魔獣の姫に黒の騎士

すずひも屋 小説:恋川春撒 その他:せつ

文字の大きさ
34 / 124

アルテミナとガルゴ4

しおりを挟む
「なんだ、もう通常運転か・・・。」
「何の事ですか?」
先ほどの、プロも顔負けの濡れ場を見せていた時とは、打って変わったいつも通りの冷たい声に、内心落胆しつつ要求された内容に違和感を感じて一先ず話を聞く事にする。
「・・・・人間嫌いのお前が、研究を邪魔しちまった俺に早くどっか行けと言うのは分かるだが、何故魔封じの枷を欲しがる?何に使うつもりだ、コレは『貸して下さい』『ハイどうぞ』なんつって気軽に貸せられるモンじゃネェぞ。」
そんな事は知っている。ウロボロス騎士団が使っている魔封じの枷は強力だ、対上位魔族用に開発された物なのだ、魔導士の力ですら封じる事が出来る。だからガルゴに貸せと言ったのだ。
黙って何と説明したものか悩みながらも察しの悪いガルゴに焦れて、サナリアがガルゴを睨め着けた。
「・・・・何だ、俺に説明出来ない様な事に使うのか?悪い事しようってんじゃネェだろう?。」
旨い言い訳が思いつかず、仕方ないので正直に話す事にした。
「自分で使うんですよ、ここから魔法で街に飛んで男漁りに行かない様に。」
「・・・・ぁあ?!。」
流石にサナリアも真っ赤になってガルゴから目をそらした。
ガルゴはガルゴで恋するサナリアのビッチなセリフに目を向いた。
「・・・サキュパスの花という植物型魔獣をご存知ですか?」
「あぁ・・・強烈なエロイ幻覚で人間や動物騙して食うヤツだろ?。」
「そうです、近年、チェチェイカでその催淫効果だけを精製する方法が発明されて、今や催淫剤の原料はこれが主流になりつつ有る位コストパフォーマンスが良いと言われています。何せ少量で絶大な効果が有りますから、一回の精製物を薄めて何倍にも増やせる。」
「それがどうかしたのか?。」
「アレのほぼ原液を飲まされた事が有るんです。私。人身売買組織に狙われた事が有りまして。」
「なんだって!?オイそれっ。」
問いただそうとするガルゴを片手を挙げて征した。
「今は時間が無いのでソコは省かせて下さい。イヤもう本当に薬の効果は絶大でした。私も男なんで。とにかくセックスの事しか考えられなくなって抜いても抜いても収まらないんですよ。」
サナリアは焦っていた。
ガルゴには『三時間』と言ったが、それは長くても三時間という事で、実際はいつサナリアの体温に温められた『紫スライム』の幼体が卵から孵るのか知れた物ではない、そうなったら断続的に『食事』が始まるはずだ。
以前のただのスライムの時ですら酷い有様だったのに、今回は『紫スライム』だ。
しかも量が前回の比ではない。
卵が孵り始めたら自分がどうなるか分からない。
「・・・・見境なくして誰でも良いからとにかくセックスしてくれる相手が欲しくなるんです。」
衝撃的な告白にガルゴは憤りを感じるが、過去の話では手も足も出ない、無事だったからこそここにサナリアが居るのだと思うしかない。
「その時は・・・どうしたんだ・・・・。」
まさかそのまま悪漢共の餌食にでもされたのか・・・。
ガルゴの表情を読み取って、サナリアは『まさか』と片手をゆるく一回振りながら、かぶりを振った。
「完全に回る前に逃げ出して、クイブ師匠に泣きついたら、魔封じの拘束具で簀巻きにされて地下室に放り込まれました。」
「まさか・・・・アンタ師匠と!?」
「・・・・どこまでも悪い方に考える人ですね。・・・まあいいです。あの人はネコ専門です。しかも好みのタイプはマッスル系ですよ、のたうち回る私を指さして笑いながら酒飲んでましたよ。」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

黒豹拾いました

おーか
BL
森で暮らし始めたオレは、ボロボロになった子猫を拾った。逞しく育ったその子は、どうやら黒豹の獣人だったようだ。 大人になって独り立ちしていくんだなぁ、と父親のような気持ちで送り出そうとしたのだが… 「大好きだよ。だから、俺の側にずっと居てくれるよね?」 そう迫ってくる。おかしいな…? 育て方間違ったか…。でも、美形に育ったし、可愛い息子だ。拒否も出来ないままに流される。

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

竜の生贄になった僕だけど、甘やかされて幸せすぎっ!【完結】

ぬこまる
BL
竜の獣人はスパダリの超絶イケメン!主人公は女の子と間違うほどの美少年。この物語は勘違いから始まるBLです。2人の視点が交互に読めてハラハラドキドキ!面白いと思います。ぜひご覧くださいませ。感想お待ちしております。

前世が教師だった少年は辺境で愛される

結衣可
BL
雪深い帝国北端の地で、傷つき行き倒れていた少年ミカを拾ったのは、寡黙な辺境伯ダリウスだった。妻を亡くし、幼い息子リアムと静かに暮らしていた彼は、ミカの知識と優しさに驚きつつも、次第にその穏やかな笑顔に心を癒されていく。 ミカは実は異世界からの転生者。前世の記憶を抱え、この世界でどう生きるべきか迷っていたが、リアムの教育係として過ごすうちに、“誰かに必要とされる”温もりを思い出していく。 雪の館で共に過ごす日々は、やがてお互いにとってかけがえのない時間となり、新しい日々へと続いていく――。

愛を知らない少年たちの番物語。

あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。 *触れ合いシーンは★マークをつけます。

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。

みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。 生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。 何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

処理中です...