まれてたんだった!みんなごめんね、また遊ぼうね!」
「えっ、ちょっと杉谷くん待って!」
「それなら一緒に行こうか?」
「大丈夫だよー、この子も一緒だから!」
「え?」
人々の視線が一斉にこちらに向いた。俺はそのような仕事を受けた覚えはないのだが。無駄に目立ちたくなのに、勘弁してくれ。
「いやぁ、ごめんね。こうでもしないとたぶん逃げられなかったからさぁ。」
「え…?」
「別に俺御曹司とかでもないし、すり寄るメリットなんてないのにねー。いっそ誰も知り合いがいない電子工学研究科とか化学研究科とかの学校行けばよかったかなー。」
「す、擦り寄るなんてそんな…。よくわからないけどみんな君と友達になりたいから話しかけてきたんじゃないの…?」
「そりゃあ俺と“友達”になるために近づいてきているのは確かでしょ。」
友達になりたいと言ってくる人間がたくさんいるのは嬉しいことではないのだろうか。やっぱり人気者が考えていることはよくわからない。
「あーあ、いっそ気持ち悪い奴って評判になればいいのになー。普通噂って悪いものの方が広まるんじゃないの?」
「え、そ、そういわれても…。」
「あーあ、ごめんね別に困らせたかったわけじゃないんだよ。巻き込んじゃって悪かったね。んー、そういえば君って生き物好き?」
「えっ、ま、まあ…好きだけど…。」
「ふーん。じゃあ生き物のための研究ってどう思う?」
「生き物のための…?よくわからないな。例えば?」
「海洋生物の保護とか。」
「へー、変わったことをする人もいるんだね。そっかー、別に人間の役に立たなくても研究って言っていいのか。」
「へ?おかしいとは思わないの?」
「いや?あ、でもそんなの聞いたことはなかったけどね。」
「そりゃあ聞いたことはないでしょうよ。ここでは人間の役に立つ研究こそが全てなんだから。誰もそんなことしようとはしないよ。仮にそういう研究をした人がいたとしてもそれが日の目を見ることはないだろうし。」
「地球の役には立っているのにね。でもなんで君はそういう研究の存在を知っているの?」
「あー…、君になら話しても大丈夫そうかな。それは俺の専門分野だからだよ。」
「専門って…まだ中学生になったばかりなのに研究とかしてるってこと!?」
そりゃ有名人なわけだ。綺麗な顔をしているし、頭も良い。それだけでもうクラスの人気者だろう。もしかして彼は顔と頭脳だけで判断されるのが嫌だと思っているのだろうか。だとしたら少し共感できるかもしれない。
「お金も設備もないから大したことはできないけどね。一応ちまちまと観察・実験を繰り返して得た結果をもとに論文を書いたことはあるよ。それが治さんに褒めてもらえて…」
「治さん?」
「君も知ってると思うよ。御門治さん。」
「御門治…って君この街のトップと知り合いなの!?」
「うん。小さいころから知ってるよ。その娘さんとは幼馴染でよく遊んだし。」
「まじか…。君はすごいね…。」
「しょーじき誇れるものなんてないけどね。みんな本性を見せれば去っていく。まあ俺には俺がいるからいいけどね。」
「そんな…。」
「生態研究科では異端とされる考えを小学生ながら自信満々に語るやつなんて気持ち悪いでしょ。治さんだって俺の研究内容じゃなくて俺の才能を評価しているだけだしね。」
「君はもしかしたら俺と同じかもしれない…!」
「俺が君と?悪いけど同情はごめんだよ。君は目立たないけど普通という取り柄があるじゃないか。」
「いや、俺なんか名乗ったら最後、誰も俺自身を見てくれなくなる。」
「名乗ったら…?なに超有名人か大富豪か、はたまた犯罪者の息子だったりするのかい。」
「ああそうだよ。たぶん全部当てはまる…。一文路はそういう家系だよ。」
「ふーん。そっか、案外俺たち似た者同士かもね。」
そうだ俺たちはお互いに貼られたレッテルを捨てて語り合える唯一の親友だったはずだ。その関係を壊したのも彼の未来を奪ったのも全部俺だ。彼は何も悪くない、全部俺のせいだ。これは当然の報い…。
家の者には止められているがなんとかこの部屋から出て真相を話そう。これ以上隠れていたって意味はない。でも話してどうなる?人々を元に戻す術も知らないし、何をされるのかもわからない。もし家が事を揉み消してくれても瑞希がいなくては結局社会の中で孤立するに決まっている。俺の人生は詰んだも同然だろう。
「…。」
そういえばこの部屋には固く閉ざされたドア以外に出口がある。最近は悪夢のような1日の始まりを告げる役割だけを担っていた大きめの窓。…この高さだと流石に厳しいか。頭からいけばあるいは…。
「あれは…直也さん!?何をしている!その足を引っ込めてくれ!」
「ホルニッセくん!?なんでここに…えっ、」
「直也さん!!」
朝方から使用人たちの様子がおかしい。というよりみなせわしなく動いている気がする。今なら家の中を探検しても誰も止める余裕はないだろう、と思ったがとりあえず何があったか確認したいという気持ちが勝った。ああ、せっかく我が家の秘密を知るチャンスだったのに。
「なんだ、なんの騒ぎだ!こら、勝手に入ってくるな!」
表玄関の方から父の怒鳴り声が聞こえる。誰かと揉めている…?常識のない顧客?マスコミ?俺には当然知らされていないが何か大きな不祥事が?
「ねえ、何があったの…?」
「なっ、直也様…!こちらに来てはいけません!」
「おい!あれじゃないか!?」
「カメラ、押さえたか!?」
「やめろ!撮るな!直也、お前は部屋に戻っていなさい!」
「坊ちゃま、早くこちらに…!」
流されるまま使用人たちによって部屋に戻されてしまったが何が起きているのだろう。カメラを持っていたしあれはマスコミだろう。でも彼らはうちではなく俺個人に用があるように見えた。いや、単純に“あの一文路財閥”の一人息子について取材をしようと試みていただけかもしれない。もっとも部屋に軟禁状態にされてはわからないが。
「自室にパソコンがあってよかったよ。うちが何かやらかしたならネットニュースにくらいはなっているはず…」
検索欄に自分の名字を打ち込むより先にもっと驚くべきニュースが目に入ってきた。
「『寄生虫事件の犯人とは…!?:戒厳令の原因はまさかの…』だって…、ってことはうちに来ていた人たちはもしかして…!」
だとしたら一文路財閥の名に再度泥を塗ったのは俺だ。でも家の人たちはまさか俺があんな悲劇を引き起こしたなどとは思っていないだろう。うちに恨みを持っている何者かが適当に俺が犯人だとでっち上げたと思っているはずだ。
「とにかく記事を読もう。そして全部正直に話すんだ…。」
しかしその記事の内容はとんでもないものであった。
「はあ!?なにこれ、意味わかんない!」
今朝あがったばかりなのに既にトレンド入りした記事。あの寄生虫騒ぎの犯人を突き止めた、だとか。みんな思ったよりあれに関心があったんだねと言うべきか、単に“大きな事件の犯人が明らかになった”ことに興味があっただけなのか。まあこの内容ならエンターテイメント性が話題を呼んだと言った方がよさそうだね。
…先日ついに生態研究科は戒厳令を発令した。人々は僅か数センチの生物に敗北したのだ。しかし我々はある協力者の力を借りて真相を突き止めることに成功した。…(中略)、杉谷瑞希氏は元本部研究者。史上初の高校生での本部入りを果たした神童であったが、本部施設内に一文路一族の子息を招き入れたことが判明し懲戒解雇。以降は不登校になり消息は不明であった。しかしこの度その杉谷瑞希を名乗る者が我々に寄生虫を造り出した犯人の情報を提供した。寄生虫事件を引き起こした犯人はなんと、杉谷氏を人生のどん底に陥れた一文路の子息、一文路直也であった。このタイミングで杉谷氏が我々に真相を語ったのは自分の将来を台無しにした彼が未だのうのうと生きているのが許せなかったからだそうだ。2人は元々親友同士であったようだが、どこで道を誤ってしまったのか…!?そして我々を混乱に陥れた犯人はなんと高校生であったのが驚きである!
これだけは絶対にしないと決意していたことが、俺ではない誰かによって引き起こされるとは思ってもいなかった。俺の名を騙って証拠もないただの推測を事実に仕立て上げようとした者は一体誰なのだろうか。一文路の敵か、はたまた俺に恨みがある者か。何故俺の推測を知っている。何故このタイミングで。何故俺の名を使った。何故…
「ああああっ!なんなんだよっ!どいつもこいつも!!一体俺が何をしたって言うんだよ!!」
…
「…はぁ。クソッ…、ほんとかんべんしてくれよ…。」
明鏡止水
…「ねぇねぇ、杉谷くんってどこ小だったの?第一?第二?」
「第二だよ。俺同じだった。」
「私も!でも高嶺の花って感じだったー。やっと話す権利を得たって感じ。」
「へー、じゃああたしらラッキーじゃん。よろしくー。」
「女子ばっかりじゃなくて俺たちとも仲良くしてくれよー。」
入学式が終わるとあっという間に俺の斜め後ろの席に人が集まった。その中の1人でもいいから俺とも仲良くしてくれよ、とか俺の斜め後ろが“すぎたに”くんって随分ア行とカ行が少ないクラスだな、とか思った。
俺はああいうキラキラした人たちとは違う。目立たないし目立ちたくもない。正直関わりたくもないし近くでわいわいされるのも厄介だ…。そうだ、どこかに逃げよう。
「あ、そうだ。俺せんせーにお仕事頼まれてたんだった!みんなごめんね、また遊ぼうね!」
「えっ、ちょっと杉谷くん待って!」
「それなら一緒に行こうか?」
「大丈夫だよー、この子も一緒だから!」
「え?」
人々の視線が一斉にこちらに向いた。俺はそのような仕事を受けた覚えはないのだが。無駄に目立ちたくなのに、勘弁してくれ。
「いやぁ、ごめんね。こうでもしないとたぶん逃げられなかったからさぁ。」
「え…?」
「別に俺御曹司とかでもないし、すり寄るメリットなんてないのにねー。いっそ誰も知り合いがいない電子工学研究科とか化学研究科とかの学校行けばよかったかなー。」
「す、擦り寄るなんてそんな…。よくわからないけどみんな君と友達になりたいから話しかけてきたんじゃないの…?」
「そりゃあ俺と“友達”になるために近づいてきているのは確かでしょ。」
友達になりたいと言ってくる人間がたくさんいるのは嬉しいことではないのだろうか。やっぱり人気者が考えていることはよくわからない。
「あーあ、いっそ気持ち悪い奴って評判になればいいのになー。普通噂って悪いものの方が広まるんじゃないの?」
「え、そ、そういわれても…。」
「あーあ、ごめんね別に困らせたかったわけじゃないんだよ。巻き込んじゃって悪かったね。んー、そういえば君って生き物好き?」
「えっ、ま、まあ…好きだけど…。」
「ふーん。じゃあ生き物のための研究ってどう思う?」
「生き物のための…?よくわからないな。例えば?」
「海洋生物の保護とか。」
「へー、変わったことをする人もいるんだね。そっかー、別に人間の役に立たなくても研究って言っていいのか。」
「へ?おかしいとは思わないの?」
「いや?あ、でもそんなの聞いたことはなかったけどね。」
「そりゃあ聞いたことはないでしょうよ。ここでは人間の役に立つ研究こそが全てなんだから。誰もそんなことしようとはしないよ。仮にそういう研究をした人がいたとしてもそれが日の目を見ることはないだろうし。」
「地球の役には立っているのにね。でもなんで君はそういう研究の存在を知っているの?」
「あー…、君になら話しても大丈夫そうかな。それは俺の専門分野だからだよ。」
「専門って…まだ中学生になったばかりなのに研究とかしてるってこと!?」
そりゃ有名人なわけだ。綺麗な顔をしているし、頭も良い。それだけでもうクラスの人気者だろう。もしかして彼は顔と頭脳だけで判断されるのが嫌だと思っているのだろうか。だとしたら少し共感できるかもしれない。
「お金も設備もないから大したことはできないけどね。一応ちまちまと観察・実験を繰り返して得た結果をもとに論文を書いたことはあるよ。それが治さんに褒めてもらえて…」
「治さん?」
「君も知ってると思うよ。御門治さん。」
「御門治…って君この街のトップと知り合いなの!?」
「うん。小さいころから知ってるよ。その娘さんとは幼馴染でよく遊んだし。」
「まじか…。君はすごいね…。」
「しょーじき誇れるものなんてないけどね。みんな本性を見せれば去っていく。まあ俺には俺がいるからいいけどね。」
「そんな…。」
「生態研究科では異端とされる考えを小学生ながら自信満々に語るやつなんて気持ち悪いでしょ。治さんだって俺の研究内容じゃなくて俺の才能を評価しているだけだしね。」
「君はもしかしたら俺と同じかもしれない…!」
「俺が君と?悪いけど同情はごめんだよ。君は目立たないけど普通という取り柄があるじゃないか。」
「いや、俺なんか名乗ったら最後、誰も俺自身を見てくれなくなる。」
「名乗ったら…?なに超有名人か大富豪か、はたまた犯罪者の息子だったりするのかい。」
「ああそうだよ。たぶん全部当てはまる…。一文路はそういう家系だよ。」
「ふーん。そっか、案外俺たち似た者同士かもね。」
そうだ俺たちはお互いに貼られたレッテルを捨てて語り合える唯一の親友だったはずだ。その関係を壊したのも彼の未来を奪ったのも全部俺だ。彼は何も悪くない、全部俺のせいだ。これは当然の報い…。
家の者には止められているがなんとかこの部屋から出て真相を話そう。これ以上隠れていたって意味はない。でも話してどうなる?人々を元に戻す術も知らないし、何をされるのかもわからない。もし家が事を揉み消してくれても瑞希がいなくては結局社会の中で孤立するに決まっている。俺の人生は詰んだも同然だろう。
「…。」
そういえばこの部屋には固く閉ざされたドア以外に出口がある。最近は悪夢のような1日の始まりを告げる役割だけを担っていた大きめの窓。…この高さだと流石に厳しいか。頭からいけばあるいは…。
「あれは…直也さん!?何をしている!その足を引っ込めてくれ!」
「ホルニッセくん!?なんでここに…えっ、」
「直也さん!!」
0
あなたにおすすめの小説
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる