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両想い編

34, エピローグ(終)

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「ずるい……ずるい……」

隣でジョンがぶつぶつ呟いている。

エドヴァル様が帰った後問いただされて、王宮から去る前に『夜明けのひばり』の演技を見せた事を話してからずっとこうだ。

「ジョン、もう済んだ事なんだから……」

「でも、俺も見たかった。エドヴァルだけが見たなんてずるい……。」

大の男がこんな事で本気で拗ねている。
……とても面倒くさい。

「ジョン、見せたのは所詮演技だよ。僕はジョンになら本当の気持ちを見せてあげるのに、嘘が見たいの?」

そう言うとジョンが赤い顔でこちらを見た。
よし、後一押しだ。
ぐっと顔を近づけて畳みかける。

「ね、ジョンが欲しいのは嘘の僕?本当の僕?」

これでどうにか機嫌治らないかな。


「……全部。」

その声と真剣な表情にキュンとする間も無く、向こうからさらに顔が近づいてきた。

あっという間に唇に柔らかい感触がして、ぐっと押し付けられる。

キスされてる、と思った瞬間一気に心臓が跳ね上がった。
湧き上がる甘い感覚に頭が痺れたようになる。

しばらく目を瞑ってじっとしていても感触は去って行かなくて、もっとするのかなって期待が膨らんだ。
舌とか入ってくるかな。
口開けたほうがいい?

色々回らない頭で考えるけど、一向にジョンがそこから動く気配がない。
流石に気になって目を開けて頭を離すと、あっさり触れていたところが離れていった。

「……ジョン?まさか……」

「……。」

目の前には、カチコチに固まって動かないジョンがいる。

ちょっと、キスだけでこれってこの先どうすんの!?

思わず胸ぐらを掴みそうになったけど、固まった顔が可愛かったのでほっぺにキスするだけで許してあげた。


(おわり)



————————————-

ここまでお付き合いありがとうございました!

番外でもう少しいちゃこく話が続きます。

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