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三章 自分を知ること
12.先の話を少し
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執務室の応接セットに座り、父上より先に来てカミーユと待った。
「何があったの?」
「分かんない。僕の話しに何かを感じたようだけど、それしか」
「そう」
少しすると父上が待たせたと入って来た。何なんだろうか、何か考えているような感じだったけどさ。僕の話におかしなところでもあったのだろうか。
「悪いな。さっきの話を詳細に聞きたくなったんだ」
「はい」
父上は話しを聞いて、俺がやれることはたくさんあるのでは感じたそうだ。
「でな、まずお前は婿に行くのか、それともカミーユを嫁に貰うのか。手続き上どちらだ?正式な婚姻は済んでいるのか?」
そこから?何が聞きたいのかは不明だけど。
「正式な手続きはまだです。それに僕の方が身分は低いので婿の予定ですね。戸籍の書類にサインはしましたが、結婚式後の変更のはずです。ですので今は婚約中扱いかと」
カミーユも我が国の一般的なやり方はそうだ。だが、今回はすでに一緒に暮らし数ヶ月。結婚式より前に一緒に住むことなど本来はないため、夫婦同然の扱いはされていると説明した。
「そうか。これからの領地に自治権があるなら、逆にならないか」
「え?」
カミーユと見合った。なんで?そんなのどちらでもいいだろうと僕は考えた。王家の直轄地だしね。
「なぜですか」
父上は先程の話しなら、お前は家名のモートンを名乗れないだろうって。
「そうですね。カミーユの家名に変更になりますね」
「だろう。お前は正式に俺の子になれ。アルカイネを名乗れ」
はあ?
「それでは母の不貞が公になります!」
ならん、俺がフィデルを妻にするから。お前はその子だから養子と書類上なるんだって言う。でもさ、この付き合いが薄くなったこのご時世で、変な疑いを持たれたりするかもだし、そうなると僕の国籍が変になる。他国の貴族が領地を持つなんて、侵略と取られはしないだろうか。
「おかしくはないだろう?」
「それは……ですがそうなると僕の所属がこちらになって、領地どころか国にいられません。結婚も反故にされかねませんよ」
そんな事はないさと自信たっぷり。
「そこは事件を起したから国に報いたいとか、適当な理由付けて押し通せ」
「はあ?」
また無理なことを平然と言うよ。そんなのが通るのかな。まあ聞けって。
「カミーユは外に嫁に出せないだろ?王の予備だからさ」
「グッ」
その言い方にイラッとした。彼は物じゃない!
「父上、その言い方は酷いです。カミーユはひとりの独立した個人です。物のように言わないで下さい」
彼はカミーユに目をやった。
「事実だろ。なあカミーユ」
「はい。その通りです」
「カミーユ?」
僕は驚いて隣を見た。平然とその言葉を受け入れている。そして庇ってくれてありがとうって。
「でも事実だよ。どんなに言葉を飾っても、それは変わらない僕の存在意義だ。過去に不審な死を遂げた王がいなかったわけじゃない。それがどういう意味を持つかキャルも分かるよね?」
「うっ……うん」
カミーユは賢いなと父上。僕には感情を入れるなと𠮟られた。
「公爵の身分はもぎ取れ。どんな事をしてでもな」
「ああ、それは大丈夫です。カミーユが妻で、書類上は直轄地扱いですから、問題なく受け入れられれば可能です」
「ならばよい。でだ、ここからが本題」
「はい」
父上は完全に領地を物理的に隔離してやるって。俺が後ろ盾になってやると。そして誰にも口を出させない、ふたりの領地にしろって。
はあ、それもう国だろう。民の出入りもあるだろうし、他の貴族もそんな形には文句を言うはずだし、僕は封鎖のようなイメージを持った。それでは成り立たないんじゃ……
「そちらの王と詰めないとだが、家臣もこちらから全部出す。不安要素は排除だ。領地も魔法全開で作り、出入りも制限する」
「ええ?」
ふたりで驚いてしまった。そんな事出来るの?人の出入りなんて制御出来るものではないよ。呆然として頭が止まった。
「驚くことはない。こちらから魔法使いを派遣するから。それにお前はこちらの貴族と同等の魔力を有する。問題ない」
いやいや使い方知らないよ。何の訓練も勉強もしていないんだぞ。簡単に言うな!
「そんなものはおいおいでいい。派遣した者に習えばいいんだ」
簡単だよと言い切る言葉に呆然。そんなに簡単じゃないだろうよ!
「簡単に言ってくれますね。僕は大人で、子供の頃から強い魔法を使っているわけじゃない!僕が出来る事なんてたかが知れてる。それに僕は光属性ですよ?武力とかには役に立ちません!」
ふんと。実例はいくらでもある。出来るよって、騎獣にも乗れたろって。
属性は何か極める時に必要になるんだ。お前の場合なら薬師、医師になるとかかな。なる気がなければ関係ないって。おお…ぉ……ぅ
「魔法ありきのやり方を学べばいい。カミーユがキャルの不足の武力強化に騎士に混じって訓練すればいいさ。属性にあったやり方があるからさ」
「はい……でも出来るのかな」
不安な言葉は無視されて、土地の収益の元は何だと言われた。
「国内の薬草の産地で、八割がうちの地で作っています。野菜、家畜は領内消費がほとんどのはず、他所に売る用ではないですね」
「そうか。ならば収益はそれだな」
「はい」
こちらで現地調査はさせてもらう。そして他国に売る販路を提供しようと言われた。
話しの展開が早いな。父が死んでから僕は自分の領地を把握しようとしたんだ。まだ分かりきってないんだけどな。屋敷の記録とかまだ読んでないんだよ。
「どのくらい生産されているかわかりません。今の現状を完全に把握はしていないのです」
「ならばそこからだな。お前が帰るのは二週間は先、無理なら滞在を伸ばせ。それまでに出来る手配はするから、屋敷は帰れば出来ているのか?」
「その予定です。今のカミーユの屋敷を見本に作り替えているはずです」
うむと。ならばやるなら早いほうがいいな。父上は紙に何かを書き込んでジョナサンに渡した。
「十日、遅くとも二週間以内で結果を報告しろ」
「はっ」
紙を手にジョナサンはザッと読んで、納得したように足早に出て行った。なにするの?ものすごく不安だ。
「お前が帰る前に手配を済ませる。帰ったらしばらく休む暇はないと思えよ」
「あの、何をされるんですか」
父上は楽しみにしていろ、悪いようにはしないからと、座り直してお茶を啜る。
「俺の力を全て注ぎ込んでやる。お前が管理しやすいようにな。金も人も心配するな」
「はあ」
腕組みしてドヤ顔で更に不安。僕らを置き去りに話が進んでいく。
「父上、僕の意向は聞かないのですか。僕らの領地なんですよ。やるのは僕らです」
何いってんだかと困った子を見るようになった。なんでだよ!
「お前は領地をどう運営するか知っているのか」
それは耳が痛い。もげそう……
「いえ、これから不足分を習う予定です」
「カミーユは?」
「ぼくは国の運営、王としてのものしか……」
遅いなと。お前は不遇な者も保護する使命があるのだろう?王に頼まれているのだろう。ならば領地の整備は早い方がいい。
アセベドがいなくなったことで貴族たちは混乱していただろう。これからその者たちの動きは不明だ。悪くなる事を想定をしておかなくてはならないんだと厳しい表情だ。
実は国が欲しい、王になりたいって者が紛れていてもおかしくないんだ。お前の父がいたから表に出なかっただけかもしれないんだぞと。これは今から父上が調べるそうだ。
なんだろ、これが父上の領主の顔かと思った。相当長期の事は無理だが、ここ数年くらいの短期の予測を想定し、さらなる先も考えているんだと感じた。
僕は今目の前の問題を解決することしか考えずにいて、先など考える余裕などなかったからだ。目先を潰していくしか……
「キャル、危機管理を甘く考えるな。何があっても民を守るのが領主の仕事だ。安心して住める地を提供するのがこちらの役目。あちらはその地で物を生産し、税を収める。それで国、領地が回るんだ」
「はい」
そうだ、これからふたりで運営していくなら必要なこと。父上が全部整えるのならば、我が国のやり方では出来はしないだろう。それならば。
「申し訳ありませんでした。でしたら明日から少しでもいいので、そういった講義をしていただけませんか。帰って困らないようにしたいのです」
父上の真面目な話しに、ふわふわ考えていたのを恥じた。王が助けてくれるんじゃないかと漠然と考えていたんだ。
だけだよく考えれば、こちらが信用出来る者を引き抜くと王家が困るんだよ。味方は少なく、余裕なんかないんだ。
「分かった。明日から出来るようにしてやる」
「お願いします」
でもなあって顎を擦った。
「やり方は多少国によって違うかもしれないから、そこは摺り合わせろよ」
「はい」
時間いっぱいまで話し合いは続き、僕もカミーユも知識が圧倒的に足りないのを自覚した。
カミーユは国を動かす事しか習ってなくて、領地の事は簡単にしか習ってない。僕は真っ白、ふって湧いた領主の地位なんだ。跡継ぎでもなく、父に付いて遊び半分の視察しか経験はなく、貴族との付き合い方すら怪しい。
母の兄が疑われた理由がよくわかる。これでは疑うのは当たり前、僕の場合本当に能力がない。
父上は、そんなのはやっていれば理解出来るから問題はない。そこじゃないんだと言う。
それ以外に何があるんだよ。それが全てだろ?
「そこじゃないんだ領主ってさ。仕事は家臣が動けば回るんだ。その家臣の信頼と尊敬を手に入れねば、もしもの時に困る。共に戦ってくれる気持ちを手にしなければならないんだ。王は当然だがな」
カミーユはビクッとした。それがないからこうなったんだようちの国、王がそれを持っていれば立て直せたんだとうなだれた。
「父様にはそれがなく、先代もその前も。遠い過去の先祖が残してくれたものを、さも当然だと、王族だからと受け取ってなぞってただけなんだ。だからこんな事に……」
父上はさもありなんって態度でカミーユに話しかけた。
「カミーユ、うちも歴史は長い。だが王は民に慕われているんだ。なぜだと思う?」
えっとと考え込んだ。そうだ、どの国だって順風満帆に行く時代ばかりじゃないはず。
「王そのもの、人物の魅力を発揮してるからですか?」
「その魅力とはなんだ?」
「え……っと……」
カミーユは言葉に詰まった。僕も一緒に考えていた。
「分からぬか」
父上の言葉にカミーユは答えられなかった。
民が王を慕うのは何を持ってしてか。直接対峙するわけでもないのに、好かれるとはどういう事か。民のためを思う施策があるかどうかかなあ。それに民が感謝するかどうか……かな。カミーユが黙ったから僕が思いつくことを話した。
「民のためになる施策や、政策を策定し、それをきちんと実施する。当たり前のことを当たり前にやる事。それを王がやったんだとアピールもする。ですか?」
父上はまあなあと頷き、半分なって。
「それだけじゃ足りないんだ。民にはそれでいいが、後は貴族との付き合いだな。手を貸し合うくらいには良好にしておかねばならない。その様子に他者も、そこまで慕われているならば信用出来るかもと動く。そしてそれが広がり循環する」
「そうか……仲間は多いほうが動きやすいですね」
それは小さな集団ですらそうだ。家の中の単位、最小は夫婦。その夫婦の有り様が家の中を華やかにし、自分たちに良くしてくれるなら、この人たちならばと付いてくる。
「アセベドは悪い方にだが、それが出来ていたんだ。それが人物の魅力になる」
確かにな。じゃなければここまで国は荒れない。父に対する恐怖もあっただろうけど、賛同するということはそう言うことなんだろう。
「この人になら、我が人生を預けてもいい、損得ではないと思わせねばな。生まれつき持ち得るのが理想だが、努力でも手に入るものだ」
王も全くない訳でもないから、味方はいる。でも、その家臣も少なく何の提言も通らない。
やり方が間違っているとは思えないが、強く出ても付いてこないのは、損得以上のものが王にないから……
「僕は出来るでしょうか。もしくはカミーユは出来るでしょうか」
父上が答える前にカミーユが、
「キャル、ぼくには無理だ。自分の事は自分が一番知っている。性の属性は関係なく、王たる素質がぼくにはない。人の上に立つことが無理なんだ」
「カミーユ……」
真剣な顔ですまないって。王族に生まれても持ち合わせない者もいるんだよって。
父上はこちらではアンの当主は結構いるし、王になったものさえいると。現王はアンで愛らしい雰囲気だが頭脳は明晰、ちょっとした揉め事、抗争も含め、自分が出ていって収めたりしているそう。ほかのアンの領主も危険を顧みず、民を、家臣を守るために他国に強く抗議することも厭わない。
「少し感情的に動くが、家臣思いのいい人が多いよ。あ~カミーユは騎士は楽しいか?」
「はい……」
どこまで話そうか悩んでいるように見えた。口を強く結んで深く息をはいた。
「見栄はっても仕方ありませんね。出来るのと好きは別です。以前に例え話をしましたが、文官、後方支援向きと思っています」
「やはり。性格的に向かないように俺には見えたからなあ。本人が自覚していると言う事は、同じ様に周りも見ているだろう?」
「はい」
父上はお茶を口にし話しを続けた。
「キャルの報告書や、俺がこの滞在期間、キャルを見ていて思うのは、親の贔屓目を差し引いてもやれるだろうと思うね」
うわ~買いかぶり過ぎ。父上の案にドカッと座っていれば家臣が動いてやれるだろうけど、その威光が無くなった後を考えるとゾッとする。その間にその魅力とやらが身につくのか?こわっ!
「キャルはなあ、俺が用意してもなんだかんだ動くと思う。与えられたもので満足はしないだろうって」
「あはは、僕は面倒臭がりですよ。楽な方がいいから動かないかもしれません」
ほうと一言、次第にによによ。この含みのあるによによ嫌い。
「ならなんでカミーユを妻にしようと思ったんだよ。王族の伴侶なんて面倒臭いの極みだろう」
「ゔっ」
改めて考えればそうだ。なんであの時いいって言ったんだろうか。賑やかなのが好きな僕が、カミーユとふたりっきりで生涯を共にしようなんて。
横のカミーユをじっくり上から下まで舐めるように見た。彼はなに?って目じりを下げて困った顔で微笑む。
あ~あ思い出した。この笑顔が全てをチャラにしたんだ、この笑顔が見ていたくて心が動いたんだった。僕ちょろいな。
「父上、かわいいは正義です。他はどうでもよくなりました」
僕は言い切った。
父上は一瞬唖然としたけど、わははと盛大に笑った。
「そうか。カミーユよかったな」
「はい!」
顔を真っ赤にして照れて、僕が好きって全身で言ってくる彼が愛しい。もうそれでいいんだよ。カミーユが僕の隣で笑っててくれればそれでいい。
「ならば、カミーユのためにも頑張れ」
「はい」
話しは尽きないが時間になりお開きに。そして午後にはライリーの屋敷でお茶会だ。
馬車で移動がないから昼食後はギリギリまで部屋でのんびり。
移動の魔法陣は便利だよね。世の中いい人だらけだったのなら悪用の心配もなく、これほど便利なものはないと僕は思った。警戒しなくていいならなあなんて、無理だけどそんな事を考えながら時間が来るのを待った。
「何があったの?」
「分かんない。僕の話しに何かを感じたようだけど、それしか」
「そう」
少しすると父上が待たせたと入って来た。何なんだろうか、何か考えているような感じだったけどさ。僕の話におかしなところでもあったのだろうか。
「悪いな。さっきの話を詳細に聞きたくなったんだ」
「はい」
父上は話しを聞いて、俺がやれることはたくさんあるのでは感じたそうだ。
「でな、まずお前は婿に行くのか、それともカミーユを嫁に貰うのか。手続き上どちらだ?正式な婚姻は済んでいるのか?」
そこから?何が聞きたいのかは不明だけど。
「正式な手続きはまだです。それに僕の方が身分は低いので婿の予定ですね。戸籍の書類にサインはしましたが、結婚式後の変更のはずです。ですので今は婚約中扱いかと」
カミーユも我が国の一般的なやり方はそうだ。だが、今回はすでに一緒に暮らし数ヶ月。結婚式より前に一緒に住むことなど本来はないため、夫婦同然の扱いはされていると説明した。
「そうか。これからの領地に自治権があるなら、逆にならないか」
「え?」
カミーユと見合った。なんで?そんなのどちらでもいいだろうと僕は考えた。王家の直轄地だしね。
「なぜですか」
父上は先程の話しなら、お前は家名のモートンを名乗れないだろうって。
「そうですね。カミーユの家名に変更になりますね」
「だろう。お前は正式に俺の子になれ。アルカイネを名乗れ」
はあ?
「それでは母の不貞が公になります!」
ならん、俺がフィデルを妻にするから。お前はその子だから養子と書類上なるんだって言う。でもさ、この付き合いが薄くなったこのご時世で、変な疑いを持たれたりするかもだし、そうなると僕の国籍が変になる。他国の貴族が領地を持つなんて、侵略と取られはしないだろうか。
「おかしくはないだろう?」
「それは……ですがそうなると僕の所属がこちらになって、領地どころか国にいられません。結婚も反故にされかねませんよ」
そんな事はないさと自信たっぷり。
「そこは事件を起したから国に報いたいとか、適当な理由付けて押し通せ」
「はあ?」
また無理なことを平然と言うよ。そんなのが通るのかな。まあ聞けって。
「カミーユは外に嫁に出せないだろ?王の予備だからさ」
「グッ」
その言い方にイラッとした。彼は物じゃない!
「父上、その言い方は酷いです。カミーユはひとりの独立した個人です。物のように言わないで下さい」
彼はカミーユに目をやった。
「事実だろ。なあカミーユ」
「はい。その通りです」
「カミーユ?」
僕は驚いて隣を見た。平然とその言葉を受け入れている。そして庇ってくれてありがとうって。
「でも事実だよ。どんなに言葉を飾っても、それは変わらない僕の存在意義だ。過去に不審な死を遂げた王がいなかったわけじゃない。それがどういう意味を持つかキャルも分かるよね?」
「うっ……うん」
カミーユは賢いなと父上。僕には感情を入れるなと𠮟られた。
「公爵の身分はもぎ取れ。どんな事をしてでもな」
「ああ、それは大丈夫です。カミーユが妻で、書類上は直轄地扱いですから、問題なく受け入れられれば可能です」
「ならばよい。でだ、ここからが本題」
「はい」
父上は完全に領地を物理的に隔離してやるって。俺が後ろ盾になってやると。そして誰にも口を出させない、ふたりの領地にしろって。
はあ、それもう国だろう。民の出入りもあるだろうし、他の貴族もそんな形には文句を言うはずだし、僕は封鎖のようなイメージを持った。それでは成り立たないんじゃ……
「そちらの王と詰めないとだが、家臣もこちらから全部出す。不安要素は排除だ。領地も魔法全開で作り、出入りも制限する」
「ええ?」
ふたりで驚いてしまった。そんな事出来るの?人の出入りなんて制御出来るものではないよ。呆然として頭が止まった。
「驚くことはない。こちらから魔法使いを派遣するから。それにお前はこちらの貴族と同等の魔力を有する。問題ない」
いやいや使い方知らないよ。何の訓練も勉強もしていないんだぞ。簡単に言うな!
「そんなものはおいおいでいい。派遣した者に習えばいいんだ」
簡単だよと言い切る言葉に呆然。そんなに簡単じゃないだろうよ!
「簡単に言ってくれますね。僕は大人で、子供の頃から強い魔法を使っているわけじゃない!僕が出来る事なんてたかが知れてる。それに僕は光属性ですよ?武力とかには役に立ちません!」
ふんと。実例はいくらでもある。出来るよって、騎獣にも乗れたろって。
属性は何か極める時に必要になるんだ。お前の場合なら薬師、医師になるとかかな。なる気がなければ関係ないって。おお…ぉ……ぅ
「魔法ありきのやり方を学べばいい。カミーユがキャルの不足の武力強化に騎士に混じって訓練すればいいさ。属性にあったやり方があるからさ」
「はい……でも出来るのかな」
不安な言葉は無視されて、土地の収益の元は何だと言われた。
「国内の薬草の産地で、八割がうちの地で作っています。野菜、家畜は領内消費がほとんどのはず、他所に売る用ではないですね」
「そうか。ならば収益はそれだな」
「はい」
こちらで現地調査はさせてもらう。そして他国に売る販路を提供しようと言われた。
話しの展開が早いな。父が死んでから僕は自分の領地を把握しようとしたんだ。まだ分かりきってないんだけどな。屋敷の記録とかまだ読んでないんだよ。
「どのくらい生産されているかわかりません。今の現状を完全に把握はしていないのです」
「ならばそこからだな。お前が帰るのは二週間は先、無理なら滞在を伸ばせ。それまでに出来る手配はするから、屋敷は帰れば出来ているのか?」
「その予定です。今のカミーユの屋敷を見本に作り替えているはずです」
うむと。ならばやるなら早いほうがいいな。父上は紙に何かを書き込んでジョナサンに渡した。
「十日、遅くとも二週間以内で結果を報告しろ」
「はっ」
紙を手にジョナサンはザッと読んで、納得したように足早に出て行った。なにするの?ものすごく不安だ。
「お前が帰る前に手配を済ませる。帰ったらしばらく休む暇はないと思えよ」
「あの、何をされるんですか」
父上は楽しみにしていろ、悪いようにはしないからと、座り直してお茶を啜る。
「俺の力を全て注ぎ込んでやる。お前が管理しやすいようにな。金も人も心配するな」
「はあ」
腕組みしてドヤ顔で更に不安。僕らを置き去りに話が進んでいく。
「父上、僕の意向は聞かないのですか。僕らの領地なんですよ。やるのは僕らです」
何いってんだかと困った子を見るようになった。なんでだよ!
「お前は領地をどう運営するか知っているのか」
それは耳が痛い。もげそう……
「いえ、これから不足分を習う予定です」
「カミーユは?」
「ぼくは国の運営、王としてのものしか……」
遅いなと。お前は不遇な者も保護する使命があるのだろう?王に頼まれているのだろう。ならば領地の整備は早い方がいい。
アセベドがいなくなったことで貴族たちは混乱していただろう。これからその者たちの動きは不明だ。悪くなる事を想定をしておかなくてはならないんだと厳しい表情だ。
実は国が欲しい、王になりたいって者が紛れていてもおかしくないんだ。お前の父がいたから表に出なかっただけかもしれないんだぞと。これは今から父上が調べるそうだ。
なんだろ、これが父上の領主の顔かと思った。相当長期の事は無理だが、ここ数年くらいの短期の予測を想定し、さらなる先も考えているんだと感じた。
僕は今目の前の問題を解決することしか考えずにいて、先など考える余裕などなかったからだ。目先を潰していくしか……
「キャル、危機管理を甘く考えるな。何があっても民を守るのが領主の仕事だ。安心して住める地を提供するのがこちらの役目。あちらはその地で物を生産し、税を収める。それで国、領地が回るんだ」
「はい」
そうだ、これからふたりで運営していくなら必要なこと。父上が全部整えるのならば、我が国のやり方では出来はしないだろう。それならば。
「申し訳ありませんでした。でしたら明日から少しでもいいので、そういった講義をしていただけませんか。帰って困らないようにしたいのです」
父上の真面目な話しに、ふわふわ考えていたのを恥じた。王が助けてくれるんじゃないかと漠然と考えていたんだ。
だけだよく考えれば、こちらが信用出来る者を引き抜くと王家が困るんだよ。味方は少なく、余裕なんかないんだ。
「分かった。明日から出来るようにしてやる」
「お願いします」
でもなあって顎を擦った。
「やり方は多少国によって違うかもしれないから、そこは摺り合わせろよ」
「はい」
時間いっぱいまで話し合いは続き、僕もカミーユも知識が圧倒的に足りないのを自覚した。
カミーユは国を動かす事しか習ってなくて、領地の事は簡単にしか習ってない。僕は真っ白、ふって湧いた領主の地位なんだ。跡継ぎでもなく、父に付いて遊び半分の視察しか経験はなく、貴族との付き合い方すら怪しい。
母の兄が疑われた理由がよくわかる。これでは疑うのは当たり前、僕の場合本当に能力がない。
父上は、そんなのはやっていれば理解出来るから問題はない。そこじゃないんだと言う。
それ以外に何があるんだよ。それが全てだろ?
「そこじゃないんだ領主ってさ。仕事は家臣が動けば回るんだ。その家臣の信頼と尊敬を手に入れねば、もしもの時に困る。共に戦ってくれる気持ちを手にしなければならないんだ。王は当然だがな」
カミーユはビクッとした。それがないからこうなったんだようちの国、王がそれを持っていれば立て直せたんだとうなだれた。
「父様にはそれがなく、先代もその前も。遠い過去の先祖が残してくれたものを、さも当然だと、王族だからと受け取ってなぞってただけなんだ。だからこんな事に……」
父上はさもありなんって態度でカミーユに話しかけた。
「カミーユ、うちも歴史は長い。だが王は民に慕われているんだ。なぜだと思う?」
えっとと考え込んだ。そうだ、どの国だって順風満帆に行く時代ばかりじゃないはず。
「王そのもの、人物の魅力を発揮してるからですか?」
「その魅力とはなんだ?」
「え……っと……」
カミーユは言葉に詰まった。僕も一緒に考えていた。
「分からぬか」
父上の言葉にカミーユは答えられなかった。
民が王を慕うのは何を持ってしてか。直接対峙するわけでもないのに、好かれるとはどういう事か。民のためを思う施策があるかどうかかなあ。それに民が感謝するかどうか……かな。カミーユが黙ったから僕が思いつくことを話した。
「民のためになる施策や、政策を策定し、それをきちんと実施する。当たり前のことを当たり前にやる事。それを王がやったんだとアピールもする。ですか?」
父上はまあなあと頷き、半分なって。
「それだけじゃ足りないんだ。民にはそれでいいが、後は貴族との付き合いだな。手を貸し合うくらいには良好にしておかねばならない。その様子に他者も、そこまで慕われているならば信用出来るかもと動く。そしてそれが広がり循環する」
「そうか……仲間は多いほうが動きやすいですね」
それは小さな集団ですらそうだ。家の中の単位、最小は夫婦。その夫婦の有り様が家の中を華やかにし、自分たちに良くしてくれるなら、この人たちならばと付いてくる。
「アセベドは悪い方にだが、それが出来ていたんだ。それが人物の魅力になる」
確かにな。じゃなければここまで国は荒れない。父に対する恐怖もあっただろうけど、賛同するということはそう言うことなんだろう。
「この人になら、我が人生を預けてもいい、損得ではないと思わせねばな。生まれつき持ち得るのが理想だが、努力でも手に入るものだ」
王も全くない訳でもないから、味方はいる。でも、その家臣も少なく何の提言も通らない。
やり方が間違っているとは思えないが、強く出ても付いてこないのは、損得以上のものが王にないから……
「僕は出来るでしょうか。もしくはカミーユは出来るでしょうか」
父上が答える前にカミーユが、
「キャル、ぼくには無理だ。自分の事は自分が一番知っている。性の属性は関係なく、王たる素質がぼくにはない。人の上に立つことが無理なんだ」
「カミーユ……」
真剣な顔ですまないって。王族に生まれても持ち合わせない者もいるんだよって。
父上はこちらではアンの当主は結構いるし、王になったものさえいると。現王はアンで愛らしい雰囲気だが頭脳は明晰、ちょっとした揉め事、抗争も含め、自分が出ていって収めたりしているそう。ほかのアンの領主も危険を顧みず、民を、家臣を守るために他国に強く抗議することも厭わない。
「少し感情的に動くが、家臣思いのいい人が多いよ。あ~カミーユは騎士は楽しいか?」
「はい……」
どこまで話そうか悩んでいるように見えた。口を強く結んで深く息をはいた。
「見栄はっても仕方ありませんね。出来るのと好きは別です。以前に例え話をしましたが、文官、後方支援向きと思っています」
「やはり。性格的に向かないように俺には見えたからなあ。本人が自覚していると言う事は、同じ様に周りも見ているだろう?」
「はい」
父上はお茶を口にし話しを続けた。
「キャルの報告書や、俺がこの滞在期間、キャルを見ていて思うのは、親の贔屓目を差し引いてもやれるだろうと思うね」
うわ~買いかぶり過ぎ。父上の案にドカッと座っていれば家臣が動いてやれるだろうけど、その威光が無くなった後を考えるとゾッとする。その間にその魅力とやらが身につくのか?こわっ!
「キャルはなあ、俺が用意してもなんだかんだ動くと思う。与えられたもので満足はしないだろうって」
「あはは、僕は面倒臭がりですよ。楽な方がいいから動かないかもしれません」
ほうと一言、次第にによによ。この含みのあるによによ嫌い。
「ならなんでカミーユを妻にしようと思ったんだよ。王族の伴侶なんて面倒臭いの極みだろう」
「ゔっ」
改めて考えればそうだ。なんであの時いいって言ったんだろうか。賑やかなのが好きな僕が、カミーユとふたりっきりで生涯を共にしようなんて。
横のカミーユをじっくり上から下まで舐めるように見た。彼はなに?って目じりを下げて困った顔で微笑む。
あ~あ思い出した。この笑顔が全てをチャラにしたんだ、この笑顔が見ていたくて心が動いたんだった。僕ちょろいな。
「父上、かわいいは正義です。他はどうでもよくなりました」
僕は言い切った。
父上は一瞬唖然としたけど、わははと盛大に笑った。
「そうか。カミーユよかったな」
「はい!」
顔を真っ赤にして照れて、僕が好きって全身で言ってくる彼が愛しい。もうそれでいいんだよ。カミーユが僕の隣で笑っててくれればそれでいい。
「ならば、カミーユのためにも頑張れ」
「はい」
話しは尽きないが時間になりお開きに。そして午後にはライリーの屋敷でお茶会だ。
馬車で移動がないから昼食後はギリギリまで部屋でのんびり。
移動の魔法陣は便利だよね。世の中いい人だらけだったのなら悪用の心配もなく、これほど便利なものはないと僕は思った。警戒しなくていいならなあなんて、無理だけどそんな事を考えながら時間が来るのを待った。
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「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
【完結】冷酷騎士団長を助けたら口移しでしか薬を飲まなくなりました
ざっしゅ
BL
異世界に転移してから一年、透(トオル)は、ゲームの知識を活かし、薬師としてのんびり暮らしていた。ある日、突然現れた洞窟を覗いてみると、そこにいたのは冷酷と噂される騎士団長・グレイド。毒に侵された彼を透は助けたが、その毒は、キスをしたり体を重ねないと完全に解毒できないらしい。
タイトルに※印がついている話はR描写が含まれています。
【本編完結】転生先で断罪された僕は冷酷な騎士団長に囚われる
ゆうきぼし/優輝星
BL
断罪された直後に前世の記憶がよみがえった主人公が、世界を無双するお話。
・冤罪で断罪された元侯爵子息のルーン・ヴァルトゼーレは、処刑直前に、前世が日本のゲームプログラマーだった相沢唯人(あいざわゆいと)だったことを思い出す。ルーンは魔力を持たない「ノンコード」として家族や貴族社会から虐げられてきた。実は彼の魔力は覚醒前の「コードゼロ」で、世界を書き換えるほどの潜在能力を持つが、転生前の記憶が封印されていたため発現してなかったのだ。
・間一髪のところで魔力を発動させ騎士団長に救い出される。実は騎士団長は呪われた第三王子だった。ルーンは冤罪を晴らし、騎士団長の呪いを解くために奮闘することを決める。
・惹かれあう二人。互いの魔力の相性が良いことがわかり、抱き合う事で魔力が循環し活性化されることがわかるが……。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
異世界で聖男と呼ばれる僕、助けた小さな君は宰相になっていた
k-ing /きんぐ★商業5作品
BL
病院に勤めている橘湊は夜勤明けに家へ帰ると、傷ついた少年が玄関で倒れていた。
言葉も話せず、身寄りもわからない少年を一時的に保護することにした。
小さく甘えん坊な少年との穏やかな日々は、湊にとってかけがえのない時間となる。
しかし、ある日突然、少年は「ありがとう」とだけ告げて異世界へ帰ってしまう。
湊の生活は以前のような日に戻った。
一カ月後に少年は再び湊の前に現れた。
ただ、明らかに成長スピードが早い。
どうやら違う世界から来ているようで、時間軸が異なっているらしい。
弟のように可愛がっていたのに、急に成長する少年に戸惑う湊。
お互いに少しずつ気持ちに気づいた途端、少年は遊びに来なくなってしまう。
あの時、気持ちだけでも伝えれば良かった。
後悔した湊は彼が口ずさむ不思議な呪文を口にする。
気づけば少年の住む異世界に来ていた。
二つの世界を越えた、純情な淡い両片思いの恋物語。
序盤は幼い宰相との現実世界での物語、その後異世界への物語と話は続いていきます。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新!
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
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