スイート・スパイシースイート

すずひも屋 小説:恋川春撒 その他:せつ

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first bite1−1

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これは佐藤裕一郎の知らない琢美のお話し。
時間は少し巻戻る。
今日、見守りカメラで会話した後、長期出張の為の引き継ぎを大方終えて、帰路についた午後六時半。
いつもならば飛んで帰る所なのに、今夜の琢美は、一人、男性向けビデオ視聴用個室ルーム。いわゆるエロ動画を見る男性が主に利用する漫画喫茶みたいな物に3時間予定で個室を取った。
私物のノートパソコンを持ち込んで、ネットには繋げず黙々と作業を始めた。
愛しの裕ちゃんが待つ家に帰る時間を遅らせてでも行っている作業は、言わずと知れた撮れたてホヤホヤの昨夜の裕一郎とのセックス動画の編集だ。
琢美が瞬きの回数を減らして食い入る様に見つめる先には、普段のカラリとした男っぽい立ち振舞からは到底想像出来ない、琢美を求めてあられも無く淫らに鳴く裕一郎の動画が延々流れていた。
昨夜、実物をこれでもかというほど抱き尽した張本人のくせに、男、竹川琢(本名琢美)はゴクリ、と生唾を飲んで喉を鳴らした。
「エロッ」
思わずつぶやいて自分の股間を握った。
画面の中の裕一郎は、トロケた表情で琢美の性器に口づけていた。
『琢美、好き』とくり返し言いながら、リップ音を立てて一心に自分の性器にしゃぶりつく裕一郎は、自分の股間も固くさせていた。
通常サイズにピッタリの寸法で作ったショッキングピンクの貞操帯がギチギチと裕一郎の勃起した物に食い込んでいる。動画の中で自分が『裕ちゃん。オチンチン拘束されて気持ちいいね?』と言うと、裕一郎な生器から口を離す事無く喘ぎ声で返事をしながら腰をくねらせた。意外な事に、裕一郎は相当言葉責めに反応する。言葉責めで余計感じているのだ。
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