ゆるゆる王様生活〜双子の溺愛でおかしくなりそう〜

琴音

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五章 僕のこれから

7.色んな所に行き放題

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 出産から早三ヶ月。月日の経つのは早い。僕は高齢だったからかやっと元に戻り執務もバリバリ。来年には引退予定でフェリクスをしごく。

「母様?」

 フェリクスはもう!

「執務室では陛下かかルチアーノ様で」
「失礼しました。これなんですが……」

 もう教えることなどないに等しいけど近くにいれば助けられるからね。でも僕らはもう午前中くらいしか働いてはいない。

「ルチアーノ支度はいいか?」
「うん」

 いいなあ母様たちだけ温泉?その後はドナシアンに行くの?もう働く気はないんだね……とフェリクスとエルネストと昼食を取りながらずるいと言われた。エルネストは家臣だけど特例で僕らと食事を取っている。きちんと宰相になったらやめようってなってはいるけどね。

「当たり前でしょ?父様たちはもう五十に近いし、アンベールは一人でやってるよ」
「そうだけどさあ」

 セレスタンから引き継ぎアンベールは頑張っている。そのセレスタンは引き継ぎ後イアサントの領地には帰らずドナシアン城で遊んでいる。既に六十はゆうに超えてるけど研究が楽しいと王族の私棟から出ては行かなかった。

 執務には一切関わらず勝手に楽しんで、たまにアンベールの子やコランタンの子と遊ぶだけ。ほぼ図書館に住んでいる。そんな状況だからと図書館の近くに私室増設して、移動を楽にしてあげたとアンベールから連絡があった。

「あのジジィ元気だな」
「ああ、まあ親みたいなもんだから長生きはして欲しいもんだ」
「そうだね。たくさん助けてもらったしね」

 母様たちも長生きして下さいと二人に言われ、嬉しくなった。翌日二人と午後のひだまりの中、引退したサミュエルたちと共に騎獣に跨り昨日の話をしながら、

「僕らも元気にね!」
「おう!」

 サミュエル他みんな引退した騎士たちに引率されて温泉地に向かう。そう、あの頃の近衛騎士たちだ。彼らは僕ら専属で残ってもらっている。だから外出も多くなっても彼らがいるから安心。

「我らは年は取りましたが、まだまだ現役に遅れは取りませんよ!うはは!」
「うん!サミュエルが強いのを知ってるよ」

 そう……そこらの冒険者では勝てないと思う。流石に今の団長には体力的に無理だけど、他の者には負けはしない。他の騎士もそう。老獪だからね……卑怯とも言うな。

「ルチアーノ様!それは違いますよ!年の功です!」
「ごめん、ルイゾン!」

 うははとみんなで笑いながら温泉に到着。

「いらっしゃいませ。ルチアーノ様」
「久しぶりだね!ジヤゾン!」

 そう……ギヨームはつい先日亡くなった。八十を超えて家族に看取られながら神の元へ。だいぶ前に引退はしてたけどたまに来るといたんだよね。遊びに来てたと言ってたけど、僕らとの遭遇率が異常で会いに来てくれてたんだ。だから執事としててはなく客として一緒によくすごしていたんだけど、ある時から会わなくなって……もう騎獣に乗れないって。お見舞いにも行って顔を見てたけど先日……

「こちらにどうぞ」
「うん、ありがとうジヤゾン」

 ジヤゾンはギヨームの類籍の方だ。そう、ギヨームの家系の人がここの管理者になるから似てて少し似てて……ちょっと感傷的になった。

 僕らも若いときみたいに暴れたりはしない。温泉入って美味しいもの食べてお庭でぼんやりしたり、街で遊んだり。まだ王様だけど遊べるって最高!

「ルチアーノ」
「ん?あれ?ステファヌは?」

 ん~?チュッ……したいんだとチュッチュッと首筋に唇が……

「んふふっ来て」
「おう」

 この間の反省からうなじにまずヌリヌリ。もう産まない方がいいと先生も言ってたからね。回復がこれほど遅れるのは身体の負担が強くなっている証拠で、魔力量とか濃さとか全く関係ない部分だから過信するなと。フェリクス様が引き継いで安定するまで生きるんでしょ?ならばと魔物のような表情の顔を近づけて言われた。怖かった。

「あっ……んん……」
「たまにはゆっくりしようぜ」

 身体を撫で回し乳首をネロネロと舌で捏ねて……あん……あっジュスランにしては長く愛撫され……んはぅ

「前も後ろも漏れてお前はもう……」
「あ…はあ……だって……」

 脚広げてねろんってちんこを舐めると咥えて舌でぬるぬる。うう……

「ジュスラン……出ちゃうよそんなに舐めたら」
「出せばいいだろ?」
「くっ!ううっ!」

 ドクドク……あはぁ……久しぶりのセックス気持ちいい。ここに来るまでしてなかったんだ。

「美味いなお前のは」
「ジュスランのも甘くて美味しいよ?」
「そうか……俺もうムリだから」

 身体を起こしてずぷぷっ……ああん!気持ちいい……

「あはは、やっぱりお前がいい。誰よりもお前とが一番いいよ」
「そう?」
「ああ。本当はな、俺たちにもお前のベルンハルトみたいなヤツが現れるかと思ってたんだが、この年まで現れはしなかったよ」

 入れたまま動かず味わっているようだ。ビクビクしているちんこを感じる。

「そうだね。彼は新しい番だよって来るかと思ってたんだけどね」

 ふふっと蕩ける顔で、

「俺もこれだけ抱けば誰か出てくるかと思ったんだがな。いやしねぇ」

 ステファヌも同様に現れなかった。僕もベルンハルトとは王としての付き合いが主だけど、年に何度かアレはやって来て、僕を抱き潰して喜んで帰る。今やイケオジとして国民に愛されている元王だ。
 我が城にも滞在中は見境なく食い尽くしている。でもね、抱かれた人は喜んでて、年取ったら……モテてる。そんな振る舞いに現王は好きなだけ種まけと放置されてるらしいんだ。それもどうなの……あの国、分からんね。

「動くぞ?」
「うん」

 ゆっくりと……段々激しく……あッあんうん…堪んない!

「あ~ダメだ出る。グッウッ!」
「ああ!僕も!いやああ」

 噛まれてするのは堪んないね。翌日はステファヌと楽しんで二泊三日の旅。騎士たちの番も愛妾も連れてきてるから、彼らも楽しんで城に帰還。
 一週間後にフェリクスも連れてドナシアンに視察。彼は魔力を濃くしなければならないからだ。だけど本当は僕は嫌で仕方ない。彼の番にも申し訳ないしね。あと僕は聞きたい事があったから付いてきたんだ。

「では行ってきます!」
「はい。君は番持って初めてのお召だ。心を強く持ってね」

 んふふっとフェリクスは笑い、

「俺はあなたとイアサントの子ですよ?大丈夫!」

 ほほう、帰って来てその言葉が言えるかな?

「ジュスランあんな事言ってますが?」
「好きにさせろ。行けば分かるから」

 ステファヌもバカは体験すれば分かるさと、冷たい目で送り出した。
 その間僕らは図書館に向かい、セレスタンとウジューヌとお茶会。アンベールは俺の指導がよくてみんなに慕われて、それはそれは立派な王になったと胸を張る。

「確かにその通りですね。僕らでは甘やかしてしまって……」
「あはは。だな、あれは。フェリクスはお前らの若い頃のようだよ」
「あはは……面目ない」

 そこにアンベールも合流。

「母様!ああ母様だ!」

 挨拶もなく駆け寄り抱きついて、母様~いい匂いとか言って幸せそう。番の彼もよかったですねと微笑む。う~ん、番は洗脳済みか。

「アンベール……お前中身は変わってないな」
「あっ……セレスタン様、すみません」

 さっと離れて番の隣のソファに座った。

「まあ、いいがな。お前らの子育てはどうなんだろうと最近思うよ」
「すみません……」

 僕は恐縮してしまった。だが……親の愛情を真っ直ぐに受けた子供は素直で実直だ。それは俺も感じたんだ。だから完全には否定は出来ないと眉間にシワを寄せた。

「コランタンは来ないのですか?」
「ああ、近くの森で野営訓練でいないんだ」
「え?未だに一線で?」
「いやいや、指導のためだよ。団長が変わったばっかでな」
「ああ、そういう」

 このあたりの国では団長職は四十の半分くらいで引退する事が多いんだ。体力的なものでね。短期決戦なら強いんだけど、持久戦とかに耐えられなくなる。でもたま~に五十過ぎても現役がいる。そうサミュエルだ!アレは体力のバケモンだった。

「母様、いつまでいるの?」
「ん?フェリクスの都合で十日で帰るよ」
「うそ!短か!」

 なら急いで俺の子見てってね!あのね、母様と同じ色の髪の子が生まれたんだよって。

「へえ!ジュスラン、ステファヌ!」
「よかったな。お前に似てて」
「うん!」

 僕の外見はこの国では受け継がれないのかと思ってたよ、嬉しいな。そんな感じで談笑していたら、トボトボと目が死んで、魂が抜けたようなフェリクス登場。みんな察して何も言えず。

「お……おかえりフェリクス?」

 ジュスランがどうにか声をかけたけど、ああ……と気の抜けた返事をしてソファにドカッと座り下を向いた。

「ほら、飲みな」
「うん……」

 こうなるよなあとみんなで見つめてたらいきなり叫んだ。

「うおおおお!母様ごめん!俺が悪かった!ルイゾンごめん!うわあああ!」

 と、僕に抱きついてプルプル。まあ、理解出来てよかったよ。

「ねえ母様、これまだ続くの?」

 顔を上げて情けない目で僕を見る。

「うん、僕が天に召されて、また魔物出たら困るでしょう」
「うげぇ……あ、それとこれ貰った」

 ゴソゴソとポケットから僕に小さなオーブをくれた。ルチアーノが来るか分からんからと預かったって。

「行くつもりだったけど……なんのオーブ?」
「これは魔力の濃さを計測するオーブだって。子供が産まれたんだろ?なら測ってみろって」
「ああ、それで」

 オーブを繁々と見ているとセレスタンの目がギラリと光った。

「見せてくれないか、ルチアーノ」
「ああ、はいどうぞ」

 僕はセレスタンにオーブを渡すと繁々と眺めた。

「フェリクス、これどう使うんだ?」
「ああ、魔力量と同じで握り込めばいいらしいです」
「ふ~ん」

 グッと握りしばし。手を広げると黄色っぽい、薄い緑色をしていた。

「フェリクスこれは?」
「あ~赤が一番魔力が薄くて、深い緑が一番濃いらしいですね」

 赤からオレンジ、黄色、黄緑、緑、深い緑と色が変わるそうだ。

「黄緑っぽいって事は中間くらいか。ふん……やはりもう少し通わなくてはならんな」
「え?叔父上行くの?」

 みんな驚いたけど、ウジューヌ様は諦めたような顔に。

「好きになさいませ」
「うん……後は体力だな……う~む」

 いやいや……ジジィすげぇよ。研究者とはこういうものなのか?おおぅ……

「母様は魔力の濃さはもう大丈夫って言われてるけどなんの用事があるの?」
「いや、これが解決のものだよ。赤ちゃんの濃さを見たかっただけなんだ」
「ああ、なら行かなくてもいいのか」

 いや、あいさつには行くよ、先祖だもの。お墓参りみたいなもんだよとフェリクスに言う。

「母様はそういうのマメだよね」
「いやあ、それは大切でしょう?」
「そう?」
「そうだよ。彼らは知識の塊だし、これから先もお願いって頼むんだよ」
「ふ~ん」

 あ!そうだ。母様亡くなったらオーブに入ってよ!そしたらいつでも会える!うふふ……んふふっ……目がマジで怖えぇよ。

「なら俺たちも入らないとな」
「おう、そうだな」

 お前ら何いってんだ?オーブが人だらけになるだろ?とセレスタンは呆れ顔。

「いいえ。あなた、私はそんなに入りたい人はいないと思いますよ?」
「ウジューヌなぜだ?」

 ウジューヌは私は嫌ですかねと。

「だって永遠の時を生きるんですよ?相当の覚悟がないと厳しいと思いますね」
「おおそれもそうだな。なら俺はやめておこう」

 セレスタンなら入りたがるかと思ってなぜだと聞いたら、

「俺はこの世が良くなるために研究してるんだ。だからオーブの中では知識は貯まるが使い所はないし、現世に触ることも出来ない。だから行く意味はないな」
「ふむ、確かにそうですね」
「だろう?後進のためって言うより、俺の満足のためにやってるからな」

 やはりセレスタン、潔い考え方だね。だからこの叔父上は尊敬出来るんだ。この後少ししてお茶会はお開きで、セレスタンはこの後はアンベールと勝手に過ごせ、帰りに声を掛けてくれればいいと言われた。研究の邪魔はするなと。あはは……どこまでもセレスタン。



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