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転生したら賢者ポジだったけど魔王激推し《Sideジーク後編》3
今日もアイツは上機嫌で料理をしている。
頬を染めてニヤニヤしていたかと思うと、突然えづき出した。
「うっ、おぅえっ」
「おい、何だ今の音。死期が近いのか。」
いきなりの事に何かあったのかと心配になるけど、自分の気持ちがバレないようにわざと悪態を吐く。
最近一緒に過ごす時間が増えて嬉しいけどまずい事もある。
油断するとつい想いが溢れて行動に出てしまいそうになるからだ。
キッチンに立つアイツを後ろから抱きしめたくなったのも一度や二度じゃないし、ダイニングテーブルに押さえつけて犯す妄想が溢れて止まらない時もある。
「少しスパイスに噎せただけだ。心配してくれてありがとう。」
「別に心配してない。」
内心を見抜かれて焦って否定した。
コイツは俺が何か悪態をついても、裏にある本心をズバッと見抜いてくる。
誤解されてなくて嬉しい反面、俺がコイツを好きなことまでいつか見透かされそうで怖い。
その後もアイツはテキパキと作業を進めて、ベーコンと野菜が絡まった美味しそうなクリームパスタをテーブルに並べた。
「ジークライト君、お待たせ。出来たよ。」
いつの間にか俺を下の名前で呼ぶようになったコイツ。
俺は未だに変に意識してしまってまともに名前で呼ぶことすらできていない。
ソースから立ち上るミルクと胡椒の香りが食欲をそそる。
フォークでできるだけ巻き取って口一杯に頬張った。
少し歯ごたえの残るパスタの食感とベーコンの旨みが溶けたクリームの優しい味に怯えた心が少しほぐれた。
「美味しいかい?」
よほど出来が気になるのか自分の皿に手をつける間も無くアイツが尋ねてくる。
美味くない訳がなかったけど、素直に答えるわけにもいかない。
「……まあまあ。」
いつものようにそっけなく答えた。
次々フォークで巻き取って夢中で口に運んでる俺が言っても全く説得力はない気もするけど。
「そうか。まだまだ練習しないとな。」
他の悪態は見抜いてくるくせに、この時ばかりは俺の嘘を真に受けていつも反省する。
それだけ真剣なんだろう。
「……そんなに美味い飯食わせたいのか。」
好きな人のために必死なアイツを、自分の我儘で邪魔してる俺。
あんまり考えたくないけどなんだか惨めな気がしてくる。
「当たり前だ。誰だって好きな人に食事を作ったら笑顔で『美味しい』って言われたいだろう。君が、言ってくれても嬉しいが。」
「なっ……。」
俺が言ったら嬉しい?嘘だろ、そんな冷淡な顔で言われても。
そういう社交辞令に決まってる。
本気にしたらダメだ。でも……
「冗談だ。間に受けるな。」
「っ…チッ……受けてねぇよ。」
相変わらずの無表情で見透かされてドキリとする。
向こうは冗談で言ったのに、俺はそんな期待した態度になってただろうか。
どうしよう。格好悪。
堪らず席を立った。
作ってくれた分が無駄にならないようにキッチンにある残りを盛れるだけ盛って自室のドアに向かう。
今日は大丈夫なはずだけど万一変なものが漏れ出ないようにサッと扉をあけてすかさず閉め、デスクに皿を置いてため息を吐いた。
それで少し頭が冷える。
また酷い態度を取ってしまった。
どうしてこう素直になれないんだろう。
俺がどんな態度を取ってもアイツはどうでもいいのかどこ吹く風だけど、元はと言えば向こうからの提案で始まった同室生活だ。
乱暴な態度に嫌気が指したらすぐに解消されてしまうだろう。
そしたらアイツは他の誰かに食事を作ったり恋愛相談したりするんだろうか。
それは嫌だ。
謝らないと。
……と、とりあえず、冷める前にこれだけ食べたら。
頬を染めてニヤニヤしていたかと思うと、突然えづき出した。
「うっ、おぅえっ」
「おい、何だ今の音。死期が近いのか。」
いきなりの事に何かあったのかと心配になるけど、自分の気持ちがバレないようにわざと悪態を吐く。
最近一緒に過ごす時間が増えて嬉しいけどまずい事もある。
油断するとつい想いが溢れて行動に出てしまいそうになるからだ。
キッチンに立つアイツを後ろから抱きしめたくなったのも一度や二度じゃないし、ダイニングテーブルに押さえつけて犯す妄想が溢れて止まらない時もある。
「少しスパイスに噎せただけだ。心配してくれてありがとう。」
「別に心配してない。」
内心を見抜かれて焦って否定した。
コイツは俺が何か悪態をついても、裏にある本心をズバッと見抜いてくる。
誤解されてなくて嬉しい反面、俺がコイツを好きなことまでいつか見透かされそうで怖い。
その後もアイツはテキパキと作業を進めて、ベーコンと野菜が絡まった美味しそうなクリームパスタをテーブルに並べた。
「ジークライト君、お待たせ。出来たよ。」
いつの間にか俺を下の名前で呼ぶようになったコイツ。
俺は未だに変に意識してしまってまともに名前で呼ぶことすらできていない。
ソースから立ち上るミルクと胡椒の香りが食欲をそそる。
フォークでできるだけ巻き取って口一杯に頬張った。
少し歯ごたえの残るパスタの食感とベーコンの旨みが溶けたクリームの優しい味に怯えた心が少しほぐれた。
「美味しいかい?」
よほど出来が気になるのか自分の皿に手をつける間も無くアイツが尋ねてくる。
美味くない訳がなかったけど、素直に答えるわけにもいかない。
「……まあまあ。」
いつものようにそっけなく答えた。
次々フォークで巻き取って夢中で口に運んでる俺が言っても全く説得力はない気もするけど。
「そうか。まだまだ練習しないとな。」
他の悪態は見抜いてくるくせに、この時ばかりは俺の嘘を真に受けていつも反省する。
それだけ真剣なんだろう。
「……そんなに美味い飯食わせたいのか。」
好きな人のために必死なアイツを、自分の我儘で邪魔してる俺。
あんまり考えたくないけどなんだか惨めな気がしてくる。
「当たり前だ。誰だって好きな人に食事を作ったら笑顔で『美味しい』って言われたいだろう。君が、言ってくれても嬉しいが。」
「なっ……。」
俺が言ったら嬉しい?嘘だろ、そんな冷淡な顔で言われても。
そういう社交辞令に決まってる。
本気にしたらダメだ。でも……
「冗談だ。間に受けるな。」
「っ…チッ……受けてねぇよ。」
相変わらずの無表情で見透かされてドキリとする。
向こうは冗談で言ったのに、俺はそんな期待した態度になってただろうか。
どうしよう。格好悪。
堪らず席を立った。
作ってくれた分が無駄にならないようにキッチンにある残りを盛れるだけ盛って自室のドアに向かう。
今日は大丈夫なはずだけど万一変なものが漏れ出ないようにサッと扉をあけてすかさず閉め、デスクに皿を置いてため息を吐いた。
それで少し頭が冷える。
また酷い態度を取ってしまった。
どうしてこう素直になれないんだろう。
俺がどんな態度を取ってもアイツはどうでもいいのかどこ吹く風だけど、元はと言えば向こうからの提案で始まった同室生活だ。
乱暴な態度に嫌気が指したらすぐに解消されてしまうだろう。
そしたらアイツは他の誰かに食事を作ったり恋愛相談したりするんだろうか。
それは嫌だ。
謝らないと。
……と、とりあえず、冷める前にこれだけ食べたら。
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