ぱっちのおっさん

蘭爾由

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第四話 ぱっちのおっさん「すんませんっしたー!」

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ぇー……?
えぇー……?
思わず二度見してもうたやん。このおっさん何しとんねん。

すっぴんのおばはんの視線の先には、おばはんのスニーカーに小石を投げ入れようとしているぱっちのおっさんがいる。

寝る前に電気の消し忘れと戸締り確認をしに玄関に来たすっぴんのおばはんは見た。

スニーカーに上手く入らず弾かれた小石を拾いに走っては定位置に戻って繰り返し投げているぱっちのおっさん。

こいつか。
こいつの仕業やったんか。たまに靴にちっこい石入ってるわー思ててん。何してくれてんねん。

何、首振ってんねん、誰もサイン出しとらんやろ。振りかぶって投げんな。また外しよった、ノーコンか。……いちいち定位置戻るのなんなん。首傾げて肩回すな、何か肩の調子悪いなーちゃうねん。やっと入ったか、って感動のあまり膝の力抜けて膝立ちしてからのガッツポーズで空仰そらあおいで吠えるな。

「うおおおおおおおおおお!……あ」

やっと気付いたか。

「なんしとんねん。」

すぅぅぅぅ……とぱっちのおっさんの姿が消えていく。
「おい。」
すかさずすっぴんのおばはんが低い声でドスを効かせると、
「はい、すいません。」
ぱっちのおっさんの姿がクッキリと現れて下ろした腕を膝にのせたので正座して反省しているぱっちのおっさんの図が出来上がった。

「石どけとかんかい。」

「あ、すいません、すぐ出します。」
ぴょーんとスニーカーにダイブして、
「すんませんっしたー!」
スニーカーの中に消えていった。

スニーカーを確かめてみても、石もないしぱっちのおっさんもいなくなっていた。

逃げよった。腹立つわー。
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