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春のススキと白い息1ー14

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セイラは内股気味に膝を立てて、アヤから勃起してしまった自分の性器を隠したが、その体制はむしろ後ろが丸見えで、まるで後口にいれて貰うのを待っている様にしか見えなかった。
それを分かっているのか、いないのか、セイラはその体制のまま、泣きながらアヤに謝った。
「ごめん。
 僕、分かってるんだ。アヤがやろうとしてる事。
 痛い思いや、怖い思いをさせて、死にたいって気持ちを消そうとしてる。そうでしょう?
 ごめん、でも僕、た、たまらなく、なっちゃって、どんどん・・・。
アヤに食べられるかも知れないと思ったら、すごく、堪らなく、なっちゃっ・・・て」
頭では分かっているのだ。セイラのこの心の動きは正常じゃない、自分は変だ。
ただ、心が追い付かなかった。
セイラは自分が情けなくて、アヤに合わせる顔が無くて、両手で顔を隠したが、隙間から見える頬の色は情欲に染まって、アヤを誘った。
それは、アヤが思わずゴクリと喉を鳴らす程に色っぽかった。
「お前、そんなに死にたいのか」
アヤが呟くように、ため息と共に言った。
「違う」
返答するセイラの声は小さかった。説得力が無いのは分かっていた。
身体中のアヤに噛まれた所がジンジンしていた。
微かな電気で身体中感電している様な、淡く痺れている様な、甘い焦燥。
さらなる痺れを求めてセイラの体は勝手に発情していた。
アヤがセイラを食おうかと、噛み続けた時のあの光景、思い出しただけでも全身が戦慄いた。
迫り来る鋭い牙が並ぶ大きな獣の口。セイラの体は、露店で安く売られている子供のおもちゃみたいになす術もなく、口の中に入っていった。

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