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27 アレッシオとの赤ちゃん
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半年間ふたりの目は厳しく、常に監視状態で無事出産。そして先生からエッチの許可が出る頃には祭りは終わっていた。またかよ。
「でもいい。赤ちゃんかわいい」
「どっちの子だろうな」
「うん。エルに似すぎて分からんな」
「育てば分かるだろ」
「「まあ……」」
髪も目も俺そっくりで判断できる物がなかった。かわいいしか分からん。アレッシオは金髪青い瞳。ベルベルトは黒髪グレーの瞳。俺はブラウンで緑の瞳。うーむ。
「私が思うにはアレッシオ様ですかね」
「「「なんで?」」」
会計のマルクが急ぎだからと部屋に来てて、話の流れに口を挟んだ。俺たちは不思議で聞いたら、分かるでしょって笑う。そうなの?
「赤ちゃんは瞳は緑ですが、髪色が薄いブラウンです。ってことはアレッシオ様。黒髪の遺伝は強いのですよ。だからね」
「ふーん。アレッシオだって」
ベルベルトはマジかあ残念だと苦笑い。アレッシオは俺の子?本当に?ととても嬉しそうになる。
「髪色は絶対なのですよ。理由は分かりませんがそうなる赤ちゃんが多いです」
「そうか。俺の子かアルバーノ。なんとかわいい」
「……僕の子もかわいいはずだよ」
ボソッとベルベルト。不貞腐れてはいるが、赤ちゃんはかわいいのか抱いて離さない。
「貸せよベル」
「嫌だ。仕事にいけよアレッシオ」
「はあ?お前もだよ。ならエルに渡せ」
「ヤダ」
俺が仕事をしている間は店のオメガの裏方に任せている。子育てが落ち着いたから新たに雇わなくていいって引き受けてくれたんだ。それにみんなで育てればいいでしょって。そうだな。
「きっとこの子は美しくなる。エル様と同じようにきっと」
「俺もそう思う」
「僕も」
もうみんな赤ちゃんに夢中だ。暇があれば……つか、無理やり暇を作って部屋に来る。お店の子も行っていい?とか聞いてきてやって来る。そして奪い合い。日中俺が抱っこ出来る時間は少ない。
「よく笑うね」
「うん。ほとんど泣かない」
入れ替わり立ち代わりやって来て抱っこして楽しそうに過ごしている。そう、お前らはな!
「泣いてるよ夜中にな。お前らが構いすぎて興奮冷めやらずで泣き通しだよ。俺は寝不足だ」
「「ごめん……」」
もう仕事に行けよ。客が来るから!とみんなを追い出した。俺母親よ?なのになんで泣き顔ばかりなんだよ。ったく。
「アルバーノ眠い?」
「うーキャハハ」
「そう。母さんは眠いです。少し寝ようよ」
そして抱っこして布団に入る。トントンと体を叩いていると興奮は収まり、アルバーノはウトウト。これ幸いと俺も寝る。夜中のぐずりに対応するために少しでも寝てないと死ぬ。俺は瞬殺で夢の中。
「エルヴィーレ」
「はい。王様」
「名前で呼んでくれ」
「はい。エルフィン様」
多分愛してる。妻とは違う愛だ。ほら俺を受け入れて。そう言って硬く太いモノを押し込まれ……ウーッ俺の知ってる誰よりも太く熱く……
「エルフィン様もっと」
「かわいいエルヴィーレ。愛してると言って」
「うん……愛してます」
「ああ。私も愛してるよ」
そして気持ちよさにドクンっ俺は射精の感覚で目が覚めた。そして下着に手を入れると勃起してて……出ちゃってた。夢精かよ。してねえからなあ。この間先生が来てさ。
「お前アレッシオと寝たそうだな」
「……はい。我慢出来ずに」
「ばかやろう。お前らの種族は何でか知らんが、産んですぐ妊娠することが多い。言ったろ!」
「いえ……祭りに参加するなしか」
「言い訳するな!」
「ご、ごめんなさい」
知らなかったんだが、出産後なんかの不具合で卵?っていうのかな。それが生まれてそこでエッチすると妊娠するらしい。そして失敗は死あるのみ。
「死なない場合もあるけど、死んだ方がましって寝たきりが数年続く。魔法も何も効かないんだ」
「はい……」
「エッチしたいなら番以外の別の人としろ」
「はい」
赤ちゃんの成長の診断に来てくれた時に叱られてさ。(通りがかりに思い出したと寄ってくれたんだ)それからふたりは怯えて抱いてくれなくなった。半年は気をつけろってさ。次は産んで一年は明けて欲しい。ダメでも半年は妊娠して欲しくない。統計的にそうだからって長生きしたけりゃ守れと先生は怒鳴った。アレッシオたちは怯えてはい!て叫んでたもんな。
「綺麗になーれ」
俺は下着の中の不快感を取った。先生に他の人とやれって言われたのが心に残ったんだろうな。それでエルフィン様を思い出したのだろう。隣ではスヤスヤと眠ってるアルバーノ。さてもう一度寝るか。いくら寝ても寝れるくらいなんだ。
そして火が付くような泣き声で目が覚めた。うん。始まったな。おっぱい上げてなおも泣く。こうなるとダメ。うーむ。俺は仕方なくおんぶして裏口から出る。そして近くの広場に行くと、似たような人が大泣きの赤ちゃんを眠い目であやしている。そう、俺ばかりじゃないんだよ。
「エルヴィーレ。お前もか」
「おう。今夜もだよ」
中々だよなあ。かわいくて堪らんがこれは正直辛い。でもさ、夜泣きする子は美しくなるなんて迷信もあるだろ?それを信じてんだと近所の老舗店「深海の囁き」の店主の奥様マーリンは力なく笑う。
「お前の子もそうなら期待出来そうじゃないか」
「アハハッどうだろうね」
四~五人いる母親はみんな近くの老舗店、食堂や宿屋のお母さん。この外壁で囲まれた地区は貴族の血がある人が多いんだ(後で知った)。そして赤ちゃんの泣き声の中にオメガの鳴き声も混ざるカオスな広場。でもここはそんなもん。
「エルヴィーレの子は誰の子?」
新参の夜中友だちの「純白のマグノリア」の奥様チェリオ。彼は突然だったそうだ。脈絡もなくいきなりつわり。彼は十代と若く、とてもびっくりしたそうだ。そして今は夜泣きで家にいられないから来ている。俺と同じだ。他もだけどな。
「多分アレッシオかな。髪色が黒じゃないからって店の者がさ」
「ああそっか。黒髪の人が夫や妻だと子は黒髪になるもんな」
「うん」
俺たちは夫はひとりだから疑いようもないけどさ。ふたりだと初めの子は気を使うだろ?番になった順の方がいいと聞くしって。まあね。
「でもアレッシオもベルベルトもどっちでも構わないって言ってた。どっちの子でもかわいいからって」
「ふーん。嘘ついてんじゃねえの?アレッシオはその子がベルベルトの子だったらモヤモヤしたんじゃ?」
「そうそう。俺も初めて聞いた時そう思ったもん」
みんな酷いな。俺の旦那たちはそんな人たちじゃない。それになんでお前らよそんちのことには楽しそうなんだよ。
「わかんねえぞ。腹の中を全部話すなんてしねえだろ」
「そうそう。エルは旦那に全部話すのかよ」
「いやまあ……隠し事はしないようにしてるよ」
「「ふーん」」
さすがエルヴィーレ。ボンは甘いなって。お前は世の悪いところを見なさすぎだ。夫婦はいろいろあるんだぞ?知ってるか?と。知ってるわい!
「一応娼館の主だし、見聞きはするさ」
「いやいや。エルヴィーレは都合よく聞いてるだろ。じゃなきゃこの歳で、こーんなエルフみたいな純粋でーすなんて顔してらんねえよ」
「ひどっ」
世の中聞きたくないようなこともあるんだぞ。誘拐されて大切にされてとかなんなの?それも本国の王様の愛人?意味分からん。みんなウンウンと頷く。やめろ。
「だってそうだったんだもん。みんな貴族の人がよくしてくれたんだもん」
なんか言い訳が思いつかなくて変な口調になる。追い詰められたような気がしてしまった。
「そんなところだろ。責められるとかわいくなる。アルファや男はみんなそれに仕方ねえなあってなるんだ。エルの特技だな」
「ひどい!そんなつもりないもん!」
「なくてもお前はかわいい。ほんと卑怯なくらいかわいくてさ。俺もそんなだったらなあとか思うよ」
「まったくな。オメガでも抱きたくなるかわいさ。ムカつくを通り越して呆れるよ」
「ひどい!」
みんなは俺をのけものにしワイワイと悪口に変わる。みんなひどいわ。どの赤ちゃんも鬼泣きの会話である。
「でもさ。エルの兄貴は……」
「うんうん。娼館の子って感じだよね」
「ああ腹黒そうだもんな。そんでやり手だしうちによく来ててさ。店の子を立てないくらい抱きつぶして帰るんだよ」
「「へえ。さすがだな」」
兄貴まで飛び火した。俺は恐る恐る近づいて、
「俺はどっか変なの?」
「いいや。素直過ぎて不気味なだけ」
「ひどい!」
仕事出来るのにこんな素直とか、周りがどんだけ気をつけて育てたか分かるよな。俺は大切にはされたけどここまでじゃない。なあみんなとマーリン。みんなもウンウンって。
「まあいいや。エルヴィーレとか顔役の素直さで島は活気づいてるし、遊びに来る人も増えた。そのままでいてくれ。俺の子は泣きやんだ。帰る」
気がついたらみんな泣き止んでいて、草むらの奥の喘ぎ声だけになっていた。
「また明日な」
「うん。またね」
散り散りに帰っていく。むーん。俺いじめられただけかよ。はあ……仕方ねえだろ。こんなふうに育ったんだしさ。変えられねえもん。みんなひどいわ。アンアンと草むらの鳴き声だけになる。もっとぉとか聞こえ、それ以外は静かで虫の声くらい。その静寂?に心細くもなり、
「俺も帰るか」
背中を見るとスヤスヤ眠る我が子。眠ってくれたのは嬉しいけど、モヤモヤしたまま俺は店に向かった。
「でもいい。赤ちゃんかわいい」
「どっちの子だろうな」
「うん。エルに似すぎて分からんな」
「育てば分かるだろ」
「「まあ……」」
髪も目も俺そっくりで判断できる物がなかった。かわいいしか分からん。アレッシオは金髪青い瞳。ベルベルトは黒髪グレーの瞳。俺はブラウンで緑の瞳。うーむ。
「私が思うにはアレッシオ様ですかね」
「「「なんで?」」」
会計のマルクが急ぎだからと部屋に来てて、話の流れに口を挟んだ。俺たちは不思議で聞いたら、分かるでしょって笑う。そうなの?
「赤ちゃんは瞳は緑ですが、髪色が薄いブラウンです。ってことはアレッシオ様。黒髪の遺伝は強いのですよ。だからね」
「ふーん。アレッシオだって」
ベルベルトはマジかあ残念だと苦笑い。アレッシオは俺の子?本当に?ととても嬉しそうになる。
「髪色は絶対なのですよ。理由は分かりませんがそうなる赤ちゃんが多いです」
「そうか。俺の子かアルバーノ。なんとかわいい」
「……僕の子もかわいいはずだよ」
ボソッとベルベルト。不貞腐れてはいるが、赤ちゃんはかわいいのか抱いて離さない。
「貸せよベル」
「嫌だ。仕事にいけよアレッシオ」
「はあ?お前もだよ。ならエルに渡せ」
「ヤダ」
俺が仕事をしている間は店のオメガの裏方に任せている。子育てが落ち着いたから新たに雇わなくていいって引き受けてくれたんだ。それにみんなで育てればいいでしょって。そうだな。
「きっとこの子は美しくなる。エル様と同じようにきっと」
「俺もそう思う」
「僕も」
もうみんな赤ちゃんに夢中だ。暇があれば……つか、無理やり暇を作って部屋に来る。お店の子も行っていい?とか聞いてきてやって来る。そして奪い合い。日中俺が抱っこ出来る時間は少ない。
「よく笑うね」
「うん。ほとんど泣かない」
入れ替わり立ち代わりやって来て抱っこして楽しそうに過ごしている。そう、お前らはな!
「泣いてるよ夜中にな。お前らが構いすぎて興奮冷めやらずで泣き通しだよ。俺は寝不足だ」
「「ごめん……」」
もう仕事に行けよ。客が来るから!とみんなを追い出した。俺母親よ?なのになんで泣き顔ばかりなんだよ。ったく。
「アルバーノ眠い?」
「うーキャハハ」
「そう。母さんは眠いです。少し寝ようよ」
そして抱っこして布団に入る。トントンと体を叩いていると興奮は収まり、アルバーノはウトウト。これ幸いと俺も寝る。夜中のぐずりに対応するために少しでも寝てないと死ぬ。俺は瞬殺で夢の中。
「エルヴィーレ」
「はい。王様」
「名前で呼んでくれ」
「はい。エルフィン様」
多分愛してる。妻とは違う愛だ。ほら俺を受け入れて。そう言って硬く太いモノを押し込まれ……ウーッ俺の知ってる誰よりも太く熱く……
「エルフィン様もっと」
「かわいいエルヴィーレ。愛してると言って」
「うん……愛してます」
「ああ。私も愛してるよ」
そして気持ちよさにドクンっ俺は射精の感覚で目が覚めた。そして下着に手を入れると勃起してて……出ちゃってた。夢精かよ。してねえからなあ。この間先生が来てさ。
「お前アレッシオと寝たそうだな」
「……はい。我慢出来ずに」
「ばかやろう。お前らの種族は何でか知らんが、産んですぐ妊娠することが多い。言ったろ!」
「いえ……祭りに参加するなしか」
「言い訳するな!」
「ご、ごめんなさい」
知らなかったんだが、出産後なんかの不具合で卵?っていうのかな。それが生まれてそこでエッチすると妊娠するらしい。そして失敗は死あるのみ。
「死なない場合もあるけど、死んだ方がましって寝たきりが数年続く。魔法も何も効かないんだ」
「はい……」
「エッチしたいなら番以外の別の人としろ」
「はい」
赤ちゃんの成長の診断に来てくれた時に叱られてさ。(通りがかりに思い出したと寄ってくれたんだ)それからふたりは怯えて抱いてくれなくなった。半年は気をつけろってさ。次は産んで一年は明けて欲しい。ダメでも半年は妊娠して欲しくない。統計的にそうだからって長生きしたけりゃ守れと先生は怒鳴った。アレッシオたちは怯えてはい!て叫んでたもんな。
「綺麗になーれ」
俺は下着の中の不快感を取った。先生に他の人とやれって言われたのが心に残ったんだろうな。それでエルフィン様を思い出したのだろう。隣ではスヤスヤと眠ってるアルバーノ。さてもう一度寝るか。いくら寝ても寝れるくらいなんだ。
そして火が付くような泣き声で目が覚めた。うん。始まったな。おっぱい上げてなおも泣く。こうなるとダメ。うーむ。俺は仕方なくおんぶして裏口から出る。そして近くの広場に行くと、似たような人が大泣きの赤ちゃんを眠い目であやしている。そう、俺ばかりじゃないんだよ。
「エルヴィーレ。お前もか」
「おう。今夜もだよ」
中々だよなあ。かわいくて堪らんがこれは正直辛い。でもさ、夜泣きする子は美しくなるなんて迷信もあるだろ?それを信じてんだと近所の老舗店「深海の囁き」の店主の奥様マーリンは力なく笑う。
「お前の子もそうなら期待出来そうじゃないか」
「アハハッどうだろうね」
四~五人いる母親はみんな近くの老舗店、食堂や宿屋のお母さん。この外壁で囲まれた地区は貴族の血がある人が多いんだ(後で知った)。そして赤ちゃんの泣き声の中にオメガの鳴き声も混ざるカオスな広場。でもここはそんなもん。
「エルヴィーレの子は誰の子?」
新参の夜中友だちの「純白のマグノリア」の奥様チェリオ。彼は突然だったそうだ。脈絡もなくいきなりつわり。彼は十代と若く、とてもびっくりしたそうだ。そして今は夜泣きで家にいられないから来ている。俺と同じだ。他もだけどな。
「多分アレッシオかな。髪色が黒じゃないからって店の者がさ」
「ああそっか。黒髪の人が夫や妻だと子は黒髪になるもんな」
「うん」
俺たちは夫はひとりだから疑いようもないけどさ。ふたりだと初めの子は気を使うだろ?番になった順の方がいいと聞くしって。まあね。
「でもアレッシオもベルベルトもどっちでも構わないって言ってた。どっちの子でもかわいいからって」
「ふーん。嘘ついてんじゃねえの?アレッシオはその子がベルベルトの子だったらモヤモヤしたんじゃ?」
「そうそう。俺も初めて聞いた時そう思ったもん」
みんな酷いな。俺の旦那たちはそんな人たちじゃない。それになんでお前らよそんちのことには楽しそうなんだよ。
「わかんねえぞ。腹の中を全部話すなんてしねえだろ」
「そうそう。エルは旦那に全部話すのかよ」
「いやまあ……隠し事はしないようにしてるよ」
「「ふーん」」
さすがエルヴィーレ。ボンは甘いなって。お前は世の悪いところを見なさすぎだ。夫婦はいろいろあるんだぞ?知ってるか?と。知ってるわい!
「一応娼館の主だし、見聞きはするさ」
「いやいや。エルヴィーレは都合よく聞いてるだろ。じゃなきゃこの歳で、こーんなエルフみたいな純粋でーすなんて顔してらんねえよ」
「ひどっ」
世の中聞きたくないようなこともあるんだぞ。誘拐されて大切にされてとかなんなの?それも本国の王様の愛人?意味分からん。みんなウンウンと頷く。やめろ。
「だってそうだったんだもん。みんな貴族の人がよくしてくれたんだもん」
なんか言い訳が思いつかなくて変な口調になる。追い詰められたような気がしてしまった。
「そんなところだろ。責められるとかわいくなる。アルファや男はみんなそれに仕方ねえなあってなるんだ。エルの特技だな」
「ひどい!そんなつもりないもん!」
「なくてもお前はかわいい。ほんと卑怯なくらいかわいくてさ。俺もそんなだったらなあとか思うよ」
「まったくな。オメガでも抱きたくなるかわいさ。ムカつくを通り越して呆れるよ」
「ひどい!」
みんなは俺をのけものにしワイワイと悪口に変わる。みんなひどいわ。どの赤ちゃんも鬼泣きの会話である。
「でもさ。エルの兄貴は……」
「うんうん。娼館の子って感じだよね」
「ああ腹黒そうだもんな。そんでやり手だしうちによく来ててさ。店の子を立てないくらい抱きつぶして帰るんだよ」
「「へえ。さすがだな」」
兄貴まで飛び火した。俺は恐る恐る近づいて、
「俺はどっか変なの?」
「いいや。素直過ぎて不気味なだけ」
「ひどい!」
仕事出来るのにこんな素直とか、周りがどんだけ気をつけて育てたか分かるよな。俺は大切にはされたけどここまでじゃない。なあみんなとマーリン。みんなもウンウンって。
「まあいいや。エルヴィーレとか顔役の素直さで島は活気づいてるし、遊びに来る人も増えた。そのままでいてくれ。俺の子は泣きやんだ。帰る」
気がついたらみんな泣き止んでいて、草むらの奥の喘ぎ声だけになっていた。
「また明日な」
「うん。またね」
散り散りに帰っていく。むーん。俺いじめられただけかよ。はあ……仕方ねえだろ。こんなふうに育ったんだしさ。変えられねえもん。みんなひどいわ。アンアンと草むらの鳴き声だけになる。もっとぉとか聞こえ、それ以外は静かで虫の声くらい。その静寂?に心細くもなり、
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