完結R18BL/君を愛することはないと言われたので、悪役令息は親友になってみた

ナイトウ

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エピローグ2



部屋に入れば、かつて会った二人の大臣が座っていた椅子から立ち上がる。

「カナト様!よくぞお戻りに。大公様もお元気そうで何よりです。お二人並ぶ姿を拝見出来て本当に嬉しく思います。」

ロバートさんに満面の笑みで挨拶してくれる。

「ありがとうございます。あの、お礼を言わせて下さい。オージ、じゃなくて、オズバルドを助けていただいてありがとうございました。」

「大公様は我々にとっても大切なお方ですので、お礼には及びません。あの、大公様の呪いを解かれたのはカナト様だろうと、回復した後大公様が仰っていましたが本当でございますか。」

エディオさんがかしこまって尋ねてくる。

「あ、はい。そうなんです。向こうに戻ったら魔法が使えるようになっていて、それでどうにか。」

「であれば、お礼を申し上げるのは我々の方でございます。スマラルダスの大臣一同、深く御礼申し上げます。」

二人並んで深く礼をするエディオさんとロバートさん。

「失礼ですが、僕はもうこの国の大公ではありませんので、呼び方を改めて頂けますか。」

オージが二人に言うと、二人は体を起こしてブンブン頭を振った。

「まさか!大臣一同、この国と大公様しか仕える者がおりません。今日も、ご判断をお考え直し頂きたく参りました。」

「カナト様にお願いに来たのです。どうか、大公様にこの国の元首としてご在留頂くようお話し頂けませんか。私の妻も、ことの他反対していまして……。」

「ロバート、この件は僕が決めたことだから、カナトを巻き込むのはやめてくれないか。」

「いいえ、カナト様とは退位前にご結婚されたのでしょう?であれば、カナト様は我が国のお妃様です。大公様の進退について、ものを言うお立場のはずです。」

エディオさんがすかさず言い返す。
二人からは、どうあってもオージを引き止めようと言う並々ならぬ執念を感じる。

「あの、俺……。」

話し始めた俺をみんなが見る。

「俺の1番はオージだから、オージがそうしたいって言うなら俺はそれを否定したくない。」

その言葉に、少しホッとした顔をしたオージをじっと見た。

「でもさ、オージ。本当に、辞めたいの?大公でいるのが嫌になった?」

そう尋ねれば、オージの瞳が明らかに揺れる。

「嫌になるわけ、無いじゃないか。でも、僕はこの国のために使うべき魔法を一度は捨てたんだ。そんな僕に、大公でいる資格はないよ。」

オージが眉を下げて力なく言う。
大臣さんたちは驚いた顔でオージを見た。多分、こんなオージの気持ちは初耳だったんだろう。

「大公様、そのようにお考えだったんですね……。」

「全く!全くそんな風に思う必要ございませんから!」

「貴方たちにそう言って頂いても、僕が僕を許せません。」

頑ななオージに、二人とも困った顔をしている。

「それじゃあさ、この国の人に国民投票で聞いてみればいいじゃん。」

「コクミントウヒョウ?」

大臣たちが俺を見る。

「そうそう。俺の出身国だと、裁判官の信任投票を何年かに一度するんですよ。で、オージが大公をしていいかどうかを国民に投票してもらったら。賛成多数だったら、オージには大公になる資格があるってことでどう?」

オージの様子を見ると、まだ納得していない顔をしている。

「オージはさ、何でも一人で出来ちゃうし、一人で決めちゃうけど、たまにはいいじゃない。オージの事を他の人が決めても。」

オージはしばらく何も言わなかったけど、やがて

「分かった。この国のみんながもしまたチャンスをくれるなら、今度こそ精一杯役目を果たすよ。」

そう言った。
その言葉に大臣二人は大喜びの様子だ。

「では、さっそく国民信任投票制度の法案を作ります!」

「私は全国民が投票できる体制の運用計画を策定します!」

各々の準備をするべく、慌ただしく帰って行った。

「カナトはよかったの?もしこれで僕がまた大公になったら、カナトもこの国で暮らしてもらうしかないけど。」

二人を見送った後、応接室でそんな風に聞かれた。

「そんな事覚悟してるからプロポーズしたんだよ。たまに里帰りくらいはさせて貰うし。」

申し訳なさそうにしているオージに笑いかけると、抱き寄せられたので俺もオージの背中に腕を回して抱きしめ返す。

「カナト、愛してる。」

オージが甘えるように俺の頭に頬を擦り寄せて言った。

「うん、俺もオージのこと愛してる。」

オージの胸に顔を埋めて思いっきり吸い込むと、何だか胸が詰まってドキドキしてくる。
そのままオージにひっつきながら吸って堪能してると、オージの腕が降りてきて俺の尻を撫で始めた。

「あっ……オージ?」

ちょっと、これは完全にいやらしい手つきだぞ。

「ベッドに連れて行ってもいい?」

案の定、オージが耳元で誘惑してくる。

「お願いします……。」

断る理由なんてあるわけがない。

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