陰陽師の御用達! 式具屋たちばなへようこそ

維社頭 影浪

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六、陽葵のファン

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「寝れなかった……」

昨夜、旭の後に客はこなかった。
返品やじょうがなかったということは自分の札は効果があったのだ、と言い聞かせるも、不安は残っていた。

「おはようございますー」

作業場におりると、兄弟子たちが準備を始めていた。
その中に師匠の姿は見当たらない。

「あれ、師匠は…?」
「師匠なら店先だよ、旭が来てる」
「旭さん⁈」

旭というと、昨日の人。
一気に目が覚めて、陽葵は店先のカウンターに飛び込んだ。

「師匠!」
「おう、陽葵いいところに」

カウンターの向こうには旭。
仕事明けの朝なのに、ニコニコと笑顔だ。

「あ、旭さん……」
「おはようございます、陽葵さん!いや、陽葵様というところかな!」
「さ、ま?いや、あの…その…私の札は大丈夫だったということでしょうか…」
「大丈夫どころか!」

旭はずいっと陽葵に近づいた。

「最高でしたよ!あんな札は使ったことがない!私はあなたのファンになりました!」
「ふぁ、ファンだなんて…」
「昨日お渡ししたお代が足りなかったと、追加料金を払いにきたんです!」
「落ち着けぇ、旭」

師匠が間にはいって、カウンターを飛び越えようとする旭を押さえる。
そして、陽葵に笑顔を向けてきた。

「昨日、夕方にでたあやかし退治で、ずいぶんと役にたったみたいだ。よかったな、陽葵」
「よ、よかったですぅ…」

救われた、またがんばれる。
思わず陽葵はカウンターにせこんだ。
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