接触避けてバラバラ事件

春秋花壇

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接触避けてバラバラ事件

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 夕暮れ前の小さな公園。

花にらが賑やかに寄り添い、

さくらの花びらが淡いピンクのじゅうたんを織り成している。

子供たちは、集団感染を避け、あっちにぽつん、こっちにぽつん、

バラバラに遊んでいる。

うら悲しい光景を横目にみるくは大きくため息をついた。

日本で感染が確認された人は、

空港の検疫で見つかった人やチャーター機で帰国した人なども含めて2015人。

クルーズ船の乗客・乗員が712人で、合わせると2727人となった。

東京都 新たに78人の感染確認 新型感染症ウイルス

都内で感染が確認されたのは500人を超え、全国最多の521人

オリンピックの延期の発表から、

ものすごい勢いで患者数が増え続けている。

食べ物は、案じていたほど混乱はなく、

日常生活にはさほど影響はない。

カラスが異様に飢えているのは気になるが……。

多分、通勤からすは繁華街まで餌を求めて移動しても、

お客様がいないので、出てくるゴミも少なく、

食べる物に困っているのではないか。

ゴミ捨て場を漁る烏は、好奇心の旺盛な考古学の学生のよう。

女性の生理用品とかゴミからあさられて散らかされるのは

とっても迷惑な話だけど。

カラスと農民は常に敵同士であり,

ずる賢いカラスは農民が様々な戦術を考案しても,

ほどなくしてそれを見破ってしまうという。

生きるということはそれだけ大変なのだろう。

寒いカラスが、サム怒らす

今日、いつものように嵯峨のおばあちゃまと新菜と

ラジオ体操の後、まだ残っているさくらを見に行ったのだが、

自転車の籠に、いつも触らせてくれるルナと言う犬のおやつが袋に入って置いてあった。

ルナに残念ながら逢えなかったから、飼い主に渡すことができなかった。

それをこともあろうに、カラスが持ち去ろうとしたのだ。

かつてこの何年間、こんなことは一度もなかった。

ヒッチコックのバードという映画を思い出して、

みるくは怖くなった。

鴨もどんどん増えてきている。

新菜が襲われたりしないように、

生地の厚い帽子をかぶせたほうがいいのかもしれない。

カラスと人間との闘いは,

少なくとも群馬県太田市に関して言えば,

カラスのほうに軍配が上がった。

長年,カラスは捨てられた針金や銅線の切れ端を使って送電用の鉄塔に巣を作ってきた。

その金属製の巣が停電を引き起こそうが,カラスはお構いなし。

こうした巣をいつもいつも取り除くことにうんざりした東京電力は,

巣を取り除く代わりにカラスの巣作りを助けることに踏み切った。

同社は新しい方針を採用した最初の年に,

かごのような形の幾百もの巣を送電に支障のない仕方で鉄塔に取り付けた,

とアサヒ・イブニング・ニューズ紙は伝えている。

カラスは新しいかごが気に入ったらしい。

こうしてようやく,太田市のカラスと電力会社の平和共存が図られる次第となった。

という話を雑誌で読んだことがある。

共存共栄できると👍。

嵯峨のおばあちゃまは昨日、黒い小さな袋をお土産に下さった。

中を見ると、タピオカミルクティーだった。

ミルクが一度も食べたことないの。

食べてみたいとつぶやいたから、買ってくださったのかな。

その気遣いがとても嬉しかった。

追いガムシロはいれなかったけど、

葡萄のような食感のタピオカのプチプチが歯にとても心地よい。

新菜と一緒に食べたのだが、

新菜も気に入ったようで、

もっと欲しいとおねだりしていた。

そのお返しにと、今日は、あんこいっぱいの

どら焼きを買って行ったのだが、

嵯峨のおばあちゃまは糖尿病で、

注射を打たないと食べることが出来ないから、

いつも一緒に食べれないのは少し残念。

私のどら焼き食べたな! どら、焼き入れたる!

やっぱり、おいしいものを一緒に

おいしいねと食べられるのは至福のときだよね。

はみ出しそうなほどたくさんのつぶあん。

甘さも程よく、ラジオ体操の軽い運動の後に食べれるのは、

幸せだよね。

新菜は、偏食バスター中なので、

二人で一つにしたのだが、

口いっぱいにほおばって、アンパンマンみたいな顔をしていた。

かわいいね。

今日の新菜は、昨日の続きで、

「パパいない」

をしばらく連発していた。

余りにしつこく言うので、

みるくもいらいらしてきて、

「パパはそばにいないけど、

新菜ちゃんにはママが二人いるでしょう」

「どっちのママとパパをとりかえっこする?」

と聞くと、急に泣き出して、

「とりかえっこしないの、しないの」

と、しがみついてきた。

「なら、このままでもいい?」

と、聞くと、

「このままでいい、このまんま」

と、ニーと笑って機嫌をとりにきた。

寂しいんだよね。

お友達とも遊べないし。

昨日、一日ネットで新菜のおもちゃについて調べた。

何か一つくらい買ってもいいかなと思ったから。

シロホンとかも楽しいかな。

太鼓がいいかな。

結局、スケッチブックとクレパスにしたんだけど。

様子見よう。

好奇心と空想を刺激するもの。

新菜に必要なものが与えられますように。

庭のお花で押し花を作って、

パパに送るのも楽しいかなって。

貰うばかりではなくて、

与えられる人になってほしいから。

チューリツプの咲き終わった花びらや

パンジー、ビオラ、フリージア、ストック、

サイネリア、勿忘草、花にら、たんぽぽ、さくら、

いろんな花びらが籠にいっぱい。

ペーパータオルに並べて、

ご機嫌で遊んでいる。

「きれいね」

「かわいいね」

「いろんな色があるね」

単語だけじゃなく、ちゃんと文章になってきてることに驚かされる。

ママが言うように、子供の成長は瞬きする間に過ぎていく。

手遊びも一緒に楽しめるよね。

げんこつやまのたぬきさん
おっぱいのんでねんねして
だっこして おんぶして
また あした

ばらばら事件の公園で

一緒に手遊びできるのも今が旬。

ブルーシートを敷いて、トンネル遊びも楽しいよね。

ほーら、おもちゃがいっぱーい。


もうじきあえるね
楽しみだね
わくわくどきどき
胸が高鳴る
オホーツクの流氷が
溶けてしまいそうなほど
愛し合ってる
うふ たのしい
桜雪のはかなさと
春霞の優しさを身にまとって
二人で奏でる
プレリュード
一緒に暮らせるその日まで
明るく軽やかに爪弾くの
咲いた桜があなたなら
慕う胡蝶になれるかな


5月になったら、達也さんと新菜と公園で一緒に遊べる日が来るかな。

達也さんに早く逢いたい。

いっぱい抱っこしてもらいたい。

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