ゲーマーパーティ転移―ゲーム中に異世界へ飛ばされましたが、レベルアップやステータスがあるので俺達は余裕で生き残ります―

椿紅颯

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第五章

第38話『まずは物資を集める作業から開始』

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「実際に見るダンジョンってどういうものなのかな~。やっぱり薄暗くて視界が悪かったりするのかな?」

 アルマ達に教えてもらった店々へ向かう最中、アケミは上機嫌で疑問を口に出す。

「ゲームの世界では、視界が悪いとかなかったからね。もしかしたら、案外ゲームの時みたいに視界良好だったり?」
「なるほど。確かにそれはありえるかも」
「だけど、モンスターってどんな感じにリポップするのかしらね。まさか振り向いたら湧き直している、なんてことにはならないだろうし」
「あはは……それは想像しただけでもホラー展開だね」

 アンナとアケミは愉快そうに話しを続ける。

「あーそういえば、俺が行っ――」
「「い?」」

 あ、やべっ。

「俺が行った、という体でイメトレしたした時は、ダンジョンの明るさは案外普通だったって話そうとしたんだ。大事だろ? イメトレは」
「そうだね。みんながイメトレして、いろんなシチュエーションを想定して出し合って、仮設立てて」
「そうやってあたし達は様々な状況に対処してきた」
「僕達の十八番だね」

 我ながら上手く切り返せた。
 それに、いつも俺達がやっていることにも繋げられたのが一番大きい。
 普段の俺達、ありがとう。

「まあでも、今日のところは深入りしない予定だからそこらへんは後々にしよう。これからダンジョンに向かうっていうのに、足を止めるのは時間がもったいないからな」

 よーし、上手い具合に話を締められた。
 これはさすがにセーフだろ。
 自然とアケミに視線を向けても鋭い目線は感じられないし、謎の勘で口を開くミサヤも呑気に空を仰いでいる。

 そういえば店に歩いているが、みんなはどれぐらいのお金を持っているんだ?

「アルマからの追加報酬を貰ったにしろ、みんなの所持金ってどれぐらいなんだ?」
「僕は8250G」
「私は8300G」
「ボクは8000G」
「あたしは8200G」
「俺は8300G。――大体みんなそんな感じだよな。ミサヤはどうせ、食べすぎたんだろ」
「ボクを食いしん坊みたいに言わないでよーっ」
「いや事実だろ」

 ミサヤはぷんすかぷんすかと足音を大きくして歩いているが、俺らはそれを見て更に笑ってしまう。

 そんなこんなしていると、あっという間に目的地へ到着した。

 ここからはそれぞれが欲しいものを調達する時間。
 目安はないが、大体10分~20分ぐらいで再び集合することに。




 再集合を果たしたわけだが、なるほどそういう考え方もあったのか、と素直に感心する。

「アンナとアケミ……なるほどなぁ」
「あたしはMP回復をする時に、いちいち人目を気にしない用のものよ」
「私も同じね。今は必要がないけれど、後々から絶対に必要だと思ったから」

 アンナとアケミは小さいリュックとマントを購入。
 二人はゲームをしていた時は、よく援護や支援をメインに立ち回り、スキルを巧に使用してはMP回復のためにポーションをがぶ飲みしていた。
 ゲームの時はゴミが出るとか出し入れを気にするとかはなかったが、今の状況を鑑みて最適解を導いた結果なのだろう。
 立ち回りが変われば視点が変わる。
 やはり、こういうのは一人だけの意見で決めなくて正解だったな。

「ケイヤに関しても、なるほどな。そうしてしまえば大量のドロップアイテムを確保したところで不審に思われない。というわけか」
「まあでもさすがに小分けして売らないとちょっとマズいだろうけどね」

 ケイヤはリュックより大きいバックを背負っている。
 鞄のことはあまりわからないが、バックパックと言った方が良いのだろうか。
 小物を入れられるのはもちろん、大量に物を詰め込んでも大丈夫そうな大きさはしている。
 素材に関しても詳しくないため、本当に沢山いれた場合の耐久性はわからないが。
 まあ、実際には何も入れないし、そこまで気にする必要はないだろう。

「ミサヤは、まあ、それなりになるほどな」
「へっへーん。ボクはベルトと短剣二本。これで戦力アゲアゲだよっ」
「ミサヤだからな。まあそうなんだろう」

 本人が言っている通り、ほとんど見た目が変わらず、三人はカモフラージュのために購入した装備だが、ミサヤは一番現実的な買い物をしたと言える。
 他の誰かが同じことを言っていたら、たぶん誰かからツッコミが入っていただろうが、ミサヤの変幻自在な戦闘スタイルは俺ら中では飛び抜けているからだ。
 ゲームをしていた時も、インベントリに複数個武器を持ち歩き、状況に応じて武器を交換して立ち回っていた。
 ちなみに短剣を操るのはこのパーティでは一番上手かった。

 ゲームでは制限があったから、こういう状況下ではどのような作用となるのか気になるところではある。

「カナトは何を買ってきたの?」
「防具だよ。いつ使うことになるかわからないけれど、保険のためにね」
「え、もしかして全身を買ってきたの?」

 アケミの疑問はみんなが同じく抱いているだろう。
 なんせ、今は装備していないから。

「いいや、さすがにそこまでお金は使えないからな。籠手というか、前腕部の両手だよ」
「そうなんだ。盾の立ち回りはわからないからなんとも言えないけど、そこだけで大丈夫なの?」
「普通に考えたらほとんど意味はない。だが、もしも自分よりも格上……力が強い相手と戦いになった場合、自分の腕力を補強してくれたりする。あれだな、簡単に言うと盾の部分を少し伸ばしているって考えてくれれば良い」
「あーなるほど」
「んまあ、これは保険だからな。だが、緊急事態は緊急の時にしか起きないから、備えておけば役に立ってくれるだろう」

 当たり前のことだが、それ故に忘れがちなことでもある。

「――じゃあ、初のダンジョン攻略に行くか」
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