悪魔

春秋花壇

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悪魔の花嫁

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悪魔の花嫁

かつて、遥か昔、ある村に美しい少女が住んでいた。その少女の名はメアリー・オブ・ニューコム。彼女は清らかな心を持ち、村人たちから愛されていた。

ある日、村に一人の見知らぬ男が現れた。彼の名はロビン・S・ノットといい、魔法使いの一族の出身だと言われていた。ロビンはメアリーに一目見て心を奪われ、彼女を妻にしたがった。彼の申し出は村人たちを驚かせたが、メアリーは彼を拒絶した。

しかし、ロビンは執拗に求愛を続け、ある日、メアリーが拒否したことに激怒して村を呪い、村人たちを次々と苦しめた。村は魔力に包まれ、人々は不幸に苛まれた。

「うう……」

「くるしい」

「たすけてくれー」

悲痛な叫びが、聞こえてくる。

村人たちは這いつくばり、立ち上がることさえできない。

メアリーは村を救うため、ロビンに立ち向かうことを決意した。彼女は森に入り、力を求める旅に出た。彼女は古い魔法の書物を見つけ、その中に「悪魔の花嫁」という呪文を発見した。それはロビンを倒す唯一の方法だとされていた。そして、谷の赤いバラを取ってこなければならなかった。

メアリーは呪文を学び、自分の心に勇気を取り戻した。赤いバラを求めて、深い森を抜け、谷底へと向かう。暗い森を抜けると、一軒の小さな丸太小屋があった。疲れたロビンは、その小屋のそばで休むことにした。彼女がうつらうつらとまどろんでいると、長い衣を着たケルブが『霊の実』という果実を持って立っていた。

「メアリー、起きなさい」

メアリーが起き上がると、ケルブはメアリーを優しく羽で覆ってくれた。
メアリーは精霊に満たされ、疲れがすーと消えていくのを感じた。

「この実を食べなさい」

と、『霊の実』を差し出した。
それはとてもおいしそうだった。
するとたちまち、メアリーは光に包まれ体の底から神聖なエネルギーが沸き起こってくるのを感じた。

「悪魔の花嫁を使う時には、必ず祈りなさい」

と言い残して消えていった。
メアリーは無事に谷底から、赤いバラを取ってくることができた。
村に急いで戻ると、村人たちは息も絶え絶えになっていた。

メアリーは、素早く天を仰ぎ

「わたしたちの主要な代理者が守ってくださいますように」

と、ひざまずいて祈り、

赤いバラを掲げた。

彼女はロビンの方へと向かい、彼に立ち向かった。激しい戦いの末、メアリーは呪文を唱えた。

「Disappear、消滅せよ!!悪魔の花嫁」

あたりは、パーと明るくなり、バラの香りのミストで包まれていく。

霊の実の『愛』『喜び』『平和』『辛抱強さ』『親切』『善良』『信仰』『温和』『自制』で包まれていく。

悪しきものはとろけるように消え失せていった。

しばしの静寂が訪れ、爽やかな風がそよぐ。

小鳥たちはさえずり、赤いバラの花びらがはらりはらりと待っている。


ロビンを打ち倒した。

村人たちは、何事もなかったかのように立ち、歩き、勝利を喜んでいる。

村には平和が戻り、人々はメアリーを英雄として讃えた。彼女は『霊の実の花嫁』と呼ばれるようになり、その美しさと勇気は語り継がれることとなった。

暗い夜の闇に彷徨う悪魔の花嫁
美しき姿に隠された魂の傷跡

彼女の心は優しく、清らかに輝く
しかし、魔法の力に挑む覚悟を秘めて

魔法使いの誘惑に抗い、立ち向かう
村の命運を背負い、力強く

呪文の言葉を唱え、悪霊を撃退する
その手には希望の光が宿りし

悪魔の花嫁、その名は伝説となり
勇気と美しさが永遠に讃えられる











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