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悪夢1-1
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おとぎ話の魔女みたいに、思い通りに魔法が使えたら良いのに。
冷えた発泡酒を無理やり一本一気に飲み干して、溜息を着きながら窓の外の月達を見上げた。
世界は残酷なまでに平等に出来ている。
能力の有る物は富を得やすく、見目の麗しい者は恋愛市場で引く手あまただ。
世界に魔力は溢れてるのに、物語の主人公みたいに自由自在に魔法が使える様な人間はとても少ない。
どんなにそこら中に魔力が漂い人間が体内で魔力を生産できる生き物であっても、それを駆使できる天賦の才を持っている者はごくわずかだ。
かくいうセイラも、体内で大量の魔力を製造できる人間という種で有りながら、せいぜい火柱を一本、氷柱を一、二本作るのが精いっぱいの残念な人間だった。
見た目も、見た者全てに嫌悪されるなんて事は無いものの、好みのタイプを思い通りに落とせる程魅力的というワケも無い。
見た目はともかく、せめて高度な魔術を使える才能が有ったら、きっと多少は人生違っていたのに。
恋愛においてはモテる方が不幸になりやくすは有るが、時々目に付く幸せそうなカップルは、やはり羨ましい。
失恋したばかりのセイラは、夜空を美しい満月大小二個が彩る今夜、晴れ晴れとした美しい月夜と裏腹に、失恋の痛手を抱えて一人自分の部屋で泣き崩れていた。
「嫌いだ。皆」
誰も聞いていないのを良い事に、質の悪い愚痴を言って、飲みなれない発泡酒をまた煽った。
全然美味しくないけれど、飲むしかなかった。
だってもう、ストックしたこの大量の発泡酒を喜んで飲んでくれる人はこの部屋には来ない。
冷えた発泡酒を無理やり一本一気に飲み干して、溜息を着きながら窓の外の月達を見上げた。
世界は残酷なまでに平等に出来ている。
能力の有る物は富を得やすく、見目の麗しい者は恋愛市場で引く手あまただ。
世界に魔力は溢れてるのに、物語の主人公みたいに自由自在に魔法が使える様な人間はとても少ない。
どんなにそこら中に魔力が漂い人間が体内で魔力を生産できる生き物であっても、それを駆使できる天賦の才を持っている者はごくわずかだ。
かくいうセイラも、体内で大量の魔力を製造できる人間という種で有りながら、せいぜい火柱を一本、氷柱を一、二本作るのが精いっぱいの残念な人間だった。
見た目も、見た者全てに嫌悪されるなんて事は無いものの、好みのタイプを思い通りに落とせる程魅力的というワケも無い。
見た目はともかく、せめて高度な魔術を使える才能が有ったら、きっと多少は人生違っていたのに。
恋愛においてはモテる方が不幸になりやくすは有るが、時々目に付く幸せそうなカップルは、やはり羨ましい。
失恋したばかりのセイラは、夜空を美しい満月大小二個が彩る今夜、晴れ晴れとした美しい月夜と裏腹に、失恋の痛手を抱えて一人自分の部屋で泣き崩れていた。
「嫌いだ。皆」
誰も聞いていないのを良い事に、質の悪い愚痴を言って、飲みなれない発泡酒をまた煽った。
全然美味しくないけれど、飲むしかなかった。
だってもう、ストックしたこの大量の発泡酒を喜んで飲んでくれる人はこの部屋には来ない。
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