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第二章
第8話『情報共有はまさかの自宅にて』
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和昌の家に辿り着いた一行は、途中で買い物をした飲食物の一部をテーブル上へ広げる。
「そんなに買い込んで来たって事は、各ご飯時もここで過ごすってわけか」
これといって珍しいものではないが、それぞれがそれぞれの買い物袋を持参していた。
その、両手いっぱいに膨れ上がってる事から簡単に予想ができるのだが……。
「みんなって、普段からそんなに食べるの? それとも、真綾に合わせてそうなったの?」
「もーう! 私は大食いファイターじゃないよ!」
「ああごめんごめん。そういった意味を含めて言ったんじゃないんだ。真綾は、食べる事が好きなんだろ?」
「うん」
「だから、いろんな料理をそれぞれが作ったりして食べるのかなってさ」
「なるほどっ! それは大賛成の案だね」
「だろ? って、最初は違う話だったの?」
和昌はどことなく、先ほどから些細な違和感を気にしていた。
会話の節目で、3人はそれとなく目線を外されている。
待ち合わせをしていた場所で話をしている時、道中で珍しく話題がポンポンと切り替わったり、たった今の会話が途切れた時などに。
最初は気のせいかと思っていたが、いよいよそれらは偶然ではない事に気が付いている。
そう、まるで和昌に、とある話題に触れさせたいための如く。
(そうだ、明らかにおかしいだろ)
和昌はしっかりと視界に捉えていた。
集合場所で、3人の肩紐を。絶対に横へ並ぶ事のない徹底さ。
しかし買い物をしている時、確実に視界で捉えていた。
それぞれが持つ、それぞれのバッグを。
真綾はバックパック。天乃は大きめの手提げ鞄。芹那はエナメルバッグ。
「なんでみんな、そんなに沢山の荷物が入りそうな鞄を持っているんだ?」
和昌が核心を突く一言を放ち、3人は顔を合わせる。
言葉を交わしてはいないが、アイコンタクトで「もうここまでか」と諦めた。
最初に口を開いたのは真綾。
「あのですねぇ~、こちらのバックパックにはいろいろな物が入っておりまして~」
「なんで敬語なの」
「そこは気にしないでもらいまして。実は、今日の最終目的は和昌くんの家でお泊り会をしようとなっております」
「はい?」
当然、和昌は初耳である。
次に口を開いたのは芹那。
「やっぱり、みんなでゲームを楽しむんだったら合宿が一番ですよね。それだったら、知識がある人ない人全員が楽しめるから」
「みんなでゲームをするっていうのは楽しいしな」
「そうそう。それに、そこからアニメとかの話題になったりしてさ」
「わかるわかる。趣味を共有している感じで楽しいよな」
「でしょでしょ」
最後に天乃。
「作戦会議といえば、やっぱり他の人に聞かれない場所が鉄板よね」
「それはそうだ」
「念密な作戦を立てるのなら、表情を見ながらできた方が意見を聴きやすいよね」
「間違いない」
3人が言っている事は、そのどれもが間違っておらず、かなり的を得ている。
筋が通っていることもあり、ある程度の人間は理由を納得するだろう。
ただし。
「それで、荷物の言い分は?」
4人が居る部屋に静寂が訪れる。
しかし、その静寂を破ったのは意外にも誰よりも冷静な説明をしていた天乃だった。
「私が言い出しっぺです!」
「ほほう?」
「私が、和昌の家に泊まりたいって言い出しました!」
「ほうほう、じゃあこれから俺の家でお泊り会が始まる――え? 俺の家でお泊り会が始まっちゃうの?!」
3人は、和昌に全てを見透かされていると思っていた。だから今その大袈裟なリアクションに対して、逆に驚いてしまう。
「俺はてっきり、それぞれが持ってきたい物を部屋中に広げられると思ってたんだけど」
「いやいやいや、逆にその展開ってどんなの?」
「いやほら、趣味の共有っていうかさ。部屋を散らかされると思って、どうやって怒ったものかって考えてたんだ」
「まあ確かに……片づけをしていないって言っていた割に綺麗な――というか、そこまで物が多くないから理解はできるけど」
まだまだ3人は和昌に対してツッコミを入れたい気持ちはあったが、残念ながら話は戻される。
「お泊り会って、本当に言ってるの?」
「もちろん」
「うんうんっ」
「まあ、ね」
「それだったら、ますます俺の許可が必要じゃないの?」
「……」
「……」
「……」
「はぁ……わかったよ。だけど、寝る時はどうするんだ? 俺の分しかないけど」
「ともあろうかと思って、寝袋を持ってきてるの」
「準備が良すぎるんだよ」
和昌は盛大なため息を零し、肩を落す。
「じゃあ、何から始めるんだ?」
「ゲームやってみたいっ!」
「いいねそれ。私も賛成」
「まあ、じゃあそれで。昼飯はどうする予定?」
「私も手伝うから、2人で作らない?」
「ああいいけど。天乃はゲームに参加しないのか?」
「芹那が居るからね。私と同じぐらいゲーム好きみたいだし」
「初心者指導はお任せあれ~」
「芹那先生、よろしくお願いします」
(まあたしかに、芹那が俺のパソコンを操作してくれるのは安心できるな。もしも、前の情報が映っても別の方向に話題を持っていってくれそうだし)
和昌と天乃は立ち上がり、買い物袋を台所へ移動させる。
そして最後の工程。
「じゃあパソコンを立ち上げるから」
パソコンの電源を入れ、数秒だけ待った後にログインする。
そのまま和昌は芹那へチラッと目線を送り、アイコンタクトをした。
芹那はその意味をすぐに理解して頷く。
「じゃあ真綾、初めてのゲームをどうぞ堪能あれ」
「ありがとーっ! 楽しみー!」
「芹那、初心者でも出来そうなやつを選択してあげてくれ」
「任せて~。選択肢だけを選んで進むことができる、ストーリーものにするから!」
(おい、それは一番簡単かもしれないが、ハマったら最後。一番ゲームにのめり込んで時間がどんどん溶けるやつじゃん)
ゲーマーだからこそ、その意味がわかってしまう。ちなみに、天乃もまた同じく。
「それじゃあこれ! 真綾くん、ダウンロードしている間にゲームの種類だけでも教えておこう」
「先生、よろしくお願いしますっ」
和昌と天乃は目線を交わし、クスッと笑みを浮かべる。
「じゃあ俺達も、ご飯の準備を始めるか」
「だね」
「そんなに買い込んで来たって事は、各ご飯時もここで過ごすってわけか」
これといって珍しいものではないが、それぞれがそれぞれの買い物袋を持参していた。
その、両手いっぱいに膨れ上がってる事から簡単に予想ができるのだが……。
「みんなって、普段からそんなに食べるの? それとも、真綾に合わせてそうなったの?」
「もーう! 私は大食いファイターじゃないよ!」
「ああごめんごめん。そういった意味を含めて言ったんじゃないんだ。真綾は、食べる事が好きなんだろ?」
「うん」
「だから、いろんな料理をそれぞれが作ったりして食べるのかなってさ」
「なるほどっ! それは大賛成の案だね」
「だろ? って、最初は違う話だったの?」
和昌はどことなく、先ほどから些細な違和感を気にしていた。
会話の節目で、3人はそれとなく目線を外されている。
待ち合わせをしていた場所で話をしている時、道中で珍しく話題がポンポンと切り替わったり、たった今の会話が途切れた時などに。
最初は気のせいかと思っていたが、いよいよそれらは偶然ではない事に気が付いている。
そう、まるで和昌に、とある話題に触れさせたいための如く。
(そうだ、明らかにおかしいだろ)
和昌はしっかりと視界に捉えていた。
集合場所で、3人の肩紐を。絶対に横へ並ぶ事のない徹底さ。
しかし買い物をしている時、確実に視界で捉えていた。
それぞれが持つ、それぞれのバッグを。
真綾はバックパック。天乃は大きめの手提げ鞄。芹那はエナメルバッグ。
「なんでみんな、そんなに沢山の荷物が入りそうな鞄を持っているんだ?」
和昌が核心を突く一言を放ち、3人は顔を合わせる。
言葉を交わしてはいないが、アイコンタクトで「もうここまでか」と諦めた。
最初に口を開いたのは真綾。
「あのですねぇ~、こちらのバックパックにはいろいろな物が入っておりまして~」
「なんで敬語なの」
「そこは気にしないでもらいまして。実は、今日の最終目的は和昌くんの家でお泊り会をしようとなっております」
「はい?」
当然、和昌は初耳である。
次に口を開いたのは芹那。
「やっぱり、みんなでゲームを楽しむんだったら合宿が一番ですよね。それだったら、知識がある人ない人全員が楽しめるから」
「みんなでゲームをするっていうのは楽しいしな」
「そうそう。それに、そこからアニメとかの話題になったりしてさ」
「わかるわかる。趣味を共有している感じで楽しいよな」
「でしょでしょ」
最後に天乃。
「作戦会議といえば、やっぱり他の人に聞かれない場所が鉄板よね」
「それはそうだ」
「念密な作戦を立てるのなら、表情を見ながらできた方が意見を聴きやすいよね」
「間違いない」
3人が言っている事は、そのどれもが間違っておらず、かなり的を得ている。
筋が通っていることもあり、ある程度の人間は理由を納得するだろう。
ただし。
「それで、荷物の言い分は?」
4人が居る部屋に静寂が訪れる。
しかし、その静寂を破ったのは意外にも誰よりも冷静な説明をしていた天乃だった。
「私が言い出しっぺです!」
「ほほう?」
「私が、和昌の家に泊まりたいって言い出しました!」
「ほうほう、じゃあこれから俺の家でお泊り会が始まる――え? 俺の家でお泊り会が始まっちゃうの?!」
3人は、和昌に全てを見透かされていると思っていた。だから今その大袈裟なリアクションに対して、逆に驚いてしまう。
「俺はてっきり、それぞれが持ってきたい物を部屋中に広げられると思ってたんだけど」
「いやいやいや、逆にその展開ってどんなの?」
「いやほら、趣味の共有っていうかさ。部屋を散らかされると思って、どうやって怒ったものかって考えてたんだ」
「まあ確かに……片づけをしていないって言っていた割に綺麗な――というか、そこまで物が多くないから理解はできるけど」
まだまだ3人は和昌に対してツッコミを入れたい気持ちはあったが、残念ながら話は戻される。
「お泊り会って、本当に言ってるの?」
「もちろん」
「うんうんっ」
「まあ、ね」
「それだったら、ますます俺の許可が必要じゃないの?」
「……」
「……」
「……」
「はぁ……わかったよ。だけど、寝る時はどうするんだ? 俺の分しかないけど」
「ともあろうかと思って、寝袋を持ってきてるの」
「準備が良すぎるんだよ」
和昌は盛大なため息を零し、肩を落す。
「じゃあ、何から始めるんだ?」
「ゲームやってみたいっ!」
「いいねそれ。私も賛成」
「まあ、じゃあそれで。昼飯はどうする予定?」
「私も手伝うから、2人で作らない?」
「ああいいけど。天乃はゲームに参加しないのか?」
「芹那が居るからね。私と同じぐらいゲーム好きみたいだし」
「初心者指導はお任せあれ~」
「芹那先生、よろしくお願いします」
(まあたしかに、芹那が俺のパソコンを操作してくれるのは安心できるな。もしも、前の情報が映っても別の方向に話題を持っていってくれそうだし)
和昌と天乃は立ち上がり、買い物袋を台所へ移動させる。
そして最後の工程。
「じゃあパソコンを立ち上げるから」
パソコンの電源を入れ、数秒だけ待った後にログインする。
そのまま和昌は芹那へチラッと目線を送り、アイコンタクトをした。
芹那はその意味をすぐに理解して頷く。
「じゃあ真綾、初めてのゲームをどうぞ堪能あれ」
「ありがとーっ! 楽しみー!」
「芹那、初心者でも出来そうなやつを選択してあげてくれ」
「任せて~。選択肢だけを選んで進むことができる、ストーリーものにするから!」
(おい、それは一番簡単かもしれないが、ハマったら最後。一番ゲームにのめり込んで時間がどんどん溶けるやつじゃん)
ゲーマーだからこそ、その意味がわかってしまう。ちなみに、天乃もまた同じく。
「それじゃあこれ! 真綾くん、ダウンロードしている間にゲームの種類だけでも教えておこう」
「先生、よろしくお願いしますっ」
和昌と天乃は目線を交わし、クスッと笑みを浮かべる。
「じゃあ俺達も、ご飯の準備を始めるか」
「だね」
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