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22 待望の……
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翌朝……
「朝ですよぉ起きて。坊っちゃん奥様」
うっ……おっ?あ?うん……だるい。なんかだるいし寝た気がしない。
「起きる…よ」
「クー……」
横を見れば幸せそうに寝ている妻。俺はだるいながらも声を。
「リリアナ朝だよ」
「ん……」
無意識の反応のようにちょっとだけ声が出ているが動かない。仕方なくリリアナの肩を揺すると、
「うっ……お、おき……ま、いや寝る」
「リリアナ君がダメだよ……くは~あ……ねむ」
ダメとか言いながらも俺は眠気に負け、リリアナを抱きしめる。そして目を閉じる。んー二度寝って気持ちいいよな。至福の時だ。
「坊っちゃん!奥様!」
コリンの怒鳴り声に、重い瞼をゆら~っと持ち上げ、ふたりで目を開けた。半目だけどな。
「お、起きるの?」
「起きるの」
仕方ねえなあとリリアナから腕を引き俺が起きると、リリアナもうっとか言いながら起き、ベッドヘッドにもたれた。気だるい感じだな。
「昨日はごめんなさい。つい」
「いやいい。俺こそごめん」
「いえ。私が」
「いいや俺がつい……」
言い合ってる内に目は覚め始めたが、いいから風呂入れ。そしたらきちんと目が覚めるからってコリン。そちらを向けば腰に手を当てフンと鼻を鳴らす。
「ふたりで入りますか?我らはその方が楽ですけど」
「そうする?」
「うん……流すだけだからそうしましょ」
俺がモソモソとベッドから降りて伸びをしていると、彼女の動く衣擦れが聞こえ、ベチョッと音がする。なに?と振り返ると座り込んでいた。え?
「リリアナ!」
「足に力が……おかしいなあ」
「ごめんね。つい」
「抱っこ」
「うん」
彼女は眠さのあまり全裸で、それに気がついてもいない。俺は焦って近くにあるガウンを肩に掛けた。リリアナ全裸は恥ずかしくないの?と聞けば、この間母様にあった時、メイドや側近に恥ずかしがっちゃダメよ。彼らは何とも思ってないし、寝室なら当然だからねって言われたとか。そこはいいのよってポツリ。
「でもね……おっかしいなあ。こんなになったことないのに」
「興奮してたからだよ」
「んふふっ」
俺を見上げ、ちょっと過ぎたかな。でも楽しかったし幸せかな?とふたりで見合って笑った。そんな日があってもいいよねとリリアナ。まあねと額にチュッとふと、幸せそうに笑ってくれる。
脱衣所で彼女を降ろし、手を繋いで中に入り体を流し浴槽にも入る。俺は浴槽には朝は入らないんだが、彼女がかなり、そう、かなりお疲れ。体も冷えている感じだ。だるそうなのが抜けていないようで、彼女はぼんやりとしている。俺は足の間に入れたリリアナの頭を撫でる。
「リリアナ?」
「うん……疲れた。満足だけど」
「そうね」
「食事の後寝なさい。お昼までさ」
「うんそうする。今日は予定ないし」
彼女を背中から抱いてゆらゆら。初めて一緒に入ったが、違和感はない。なぜかしっくりくるのは不思議だ。後ろから見る髪を上げた彼女の襟足、首筋から肩にかけて……白い肌と滑らかな曲線。美しく、あれだけしたのにと吸い寄せられそう。なんて考えてたらズルッて彼女が動く。ん?とか思ったらガボボボッって前から変な音がして、リリアナがジタバタ。
「死ぬ!死ぬわ!ゲホゲホッ」
「アハハッ寝ちゃダメだよ」
「ついゲホッ気持ちよくて」
こんなところがまたかわいい。俺リリアナが何てもかわいいしか出ないな。あ~あ、バカだ。落ちた髪をかき上げてやるとハァハァ息をしている。
「お風呂で寝るなんて初めでだわ」
「俺は結構やっちゃって溺れてるかな」
真っ赤になって咳き込む。苦しそうだがこんな抜けたところもかわいい。
「いつ?」
「仕事が詰まってて寝る時間が取れない時」
「気をつけてね。ケホッ」
「うん。今そんなのないから」
後は無言で温まり着替えて食事。リリアナは寝るって下がり、俺は執務室に移動。
「おはよう坊っちゃん」
「おはよう」
みんなニヤニヤして俺を見る。赤ちゃんすぐかな?とか呟く者まで。期待に添えるよう精進しますよ。だからこっち見んな。俺はスタスタと歩き着席。改まった声で、
「みんなおはよう。黙って働け!」
「おう!」
あっかちゃ~ん楽しみぃ~とか変な歌歌うアルト。やっと我が一族らしくなったかな?ウヒヒとか、各々ヒソヒソ話し始める。エッチィのは我が一族の印。いや~よかったよかった。別に坊っちゃんから誘わなくてもいいもーんとか。どこから漏れてる!俺は反論の意味なしと黙々とペンを走らせる。
「生まれたらあっという間に大きくなるから賑やかになるなあ」
「もちろんさ。俺の孫も近い年ごろだし遊びにこさせる予定」
「うちもだ。きっといい遊び相手になるぞ」
少し大きいとそれもまたいいもんだ。兄様って存在も、幼い頃にはいい刺激になるもんな。などなど。
「おーい。お前らのところ今は息子ばかりだろ。うちが女の子だったろどーすんだ」
「……なんとかなるだろ。乙女も幼い頃は男とおんなじだろ」
「違うわ!」
この先、俺たちのところにも女の子の孫が生まれるかもだから問題なし。楽しみだなあって勝手に盛り上がってる。好きにしろ。もう知らん。
そんなある日、リリアナが具合悪いとなった。そう、つわりだ。秋の終わり頃に飯たらふく食ってる最中に、あれ?飯が入らないかもとなったんだ。それで気がつくのもどうかと思うが、たべても太らないリリアナらしいっちゃらしいけどね。
「秋は食べ物おいしいと食べてたのよ。そしたらね。いきなり気分がね?胃のあたりに違和感ってのかな。もういらないって言うの」
「うんうん。少し我慢だな」
みなの待望の懐妊なため屋敷はざわついた。もうね、屋敷中がピリピリムード。リリアナが歩くたびに目が追う。そう、どこまでも。誰もが睨んでるように心配していた。その環境にリリアナは少しね。
「イリアス……あのね」
「みなまで言わなくても分かるが我慢して。これだけは我慢して。みんなの楽しみだからその分心配が増すんだ」
「はーい。がんばりまーす」
恐ろしい監視の中リリアナは日々耐えた。お腹が目立つようになると、誰かしらが隣にいて、ひとりはない。トイレ以外にひとりにはなれなかったんだ。だが、彼女はねっとり絡め取られるような親切や視線に耐えた。そして、
「ご子息ですね。おめでとうございます。リリアナ様、坊っちゃん」
疲れ果てて汗だくだったと分かるリリアナ。整えてはいるが、お産の痛みで辛かったのは言わなくても分かる姿だった。俺が部屋に入る頃には赤ちゃんはおくるみに包まれていた。リリアナが腕の赤ちゃんを愛しそうにのぞき込み、どこか母親らしい表情だ。
「息子でした。イリアス」
「お疲れ様。それとありがとうだな」
「いいえ」
ベッドに近づくと、あなたも抱いてって渡された生まれたばかりの俺の子。誰ににてるとかはどうでもいい。無事に生まれたことが嬉しいし、リリアナが無事なことに安堵した。
「横にならなくて平気か?疲れてるだろ?無理して置きてなくていい横になれ」
「え?う、うん。でもみんなまだいるし」
気にしなくていいそうしなさいと乳母に来てくれた叔母。そう、クリスティンの奥様の叔母上が乳母となり来てくれたんだ。だが俺は恐縮してしまう。あちらも大変なはずと聞いていたからだ。だから別の伯母に頼んでて……
「あの……ご迷惑では?そちらにも赤ちゃんがやってきたと伺ってますが」
「ああ……それね。なしになったの。お相手のお嬢様が赤ちゃんくれなかったのよ」
「え?」
叔母の話によれば、叔父の街の大店の娘さんだったが、このお嬢様はクリスティンの容姿に子供の頃から憧れがあった。あのような方を夫にと考えていたが現れず。ならばと親の反対を押し切り妾となる。そしてめでたく懐妊。夫はそれほど欲しいとも考えていなかったお嬢様で、お仕事バリバリの才女でもあった。
「懐妊が分かった時点でクリスティンに冷たくなり始めたらしいのでわ」
「「へえ……」」
妾となろうが実家の仕事はそのままやり続けた方。跡継ぎになれる男の子だったから親も納得してしまう。そして赤ちゃんが元気に生まれたら、妾解消してくれとなったらしい。叔父はかわい子ちゃんを手放したくなく、ごねたらしいけど(賢く自分の欲に忠実さも魅力だったらしい)後は適当に店から夫を見繕う。願いは叶ったから貴族の後ろ盾もいらない。あなたのその美しさが欲しかっただけだったと言い切られ、仕方なく手を引いたらしい。あらら……
「初めてなのよ。子を渡さなかったお嬢様。わたくしもびっくりしちゃってねぇ」
「「それは……」」
伯母は久しぶりの男の子と聞いてきたから楽しみでもあったのよねえって憂い顔でため息。俺とリリアナも驚いていた。貴族との関係は家のためや自分の出世のため。もしくは商売の後ろ盾が欲しくて妾になる人が多い。ただ単に美しい子が欲しいなんて初めて聞いたよ。俺も後の言葉がでなかった。
「残念だわって落ち込んでた時、リリアナ様のご懐妊ですもの。わたくし準備は万全でここに来ると決めてましたの。今日から住み込みますからよろしくね。イリアス様リリアナ様」
「はい。こちらこそよろしくお願いいたします」
俺たちはよろしくと頭を下げた。叔母は嬉しそうに微笑む。
「まかせて下さいませ。子育てのプロですもの。きっちりすてきな殿方に育て上げますわ」
そこは心配してない。叔母は何人子どもを育てたやらだもの。産気付いて連絡したら来てくれた乳母が叔母上に変更になったのは驚いた。親父の末の妹エレーヌ様にお願いしてたんだけどね。まあいい。
「わたくしは子供部屋におりますので、リリアナ様は体をいたわってね。イリアス様、当分無理させちゃダメですからね!」
「はい。心得てます」
そして医者の診断後、叔母は赤ちゃんを連れて子供部屋へ。他のみんなもお二人でと消えた。俺はベッド横に椅子を持ってきて座った。そしてリリアナの手を取り、
「改めて、お疲れ様でした」
「えへへ。うん」
俺はもっと近くに、触れたくなってリリアナの枕元に座り抱き寄せた。リリアナの体は少し熱く、大変だっただろうと労ると、
「ちゃんとした赤ちゃんだったでしょ」
「そんなの心配してないよ。ありがとう」
「んふふっ」
この言葉でリリアナがどれだけ噂を苦しく思っていたかが分かる。俺は、こんな時までそんなことが頭をよぎる彼女に胸が締め付けられたんだ。
この日から屋敷はふわふわとした幸せに包まれた。親父たちが死んで火の消えたような屋敷。俺の結婚で息を吹き返し、そして後継ぎが生まれた。みんなの待ちわびた後継ぎだ。
「子息でしたな。ならば我らの孫は役に立つ。遊び相手になりましょうぞ」
「そうね。まだ先だけど」
「そうだなあ。動物を買うのはどうでしょう。なんとなく温室の話が流れましたし、いや、今から用意するか?」
「いやいや、公爵領の売上減は温室分くらいよ。少し待つか、賠償金を使うか?」
「いや、あれは窮地の時にために取っておこうよ。船が沈没とか不測の事態のためにさ」
「それもそうだな」
俺が書類に向かってると前からこんな会話。賠償金は俺のなの。俺個人のなのよ。領地の金じゃない。おいジジイども分かってる?と顔を上げた。
「え?……あれ公共の金にならないの?」
「なりません」
「ええ?俺らはてっきり……」
何がてっきりだ。領主の金は領地の金となぜ思う。個人的な金もあるんだよ。小遣い以外にもな。お前らだってあるだろ。まったくもう。
「あの金は跡継ぎたる俺の個人のお金だ。叔父や他の兄弟は放棄した。だから俺の金」
「ええー……」
「えーじゃないッ」
出せよその金。領地運営費に組み込むからって。出さねえよ!と揉めてると、叔父のクリスティンが何ごと?と颯爽と入って来た。
「なに揉めてんの?」
「いや前当主の賠償金を運営費に回せって言ってたんだ。坊っちゃん使わねえんだし」
「ああ、あの金か。それは……やめてやれ。親や兄弟が金に変わったもんだからさ。気持ちは分かるけど」
そう?と残念がる家臣のジジイども。でも叔父がこの昼間の時間に屋敷に来るのは久しぶりだな。遅い時間が多いのに。
「どうされました?」
「うん。お前の母上の退院の許可がおりた。だが、この屋敷には思い出が多く戻りたくない。どこか屋敷を買うか、別の場所に建築してって言いに来た」
「そうですか。やっと……」
叔父は茶を出せとソファにどっかり座る。俺も手を止めてソファに移動した。
俺も回復の兆しが見え始めた頃から定期的に見舞いには行っていた。でもぼんやりしてた時間は長く足腰弱っててなあ。中々退院の許可が降りなかったんだ。だから散歩をしたり、細くなった食事を人並みに取れるよう訓練したんだ。頭だけならとっくに元気にはなっていて、家のこととか報告してたんだ。俺たちはお茶をすすりながら、
「敷地内に建てる……は無理か。希望は聞いてきましたか?」
「うん。落ち着いた小さな村みたいなところでいいってさ。隠居生活ってのか。そうしたいって」
「そう……ですか」
そんなことは確かに言ってた。噂話など聞こえずメイドと少しの使用人だけでいい。穏やかに過ごしたいって。屋敷に帰ると思い出に押しつぶされそうだし、悲しみに暮れるのは避けたいって悲しそうに笑ってたもんな。
「たまに赤ちゃん見に泊まりに来る分には気にしないんだが、生活となると景色までは変えられんからな」
「はい。よさそうなところを探します」
「見つけたら退院たな」
俺はこれからクリシュナ王国に行く。売り上げが大きく店増やすからって。え?息子に行かせろよ。あんた最近屋敷に来ないだろと言えば、鳩にマメでっ棒のような顔をする。
「え?だって俺いらないだろ。もうお前ひとり立ちできてるしさ」
「それとこれは違うでしょ。親代わりなんだろ。アドバイスとかさ」
「いらんだろ。家臣もいるしさ。それに妻も提供したし、な?」
「はあ」
その浮ついた声色に、みなピクッとして叔父を睨んだ。かわい子ちゃん捕まえたな?と疑いの目だ。
「お前……まただろ。いい歳なんだから控えろよ」
「やだよ。俺は死ぬまでハンターよ。女の尻追いかけない俺に価値はない」
「バカだろ。なら子は控えろ」
「あ~善処はする」
「善処じゃねえんだよ。イリアスに当主は代替わりしたんだ。迷惑かけんな!」
「ああそっか。なら息子に言い含めるわ」
「「バカッ」」
家臣のおじ様……俺の言いたいことを代弁してくれるのか。ありがと。こんな時はおじ様たち役に立つ。
「叔父上。息子にも迷惑かけちゃダメですよ。もう寿命は短いんだから、立つ鳥跡を濁さずですよ」
なにいってんだ?と俺を見つめ、腰に手を置き偉そうである。
「フハハッ俺の辞書にその言葉はない。無様に死のうがそれはそれ。後を頼むな。じゃあ店が完成したら視察に来いよ。またな」
「え?叔父上どこに行くの!待てよ!」
素早く立ち上がると扉に向かって一直線。こんなところは若者ばりの俊敏でさあ。あ~あ。
「赤ちゃん見たら本気でクリシュナに行くぞアレ」
「だろうねえ。好き勝手事業を大きくしてるからいいけどさ。私生活もなんとか……」
「ならんだろアレは」
「うん……」
優秀なくせに「英雄色を好む」を地で行く叔父。全くかなわんと脱力していると、
「にしてもさ。クリスティンは端に置いて」
「なに?」
「公爵領なんだがなあ」
「その後どう?」
おじ様たちは一気にげんなり。これまた困ってるって。やっばり?と聞けば、ウンウンとうなずく。あー……面倒くせえ。やっぱ撤退だろ?と俺の頭は撤退の文字しかなかった。
「朝ですよぉ起きて。坊っちゃん奥様」
うっ……おっ?あ?うん……だるい。なんかだるいし寝た気がしない。
「起きる…よ」
「クー……」
横を見れば幸せそうに寝ている妻。俺はだるいながらも声を。
「リリアナ朝だよ」
「ん……」
無意識の反応のようにちょっとだけ声が出ているが動かない。仕方なくリリアナの肩を揺すると、
「うっ……お、おき……ま、いや寝る」
「リリアナ君がダメだよ……くは~あ……ねむ」
ダメとか言いながらも俺は眠気に負け、リリアナを抱きしめる。そして目を閉じる。んー二度寝って気持ちいいよな。至福の時だ。
「坊っちゃん!奥様!」
コリンの怒鳴り声に、重い瞼をゆら~っと持ち上げ、ふたりで目を開けた。半目だけどな。
「お、起きるの?」
「起きるの」
仕方ねえなあとリリアナから腕を引き俺が起きると、リリアナもうっとか言いながら起き、ベッドヘッドにもたれた。気だるい感じだな。
「昨日はごめんなさい。つい」
「いやいい。俺こそごめん」
「いえ。私が」
「いいや俺がつい……」
言い合ってる内に目は覚め始めたが、いいから風呂入れ。そしたらきちんと目が覚めるからってコリン。そちらを向けば腰に手を当てフンと鼻を鳴らす。
「ふたりで入りますか?我らはその方が楽ですけど」
「そうする?」
「うん……流すだけだからそうしましょ」
俺がモソモソとベッドから降りて伸びをしていると、彼女の動く衣擦れが聞こえ、ベチョッと音がする。なに?と振り返ると座り込んでいた。え?
「リリアナ!」
「足に力が……おかしいなあ」
「ごめんね。つい」
「抱っこ」
「うん」
彼女は眠さのあまり全裸で、それに気がついてもいない。俺は焦って近くにあるガウンを肩に掛けた。リリアナ全裸は恥ずかしくないの?と聞けば、この間母様にあった時、メイドや側近に恥ずかしがっちゃダメよ。彼らは何とも思ってないし、寝室なら当然だからねって言われたとか。そこはいいのよってポツリ。
「でもね……おっかしいなあ。こんなになったことないのに」
「興奮してたからだよ」
「んふふっ」
俺を見上げ、ちょっと過ぎたかな。でも楽しかったし幸せかな?とふたりで見合って笑った。そんな日があってもいいよねとリリアナ。まあねと額にチュッとふと、幸せそうに笑ってくれる。
脱衣所で彼女を降ろし、手を繋いで中に入り体を流し浴槽にも入る。俺は浴槽には朝は入らないんだが、彼女がかなり、そう、かなりお疲れ。体も冷えている感じだ。だるそうなのが抜けていないようで、彼女はぼんやりとしている。俺は足の間に入れたリリアナの頭を撫でる。
「リリアナ?」
「うん……疲れた。満足だけど」
「そうね」
「食事の後寝なさい。お昼までさ」
「うんそうする。今日は予定ないし」
彼女を背中から抱いてゆらゆら。初めて一緒に入ったが、違和感はない。なぜかしっくりくるのは不思議だ。後ろから見る髪を上げた彼女の襟足、首筋から肩にかけて……白い肌と滑らかな曲線。美しく、あれだけしたのにと吸い寄せられそう。なんて考えてたらズルッて彼女が動く。ん?とか思ったらガボボボッって前から変な音がして、リリアナがジタバタ。
「死ぬ!死ぬわ!ゲホゲホッ」
「アハハッ寝ちゃダメだよ」
「ついゲホッ気持ちよくて」
こんなところがまたかわいい。俺リリアナが何てもかわいいしか出ないな。あ~あ、バカだ。落ちた髪をかき上げてやるとハァハァ息をしている。
「お風呂で寝るなんて初めでだわ」
「俺は結構やっちゃって溺れてるかな」
真っ赤になって咳き込む。苦しそうだがこんな抜けたところもかわいい。
「いつ?」
「仕事が詰まってて寝る時間が取れない時」
「気をつけてね。ケホッ」
「うん。今そんなのないから」
後は無言で温まり着替えて食事。リリアナは寝るって下がり、俺は執務室に移動。
「おはよう坊っちゃん」
「おはよう」
みんなニヤニヤして俺を見る。赤ちゃんすぐかな?とか呟く者まで。期待に添えるよう精進しますよ。だからこっち見んな。俺はスタスタと歩き着席。改まった声で、
「みんなおはよう。黙って働け!」
「おう!」
あっかちゃ~ん楽しみぃ~とか変な歌歌うアルト。やっと我が一族らしくなったかな?ウヒヒとか、各々ヒソヒソ話し始める。エッチィのは我が一族の印。いや~よかったよかった。別に坊っちゃんから誘わなくてもいいもーんとか。どこから漏れてる!俺は反論の意味なしと黙々とペンを走らせる。
「生まれたらあっという間に大きくなるから賑やかになるなあ」
「もちろんさ。俺の孫も近い年ごろだし遊びにこさせる予定」
「うちもだ。きっといい遊び相手になるぞ」
少し大きいとそれもまたいいもんだ。兄様って存在も、幼い頃にはいい刺激になるもんな。などなど。
「おーい。お前らのところ今は息子ばかりだろ。うちが女の子だったろどーすんだ」
「……なんとかなるだろ。乙女も幼い頃は男とおんなじだろ」
「違うわ!」
この先、俺たちのところにも女の子の孫が生まれるかもだから問題なし。楽しみだなあって勝手に盛り上がってる。好きにしろ。もう知らん。
そんなある日、リリアナが具合悪いとなった。そう、つわりだ。秋の終わり頃に飯たらふく食ってる最中に、あれ?飯が入らないかもとなったんだ。それで気がつくのもどうかと思うが、たべても太らないリリアナらしいっちゃらしいけどね。
「秋は食べ物おいしいと食べてたのよ。そしたらね。いきなり気分がね?胃のあたりに違和感ってのかな。もういらないって言うの」
「うんうん。少し我慢だな」
みなの待望の懐妊なため屋敷はざわついた。もうね、屋敷中がピリピリムード。リリアナが歩くたびに目が追う。そう、どこまでも。誰もが睨んでるように心配していた。その環境にリリアナは少しね。
「イリアス……あのね」
「みなまで言わなくても分かるが我慢して。これだけは我慢して。みんなの楽しみだからその分心配が増すんだ」
「はーい。がんばりまーす」
恐ろしい監視の中リリアナは日々耐えた。お腹が目立つようになると、誰かしらが隣にいて、ひとりはない。トイレ以外にひとりにはなれなかったんだ。だが、彼女はねっとり絡め取られるような親切や視線に耐えた。そして、
「ご子息ですね。おめでとうございます。リリアナ様、坊っちゃん」
疲れ果てて汗だくだったと分かるリリアナ。整えてはいるが、お産の痛みで辛かったのは言わなくても分かる姿だった。俺が部屋に入る頃には赤ちゃんはおくるみに包まれていた。リリアナが腕の赤ちゃんを愛しそうにのぞき込み、どこか母親らしい表情だ。
「息子でした。イリアス」
「お疲れ様。それとありがとうだな」
「いいえ」
ベッドに近づくと、あなたも抱いてって渡された生まれたばかりの俺の子。誰ににてるとかはどうでもいい。無事に生まれたことが嬉しいし、リリアナが無事なことに安堵した。
「横にならなくて平気か?疲れてるだろ?無理して置きてなくていい横になれ」
「え?う、うん。でもみんなまだいるし」
気にしなくていいそうしなさいと乳母に来てくれた叔母。そう、クリスティンの奥様の叔母上が乳母となり来てくれたんだ。だが俺は恐縮してしまう。あちらも大変なはずと聞いていたからだ。だから別の伯母に頼んでて……
「あの……ご迷惑では?そちらにも赤ちゃんがやってきたと伺ってますが」
「ああ……それね。なしになったの。お相手のお嬢様が赤ちゃんくれなかったのよ」
「え?」
叔母の話によれば、叔父の街の大店の娘さんだったが、このお嬢様はクリスティンの容姿に子供の頃から憧れがあった。あのような方を夫にと考えていたが現れず。ならばと親の反対を押し切り妾となる。そしてめでたく懐妊。夫はそれほど欲しいとも考えていなかったお嬢様で、お仕事バリバリの才女でもあった。
「懐妊が分かった時点でクリスティンに冷たくなり始めたらしいのでわ」
「「へえ……」」
妾となろうが実家の仕事はそのままやり続けた方。跡継ぎになれる男の子だったから親も納得してしまう。そして赤ちゃんが元気に生まれたら、妾解消してくれとなったらしい。叔父はかわい子ちゃんを手放したくなく、ごねたらしいけど(賢く自分の欲に忠実さも魅力だったらしい)後は適当に店から夫を見繕う。願いは叶ったから貴族の後ろ盾もいらない。あなたのその美しさが欲しかっただけだったと言い切られ、仕方なく手を引いたらしい。あらら……
「初めてなのよ。子を渡さなかったお嬢様。わたくしもびっくりしちゃってねぇ」
「「それは……」」
伯母は久しぶりの男の子と聞いてきたから楽しみでもあったのよねえって憂い顔でため息。俺とリリアナも驚いていた。貴族との関係は家のためや自分の出世のため。もしくは商売の後ろ盾が欲しくて妾になる人が多い。ただ単に美しい子が欲しいなんて初めて聞いたよ。俺も後の言葉がでなかった。
「残念だわって落ち込んでた時、リリアナ様のご懐妊ですもの。わたくし準備は万全でここに来ると決めてましたの。今日から住み込みますからよろしくね。イリアス様リリアナ様」
「はい。こちらこそよろしくお願いいたします」
俺たちはよろしくと頭を下げた。叔母は嬉しそうに微笑む。
「まかせて下さいませ。子育てのプロですもの。きっちりすてきな殿方に育て上げますわ」
そこは心配してない。叔母は何人子どもを育てたやらだもの。産気付いて連絡したら来てくれた乳母が叔母上に変更になったのは驚いた。親父の末の妹エレーヌ様にお願いしてたんだけどね。まあいい。
「わたくしは子供部屋におりますので、リリアナ様は体をいたわってね。イリアス様、当分無理させちゃダメですからね!」
「はい。心得てます」
そして医者の診断後、叔母は赤ちゃんを連れて子供部屋へ。他のみんなもお二人でと消えた。俺はベッド横に椅子を持ってきて座った。そしてリリアナの手を取り、
「改めて、お疲れ様でした」
「えへへ。うん」
俺はもっと近くに、触れたくなってリリアナの枕元に座り抱き寄せた。リリアナの体は少し熱く、大変だっただろうと労ると、
「ちゃんとした赤ちゃんだったでしょ」
「そんなの心配してないよ。ありがとう」
「んふふっ」
この言葉でリリアナがどれだけ噂を苦しく思っていたかが分かる。俺は、こんな時までそんなことが頭をよぎる彼女に胸が締め付けられたんだ。
この日から屋敷はふわふわとした幸せに包まれた。親父たちが死んで火の消えたような屋敷。俺の結婚で息を吹き返し、そして後継ぎが生まれた。みんなの待ちわびた後継ぎだ。
「子息でしたな。ならば我らの孫は役に立つ。遊び相手になりましょうぞ」
「そうね。まだ先だけど」
「そうだなあ。動物を買うのはどうでしょう。なんとなく温室の話が流れましたし、いや、今から用意するか?」
「いやいや、公爵領の売上減は温室分くらいよ。少し待つか、賠償金を使うか?」
「いや、あれは窮地の時にために取っておこうよ。船が沈没とか不測の事態のためにさ」
「それもそうだな」
俺が書類に向かってると前からこんな会話。賠償金は俺のなの。俺個人のなのよ。領地の金じゃない。おいジジイども分かってる?と顔を上げた。
「え?……あれ公共の金にならないの?」
「なりません」
「ええ?俺らはてっきり……」
何がてっきりだ。領主の金は領地の金となぜ思う。個人的な金もあるんだよ。小遣い以外にもな。お前らだってあるだろ。まったくもう。
「あの金は跡継ぎたる俺の個人のお金だ。叔父や他の兄弟は放棄した。だから俺の金」
「ええー……」
「えーじゃないッ」
出せよその金。領地運営費に組み込むからって。出さねえよ!と揉めてると、叔父のクリスティンが何ごと?と颯爽と入って来た。
「なに揉めてんの?」
「いや前当主の賠償金を運営費に回せって言ってたんだ。坊っちゃん使わねえんだし」
「ああ、あの金か。それは……やめてやれ。親や兄弟が金に変わったもんだからさ。気持ちは分かるけど」
そう?と残念がる家臣のジジイども。でも叔父がこの昼間の時間に屋敷に来るのは久しぶりだな。遅い時間が多いのに。
「どうされました?」
「うん。お前の母上の退院の許可がおりた。だが、この屋敷には思い出が多く戻りたくない。どこか屋敷を買うか、別の場所に建築してって言いに来た」
「そうですか。やっと……」
叔父は茶を出せとソファにどっかり座る。俺も手を止めてソファに移動した。
俺も回復の兆しが見え始めた頃から定期的に見舞いには行っていた。でもぼんやりしてた時間は長く足腰弱っててなあ。中々退院の許可が降りなかったんだ。だから散歩をしたり、細くなった食事を人並みに取れるよう訓練したんだ。頭だけならとっくに元気にはなっていて、家のこととか報告してたんだ。俺たちはお茶をすすりながら、
「敷地内に建てる……は無理か。希望は聞いてきましたか?」
「うん。落ち着いた小さな村みたいなところでいいってさ。隠居生活ってのか。そうしたいって」
「そう……ですか」
そんなことは確かに言ってた。噂話など聞こえずメイドと少しの使用人だけでいい。穏やかに過ごしたいって。屋敷に帰ると思い出に押しつぶされそうだし、悲しみに暮れるのは避けたいって悲しそうに笑ってたもんな。
「たまに赤ちゃん見に泊まりに来る分には気にしないんだが、生活となると景色までは変えられんからな」
「はい。よさそうなところを探します」
「見つけたら退院たな」
俺はこれからクリシュナ王国に行く。売り上げが大きく店増やすからって。え?息子に行かせろよ。あんた最近屋敷に来ないだろと言えば、鳩にマメでっ棒のような顔をする。
「え?だって俺いらないだろ。もうお前ひとり立ちできてるしさ」
「それとこれは違うでしょ。親代わりなんだろ。アドバイスとかさ」
「いらんだろ。家臣もいるしさ。それに妻も提供したし、な?」
「はあ」
その浮ついた声色に、みなピクッとして叔父を睨んだ。かわい子ちゃん捕まえたな?と疑いの目だ。
「お前……まただろ。いい歳なんだから控えろよ」
「やだよ。俺は死ぬまでハンターよ。女の尻追いかけない俺に価値はない」
「バカだろ。なら子は控えろ」
「あ~善処はする」
「善処じゃねえんだよ。イリアスに当主は代替わりしたんだ。迷惑かけんな!」
「ああそっか。なら息子に言い含めるわ」
「「バカッ」」
家臣のおじ様……俺の言いたいことを代弁してくれるのか。ありがと。こんな時はおじ様たち役に立つ。
「叔父上。息子にも迷惑かけちゃダメですよ。もう寿命は短いんだから、立つ鳥跡を濁さずですよ」
なにいってんだ?と俺を見つめ、腰に手を置き偉そうである。
「フハハッ俺の辞書にその言葉はない。無様に死のうがそれはそれ。後を頼むな。じゃあ店が完成したら視察に来いよ。またな」
「え?叔父上どこに行くの!待てよ!」
素早く立ち上がると扉に向かって一直線。こんなところは若者ばりの俊敏でさあ。あ~あ。
「赤ちゃん見たら本気でクリシュナに行くぞアレ」
「だろうねえ。好き勝手事業を大きくしてるからいいけどさ。私生活もなんとか……」
「ならんだろアレは」
「うん……」
優秀なくせに「英雄色を好む」を地で行く叔父。全くかなわんと脱力していると、
「にしてもさ。クリスティンは端に置いて」
「なに?」
「公爵領なんだがなあ」
「その後どう?」
おじ様たちは一気にげんなり。これまた困ってるって。やっばり?と聞けば、ウンウンとうなずく。あー……面倒くせえ。やっぱ撤退だろ?と俺の頭は撤退の文字しかなかった。
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