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ホルスタインのぼく
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ぼくは、牛のホルスタイン。
今はまだ、ぼくはお母さんのおなかの中にいるよ。そしてもうすぐお母さんに会えるんだ。
だからとても楽しみなんだ。
そんなぼくは、もちろん男の子。
あれ。
お母さんの様子が変わってきた。
もしかして、今からぼくはうまれるのかなあ?
『あっ!いたい!』
ぼくがうまれた時、地面に落ちた。
でも、お母さんがやさしくぼくをなめてくれた。
ぼくは、うれしかった。
そしてぼくは早くお母さんのおっぱいがすいたくなった。
あっ!しらない人が近づいてきた。
『お母さんたすけて!』
お母さんはぼくに、おっぱいをのませてくれた。
とてもあまくておいしかった。
そんな時、またしらない人がこっちに近づいてきた。
今度は、力いっぱいぼくとお母さんをひきはなした。
ぼくが、男の子だとわかったしらない人は、ぼくのことをじっと見ていた。
ぼくは、こわくなった。
そんな時、お母さんが『ぎゅっと』しっかりだきしめてくれた。
お母さんのぬくもりを感じたぼくは、その時初めてお母さんの愛を感じた。
ホルスタインとしてうまれてきたぼくだけれど、しらない人から『あんなやついらない』と言われてしまった。
ぼくは、なんだかかなしくなってきた。
ぼくのことは、いらないやつでいいけれど、ぼくのお母さんのことだけは、大切に思ってほしいとねがいたくなった。
そんなぼくは、まだお母さんのそばにいたかったのに、むりやりしらない人につれていかれた。
ぼくはこれで、お母さんのおっぱいを二度とのめなくなってしまった。
まだまだぼくは、赤ちゃんのホルスタインなのに・・・・・・。
ぼくはお母さんのこと、一生忘れないからね。だからお母さんも、ぼくがお母さんの子どもで生まれたこと、そしてぼくが生きていたこと、そしてぼくがお母さんのことを大好きに想っていることを覚えていてね。
お母さん、今ぼくは、せまい牛舎に押し込められた。だれど、少しずつこの中が広くなってきた。
そういえば、さっきまでいたはずの牛の仲間が、人につれられて帰ってこない。
もしかして、ぼくもつれていかれて、二度とこの世に戻れないのかもしれない。
お母さん、ぼくはホルスタインとして生まれたけれど、男の子のぼくは乳牛としての役割が果たせない。
だからほんとうは、いらない子なんだよね。
それなのにお母さんは、ぼくの命を助けようとおっぱいをのませてくれてありがとう。
ぼくはおかげさまで、今まで生きのびることができた。
ぼくがホルスタインとして、必要のないことを、この牛舎にくる車の中で知ったんだ。
なんでわかったかというと『ぼくにはおっぱいが出せないから』といってたよ。
ホルスタインの女の子しかおっぱいが出ないんだって!
だからぼくは、ようなしなんだ。
でも、こんなぼくにも使えるところがあるっていってたよ。それまでぼくは、生かされるみたいなんだ。
それも、まもなくの命みたい。
『次はぼくの番』という声がした。
ぼくは次、殺されるようなのだ。
この世での命はみじかかったけれど、お母さんの子どもとして生まれてきて、本当にぼくは感謝している。
さいごにぼくからおねがいがある。
それは、ホルスタインとしてお仕事をしているお母さんのことを、ぼくのかわりに見守ってほしい。そして、ぼくができなくなったお母さんのおっぱいを、のんであげてほしい。
『ありがとう』
そして『さようなら』
今はまだ、ぼくはお母さんのおなかの中にいるよ。そしてもうすぐお母さんに会えるんだ。
だからとても楽しみなんだ。
そんなぼくは、もちろん男の子。
あれ。
お母さんの様子が変わってきた。
もしかして、今からぼくはうまれるのかなあ?
『あっ!いたい!』
ぼくがうまれた時、地面に落ちた。
でも、お母さんがやさしくぼくをなめてくれた。
ぼくは、うれしかった。
そしてぼくは早くお母さんのおっぱいがすいたくなった。
あっ!しらない人が近づいてきた。
『お母さんたすけて!』
お母さんはぼくに、おっぱいをのませてくれた。
とてもあまくておいしかった。
そんな時、またしらない人がこっちに近づいてきた。
今度は、力いっぱいぼくとお母さんをひきはなした。
ぼくが、男の子だとわかったしらない人は、ぼくのことをじっと見ていた。
ぼくは、こわくなった。
そんな時、お母さんが『ぎゅっと』しっかりだきしめてくれた。
お母さんのぬくもりを感じたぼくは、その時初めてお母さんの愛を感じた。
ホルスタインとしてうまれてきたぼくだけれど、しらない人から『あんなやついらない』と言われてしまった。
ぼくは、なんだかかなしくなってきた。
ぼくのことは、いらないやつでいいけれど、ぼくのお母さんのことだけは、大切に思ってほしいとねがいたくなった。
そんなぼくは、まだお母さんのそばにいたかったのに、むりやりしらない人につれていかれた。
ぼくはこれで、お母さんのおっぱいを二度とのめなくなってしまった。
まだまだぼくは、赤ちゃんのホルスタインなのに・・・・・・。
ぼくはお母さんのこと、一生忘れないからね。だからお母さんも、ぼくがお母さんの子どもで生まれたこと、そしてぼくが生きていたこと、そしてぼくがお母さんのことを大好きに想っていることを覚えていてね。
お母さん、今ぼくは、せまい牛舎に押し込められた。だれど、少しずつこの中が広くなってきた。
そういえば、さっきまでいたはずの牛の仲間が、人につれられて帰ってこない。
もしかして、ぼくもつれていかれて、二度とこの世に戻れないのかもしれない。
お母さん、ぼくはホルスタインとして生まれたけれど、男の子のぼくは乳牛としての役割が果たせない。
だからほんとうは、いらない子なんだよね。
それなのにお母さんは、ぼくの命を助けようとおっぱいをのませてくれてありがとう。
ぼくはおかげさまで、今まで生きのびることができた。
ぼくがホルスタインとして、必要のないことを、この牛舎にくる車の中で知ったんだ。
なんでわかったかというと『ぼくにはおっぱいが出せないから』といってたよ。
ホルスタインの女の子しかおっぱいが出ないんだって!
だからぼくは、ようなしなんだ。
でも、こんなぼくにも使えるところがあるっていってたよ。それまでぼくは、生かされるみたいなんだ。
それも、まもなくの命みたい。
『次はぼくの番』という声がした。
ぼくは次、殺されるようなのだ。
この世での命はみじかかったけれど、お母さんの子どもとして生まれてきて、本当にぼくは感謝している。
さいごにぼくからおねがいがある。
それは、ホルスタインとしてお仕事をしているお母さんのことを、ぼくのかわりに見守ってほしい。そして、ぼくができなくなったお母さんのおっぱいを、のんであげてほしい。
『ありがとう』
そして『さようなら』
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