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春のススキと白い息4ー9
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セイラは勝手に喋りながら山の中をブラブラと歩き、狼はその後を、横を、嬉しそうに寄り添って歩いた。
「うーん、何か呼び名がないとやっぱり不便だね」
「おぅん。わんっ」『おぉ、名前という単語は知っているぞ!人間が生き物を個別に管理するための言葉だ』
「よし、名前を着けてあげよう!」
「キューン」『お前の名前を教えてくれるのか?』
酔っぱらいセイラと狼の会話は、全くと言って良い程、噛み合ってなかった。
「何が良いかなぁ」
「アォン、アフ、アフ」『何というんだ?お前の名前は』
「─何か君、誰かに似てるんだよね。凄く。
あー!。あれだ!その強面の癖にやたらと人懐っこい所があの人に似てるんだ!」
「キュゥン?」『名前を教えてくれるんじゃないのか?』
「『アヤ』!君の名前は『アヤ』にしよう!」
セイラはしゃがみ、狼と視線を合わせながら
「よろしく、アヤ。僕は『セイラ』だよ」
と、笑顔で言った。
「アォン」『アヤ?セイラ?』
「アーヤ。アヤ!おいで!」
「アゥィン?」『もしかして、それは俺の名前か?』
「あはは、可愛い!首かしげてる。
君の名前だよ。アヤ」
「アォン!」『アヤ!分かりやすくて良い名前だな!俺はアヤだ!』
「あははははっ本当にそっくり!
アヤはね、僕が小さい頃、近所にお店を構えてた、飴屋のお兄さんの名前なんだ。
凄く優しくてね、よく遊んでもらったんだ」
「ワンワン」『何かよく分からんが、良い名前なんだな!流石俺の番だ!素晴らしい!』
基本、一夫一妻制の狼にとって、番とは物凄く特別な存在だ。
番が出来たと思い込んでいるこの若い狼、改め、アヤの浮かれようは相当な物だった。
名前を貰っただけで、嬉しさ余って全力でセイラに体当たりした。
「うーん、何か呼び名がないとやっぱり不便だね」
「おぅん。わんっ」『おぉ、名前という単語は知っているぞ!人間が生き物を個別に管理するための言葉だ』
「よし、名前を着けてあげよう!」
「キューン」『お前の名前を教えてくれるのか?』
酔っぱらいセイラと狼の会話は、全くと言って良い程、噛み合ってなかった。
「何が良いかなぁ」
「アォン、アフ、アフ」『何というんだ?お前の名前は』
「─何か君、誰かに似てるんだよね。凄く。
あー!。あれだ!その強面の癖にやたらと人懐っこい所があの人に似てるんだ!」
「キュゥン?」『名前を教えてくれるんじゃないのか?』
「『アヤ』!君の名前は『アヤ』にしよう!」
セイラはしゃがみ、狼と視線を合わせながら
「よろしく、アヤ。僕は『セイラ』だよ」
と、笑顔で言った。
「アォン」『アヤ?セイラ?』
「アーヤ。アヤ!おいで!」
「アゥィン?」『もしかして、それは俺の名前か?』
「あはは、可愛い!首かしげてる。
君の名前だよ。アヤ」
「アォン!」『アヤ!分かりやすくて良い名前だな!俺はアヤだ!』
「あははははっ本当にそっくり!
アヤはね、僕が小さい頃、近所にお店を構えてた、飴屋のお兄さんの名前なんだ。
凄く優しくてね、よく遊んでもらったんだ」
「ワンワン」『何かよく分からんが、良い名前なんだな!流石俺の番だ!素晴らしい!』
基本、一夫一妻制の狼にとって、番とは物凄く特別な存在だ。
番が出来たと思い込んでいるこの若い狼、改め、アヤの浮かれようは相当な物だった。
名前を貰っただけで、嬉しさ余って全力でセイラに体当たりした。
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