ご令嬢は年下幼馴染みに求愛される〜保護者のつもりでいたのに、立場が逆転したみたいです〜

星井ゆの花

文字の大きさ
3 / 9

03

しおりを挟む

 突然現れた謎のイケメンは、何を思ったか私の姿を確認するや否やプロポーズをかましてきた。ちょっと待ってよ、いきなりプロポーズ? 何ソレ。
 こんな超絶イケメンからプロポーズされるなんて、ありえないんですけどぉ~!

 しかしこちらは辺境の令嬢とはいえ一応は貴族の娘。突如目の前に現れた未知のイケメンに「ありえないんですけどぉ~」なんて、馴れ馴れしい言葉遣いで語りかけるわけにもいかず。一応は丁寧語を交えつつ、何かしらの誤解を解くことに。

「あっあの、一体どちら様でしょうか。私なんかに、プロポーズするなんて。エイプリル・フールはもう終わっていますよ」
「……そ、そんなっ。オレ、アリシアお姉ちゃんをお嫁さんにするために、全身全霊をかけて努力して大人っぽくなったのにっ。まさか、オレのこと忘れちゃったの」

 ちょこんと首を傾げてイケボとともに、甘えるような仕草で子犬のような目で訊ねてくるイケメン。

(あざといっあざといよ、このイケメン! そんな甘い声で首ちょこんされたら、誰でも落ちるっつーの)

 推定身長180センチ前後、体重63キロといった感じの絵に書いたようなイケメン君は、まるで私とイケメン君が懇意の中のような言い回し。イケメンの明るい薄茶色のオシャレふんわりヘアがふわっと風に揺れて、地味目女子の私とは正反対の煌びやかなオーラを発している。

「忘れちゃったのと申されましても、あいにく男の方とご縁のない生活を送っておりますゆえ。あなたのような美青年とは、お会いするのも初めてというか」

 悪くいえば地味、よく言えばお上品な深窓のご令嬢という基本設定を守り抜くため、私はイケメンに対して敢えて『美青年』というちょいおかためな表現方法を採用した。

 すると私とイケメンのやり取りを遠巻きで見守っていた私のお父様が、「はははっ」と豪快に笑いながらこの場に混ざってきた。私がイケメンに対してあまりにも素っ気ない態度を取っているから、フォローに入って来たのかも知れない。

「アリシア、なんだまだ気がつかないのか。まぁあまりにもカッコ良く成長してしまったから、気づかなくても無理ないか。お前の幼馴染みのリチャード君だよ、ほれ一歳年下のあの」
「えっ……リチャード君? あの天使がそのまま実体化したような、ふわふわキュートなリチャード君? このモデルや俳優顔負けの超絶イケメンがっ」
「うむ。お前も深窓のご令嬢で誰がどう見ても美人からといって、あんまり男を遠ざけていては嫁ぎ先に困るだろう。良かったな、リチャード君がいて……おい、アリシア聴いておるか?」

 思わず地味系女子という基本設定を忘れて、驚きのあまり呆然とする。神様……本当にこのイケメンがあのリチャード君だとおっしゃるのですかっ?
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

身代わり令嬢、恋した公爵に真実を伝えて去ろうとしたら、絡めとられる(ごめんなさぁぁぁぁい!あなたの本当の婚約者は、私の姉です)

柳葉うら
恋愛
(ごめんなさぁぁぁぁい!) 辺境伯令嬢のウィルマは心の中で土下座した。 結婚が嫌で家出した姉の身代わりをして、誰もが羨むような素敵な公爵様の婚約者として会ったのだが、公爵あまりにも良い人すぎて、申し訳なくて仕方がないのだ。 正直者で面食いな身代わり令嬢と、そんな令嬢のことが実は昔から好きだった策士なヒーローがドタバタとするお話です。 さくっと読んでいただけるかと思います。

【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。

朝日みらい
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。 宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。 彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。 加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。 果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?

「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します

スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」 眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。 隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。 エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。 しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。 彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。 「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」 裏切りへのカウントダウンが今、始まる。 スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!

老伯爵へ嫁ぐことが決まりました。白い結婚ですが。

ルーシャオ
恋愛
グリフィン伯爵家令嬢アルビナは実家の困窮のせいで援助金目当ての結婚に同意させられ、ラポール伯爵へ嫁ぐこととなる。しかし祖父の戦友だったというラポール伯爵とは五十歳も歳が離れ、名目だけの『白い結婚』とはいえ初婚で後妻という微妙な立場に置かれることに。 ぎこちなく暮らす中、アルビナはフィーという女騎士と出会い、友人になったつもりだったが——。

物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜

丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。 与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。 専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、 失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。 そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、 セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。 「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」 彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、 彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。 嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、 広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、 独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。 栄養と愛情を取り戻したセレナは、 誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、 社交界で注目される存在となる。 一方、セレナを失った伯爵家は、 彼女の能力なしでは立ち行かず、 ゆっくりと没落していくのだった――。 虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。

身を引いたのに、皇帝からの溺愛が止まりません ~秘された珠の還る場所~

ささゆき細雪
恋愛
五年前、内乱の混乱のなかで姿を消した最愛の妃・白瑤華(はくようか)。 彼女を失った皇帝・景玄耀(けいげんよう)は、その後ただ一人を想い続けながら執務に追われていた。そんなある日、書類に彼女の名前を発見し、居ても立っても居られなくなる。 ――死んだはずの彼女が、生きている? 同姓同名かもしれないが確かめずにいられなくなった彼は地方巡察を決行。そこで、彼によく似た幼子とともに彼女と再会、地方官吏として働く瑤華と、珠児(しゅじ)を見て、皇帝は決意する――もう二度と、逃がさないと。 「今さら、逃げ道があると思うなよ」 瑤華を玄耀は責めずに、待ちの姿勢で包み込み、囲い込んでいく。 秘された皇子と、選び直した愛。 三人で食卓を囲む幸福が、国をも動かすことになるなんて――?    * * * 後宮から逃げ出して身を引いたのに、皇帝の溺愛は止まらない――これはそんな、中華風異世界ロマンス。

冷遇妃ライフを満喫するはずが、皇帝陛下の溺愛ルートに捕まりました!?

由香
恋愛
冷遇妃として後宮の片隅で静かに暮らすはずだった翠鈴。 皇帝に呼ばれない日々は、むしろ自由で快適——そう思っていたのに。 ある夜、突然現れた皇帝に顎を掴まれ、深く口づけられる。 「誰が、お前を愛していないと言った」 守るための“冷遇”だったと明かされ、逃げ道を塞がれ、甘く囲われ、何度も唇を奪われて——。 これは冷遇妃のはずだった少女が、気づけば皇帝の唯一へと捕獲されてしまう甘く濃密な溺愛物語。

婚約者は冷酷宰相様。地味令嬢の私が政略結婚で嫁いだら、なぜか激甘溺愛が待っていました

春夜夢
恋愛
私はずっと「誰にも注目されない地味令嬢」だった。 名門とはいえ没落しかけの伯爵家の次女。 姉は美貌と才覚に恵まれ、私はただの飾り物のような存在。 ――そんな私に突然、王宮から「婚約命令」が下った。 相手は、王の右腕にして恐れられる冷酷宰相・ルシアス=ディエンツ公爵。 40を目前にしながら独身を貫き、感情を一切表に出さない男。 (……なぜ私が?) けれど、その婚約は国を揺るがす「ある計画」の始まりだった。

処理中です...