壊れた玩具と伝説の狼

すずひも屋 小説:恋川春撒 その他:せつ

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壊れた玩具1-6

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何よりセイラを驚かせたのはヤシダの恰好で、黒の丈の長いジャケットを裸の上にはおり、下は股間だけ布が無いボトムという正に性奴隷そのモノと言ったいで立ちだった。
下着までぎりぎり性器を包む布が有るだけの滑稽な下着だった。
ヤシダの様子は、セイラと違って、喜んでダイアスに身を任せている様に見えた。
あんなに他人を見下していたのに・・・。
不思議な事に、セイラの目には昔のヤシダよりも今のヤシダの方が精神的に落ち着いている様に見えた。
ダイアスが、セイラを横目で見ながら使用人達に指示を出した。
はもうどうにもならん。回復魔法の効き辛い内臓が壊れている。いくら俺でもここまで壊れていては治せない。死に掛けてる内に例の湖へ放り込んでおけ」
投げやりにそう言って、自分はヤシダを壁際まで引きずる様に連れて行き、壁に張り付かせ、いきなり尻を叩き始めた。
尻を叩かれたヤシダが甘く嬌声を上げながら尻を付き出していた。
てっきり芝居かとセイラは思ったが、ヤシダは股間を膨らませて次の張り手をせがんでいた。
(なんて滑稽なんだろう)
セイラには馬鹿馬鹿しい状況にしか思えなかった。
そうこうしている内にセイラは使用人達に抱えられ、外に引きずりだされた。
つま先が擦り剝けていたけれど、痛みすら感じなかった。
外に引きずり出されたセイラは一台の馬車に乗せられた。
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