上 下
68 / 110

すべては幻、隣の庭は枯れ木の庭 1ー5

しおりを挟む
「この子は私の所に来るまでは、ちょっと特種な娼館に勤めててね。加虐性愛者って分かるかな?」
片腕で抱えたジョアンの体の太ももを、空いているもう片方の手で撫で始めた。
ジョアンは小さく声をあげたがジェイコブ王子は聞こえていないかの様に手を止める事も無かった。
「精神的、肉体的に相手を痛めつける事で性的な興奮や快感を感じる類の者達の事を言うのだけれどね、」
ルークと話しながらもジェイコブ王子の手はジョアンの体を撫でて行く、時折かなり強く肉を掴んだりしていて、その度にジョアンの体はビクビクと跳ねた。
しかし、ジェイコブ王子が撫でたり捻り上げたりを繰り返す内に、抗議の悲鳴を上げていたジョアンの体から次第に力が抜けていき、ジェイコブ王子の手の動きに合わせて色気を放ちながら体をくねらす様に成って行った。
ジョアンは、頬をバラ色に染めて、さっきまでジェイコブ王子の手から逃げ惑っていた腰を、王子の手の動きに合わせて踊る様に揺らめかせた。
「この子はそう言う客ばかりを取る店に長く居たせいで、少し虐めてあげないとイけない子になってしまったんだ」
そう言って、ジョアンの向きをくるりと変えて王子自身に背を向けさせ、膝に座らせた。
ジョアンの両足の間にジェイコブ王子の片足が食い込んだ。
「―――っあぁ!」
ジョアンが背をしならせて大きく痙攣を数回起こした。
ジェイコブ王子が呆れた表情で溜息を着く。
「ジョアン、いくらお気に入りのルーク君に見られてるからって、こらえ性が無さ過ぎやしないかい?」
「も、もうしわけ、ありませ・・・しかし、私はべつにその子を気に入ったワケではっぁぁぁあっ」
ジョアンの抗議はジェイコブ王子によって封じられた。
しおりを挟む

処理中です...